これからの将来を考え始める学生や、育児などから復職を考える女性にとって、どんな職業が多くの女性から「なってよかった!」と思われているのか、気になるのではないでしょうか。
また、どんな職業なら長く続けていけるのかというのも、とても重要になるでしょう。
そこで今回は、多くの女性が「なってよかった!」と思える職業について、様々な観点からランキング形式でみていきます。
女性が職業を選ぶときに確認しておきたいポイント
厚生労働省の実施した「令和2年上半期雇用動向調査」の結果から、女性が職業を選ぶ上で、確認しておきたい6つのポイントを紹介します。
職業選びの際には、是非参考にしてみてください。
①育児や介護に関する制度とその取得率
調査の結果によると、女性の場合、25〜39歳、55〜65歳以上のグループについて、離職率が入職率を上回っています。
また、離職理由について、25〜39歳では結婚、出産、育児による離職が多く、55〜65歳以上では、介護、看護による離職が多くなっています。
これらの結果から、女性は、ライフスタイルの変化により、離職せざるを得ない状況になりやすいと言えます。
こういったライフスタイルの変化で、離職を望まない場合には、育児や介護に関する休暇や休業制度などの充実度が大変重要となります。
また、制度があっても、それを利用できる環境でなければ意味がありませんので、そういった制度の取得率も確認しておくと、より安心です。
②人間関係の良好さ
調査の結果によると女性の転職入職者が前職を辞めた理由として1番多い、「定年・契約期間の満了」に次いで2番目に多いのが、「職場の人間関係が好ましくなかった」という理由です。
どんなに自分に合った職業であっても、人間関係が良好でなければ、続けることが難しくなることもあります。
また、休暇や休業の取得しやすさも、人間関係によってかなり変わってくるでしょう。
③残業の有無などの労働条件
女性の転職入職者が前職を辞めた理由として人間関係と同率で2番目に多いのが、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」です。
こちらは特に、育児期間中などで問題になることが多く、育休を取得できても、復職にあたって保育園の保育時間との兼ね合いがうまくいかなかったり、他に子供を見てもらえる人がいないなどで、続けていくことが難しくなることがあります。
④賃金に関する満足度
女性の転職入職者が前職を辞めた理由として4番目に多いのが「給料等収入が少なかった」で、こちらは特に35〜39歳のグループで多くなっています。
昨今、女性の社会進出が進んでいますが、依然として、男性より女性の方が賃金の水準が低くなっています。
特に、様々なキャリアを積んできた35〜39歳という年代は、そういった面で不満を感じることが多くなるのではないでしょうか。
⑤自分の能力や資格が活かせるのか
女性の転職入職者が前職を辞めた理由の5番目が「会社都合」で、その次の6番目に多いのが「能力・個性・資格を生かせなかった」です。
入社してみなければ、実際の業務内容が分からないことも多く、思っていた業務と違っていた、ということも多々あるでしょう。
こういった理由で退職をされる方もいることをふまえて、実際の業務内容はどのようなものなのか、しっかり確認した上で、職業を選んでいきたいですね。
⑥興味のある仕事内容なのか
女性の転職入職者が前職を辞めた理由として7番目に多いのが「仕事の内容に興味を持てなかった」です。
上位にランクインしている人間関係や労働条件はもちろん大事ですが、長く続けていくためには、興味のある分野に関わり、モチベーションを保つこともとても重要だと言えます。
また、長く続けるにあたって、スキルアップも求められるでしょうから、そういった知識を学ぶにあたっても、興味の有無というのは、大きな影響を与えるでしょう。
なってよかった!職業ランキングTOP10【女性版】
これまで紹介してきた職業選びのポイントをふまえて、女性がなってよかった!と思える職業をランキング形式で紹介します。
人間関係、労働条件、賃金、資格活用度もそれぞれ判定してみましたので、自分の優先事項に当てはめて、見てみてくださいね。
第10位 不動産業
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
不動産業界は、ノルマがあったり、営業成績が賃金に反映されるなど、人間関係がギクシャクしやすい環境と言えるでしょう。
ただその反面、努力次第で賃金アップを狙えるという利点もあります。
また、宅地建物取引士などの資格も活かすことができます。
第9位 製造業
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
製造業は、ライン作業などであれば、それほど他の従業員とのコミュニケーションは必要ないでしょう。
ただし、残業が多かったり、賃金もあまり高い傾向にはないので、この点は注意が必要です。
第8位 美容関連
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
専門的な資格の必要な分野もありますし、資格が必須でなくとも、様々な資格を取得しておくことで、お客様へのアピールポイントとなるでしょう。
また、自分の頑張り次第では、賃金のアップも期待できます。
ただ、常にスキルを磨く必要のある職業ですので、業務外での定期的な練習や知識の更新なども必要となるかもしれません。
第7位 理学療法士
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
理学療法士になるには、養成校で3年以上学んだ上で、学校国家試験に合格する必要があります。
専門性が高く、賃金も比較的高いですが、就職後も様々な知識の更新や勉強が必要となります。
第6位 保険営業
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
お客様に、サービスのご提案を行うお仕事ですので、お客様との人間関係の構築は必須となります。
ただし、営業成績によって、賃金アップの期待ができますし、資格の取得も有利にはたらきます。
労働時間も、ある程度の融通は利く場合が多いようです。
第5位 歯科衛生士
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
歯科衛生士になるには、専門の学校を卒業した上で、国家試験に合格する必要があります。
歯科医院にもよりますが、診療時間が決まっていますので、比較的残業少なく、賃金もある程度高めの傾向にあるようです。
第4位 研究員
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
研究員になるには、修士や博士といった学位が必要で、たとえこれらの学位があったとしても、研究員になれるのはほんのひと握りという狭き門です。
このため、賃金は比較的高めですが、研究内容によっては残業が多いこともあるようです。
第3位 銀行員
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
ミスのできない細かな業務内容のため、人間関係もシビアになることが多いようです。
ただ、部署にもよりますが、残業はあまりなく、福利厚生も充実していることが多いようです。
また、役職がつくことによって、賃金がかなりアップする傾向にあります。
第2位 事務職
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
事務職は、コツコツと同じ作業をする場合が多く、それほど人間関係が重要とはならない職業だと言えます。
残業もあまりない場合が多く、実際に、子育て世代の女性も多く活躍しています。
賃金はやや低めですが、資格の取得によって、就職時にはアピールできるポイントとなります。
第1位 地方公務員(行政事務)
人間関係 | |
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労働条件 | |
賃金 | |
資格活用度 |
地方公務員は採用試験に合格しなければならないため、社会人にとっては、少しハードルが高いと言えるでしょう。
しかし、地方公務員の行政事務であれば、残業はそれほど無いようで、賃金も比較的高くなっています。
福利厚生も充実しているようで、ライフスタイルの変化にも対応しやすいでしょう。
なってよかったと思える職業に就くために、職業選びより大切なこと
ここまで、どんな職業が、多くの女性から「なってよかった!」と思われているのかについてみてきました。
しかし実際は、待遇などが良いと言われている職業でも、会社によってはそうでなかったり、もちろんその逆もあります。
ですので、自分の興味があったり、向いている職業をふまえた上で、どの会社や組織に就職するのか、ということも、とても大切になります。
女性がなってよかったと思う職業に就くために有利な資格7選
ここからは、先程紹介したような職業に就くために、有利となる資格を紹介していきます。
①簿記検定
この資格は、比較的難易度も低く、誰でも受験しやすい資格です。
しかも、様々な職業で有利となる資格ですので、受験しておいて損はない資格だと言えます。
②ファイナンシャル・プランナー
この資格も、比較的難易度が低く、誰でも受験しやすい資格です。
また、この資格も、様々な職業で有利となるでしょう。
③宅地建物取引士
この資格は、先の2つよりも少し難易度が上がりますが、不動産業界に就職するには必須の資格と言えます。
また、銀行員にとっても、この資格は有利となるようです。
④美容師免許
美容業界の、一定の職種に就くためには必須の資格です。
ハローワークの職業訓練などでも募集があるようですので、社会人でも取得しやすい資格と言えます。
⑤理学療法士
養成校で3年以上学んだ上で、学校国家試験に合格する必要があるので、社会人が取得するには、かなりハードルの高い資格と言えます。
ですが、理学療法士は、この資格がないと出来ない職業ですので、資格の有利性は非常に高いと言えます。
⑥歯科衛生士
こちらも、専門の学校を卒業した上で、国家試験に合格する必要があるので、社会人にとってはハードルの高い資格です。
しかし、歯科衛生士も、この資格がないと出来ませんので、資格の有利性は非常に高いです。
⑦TOEIC
多くの人が受験経験のある試験かと思いますが、英語力の高さは、どの職業でも有利にはたらきますので、より高いスコアを出しておくことで、様々な選択肢が増えると言えるでしょう。
女性にとって続けにくい職業ランキングTOP5
最後に、女性にとって続けにくい職業ランキングもみておきます。
第5位 保育士
保育士は、仕事内容に対して賃金が比較的低い上、かなりの体力を必要とします。
このため、育児や介護との両立を難しく感じ、離職する方も多いようです。
第4位 介護職員
こちらも体力仕事の上、仕事内容に対して賃金は低めとなっており、ライフスタイルの変化にも対応しづらい職業と言えます。
第3位 看護師
看護師は、責任の大きな仕事だということもあり、賃金は比較的高いです。
ですが、仕事柄、皆が常に緊張感をもっていたり、勤務が、深夜や休日の場合もあったりと、子育てなどとの両立も難しい職業となっています。
第2位 販売員
販売員はサービス業のため、休日が忙しく、子育てなどで、このような日に出勤が出来ない場合には、続けにくくなってしまいます。
第1位 飲食サービス業
飲食サービス業も、販売員と同じく休日が忙しいため、子育てなど出勤が出来ない場合には、続けづらくなります。
またさらに、飲食サービス業の場合は、調理や料理の提供、洗い物など、体力的な消耗も大きくなります。
まとめ
女性が「なってよかった!」と思える職業の条件は、ライフスタイルの変化への適応性、人間関係、労働条件、興味など、人によって様々です。
まず、自分がこの先、どのような条件を重視したいのかを見極め、それに合った職業や就職先を選ぶことで、自分が「なってよかった!」と思える職業に出会えるかもしれませんね。