理学療法士とは、理学療法に基づいてリハビリテーションをおこなうお仕事になります。
高齢化社会の中で、理学療法士の需要は増えておりますので、求人も多く、仕事に困ることの無いお仕事の一つとなっております。
今回は、デイサービスで理学療法士として勤めている方に、お仕事内容だけでなく、給料や向いてる人の特徴をインタビューしましたので、これから理学療法士を目指す方にとって、参考になることでしょう。
デイサービス(理学療法士)の仕事内容と給料
仕事内容
デイサービスでの理学療法士の仕事は機能訓練士としての業務とその他雑務に分かれます。
機能訓練には行政により決められた基準のⅠとⅡがあり、Ⅰは集団訓練、Ⅱは個別訓練を意味します。
Ⅱの個別訓練は必ずしも一対一というわけでなく、少人数での集団でも可能です(ボール体操など)。
しかしⅠの集団訓練でも利用者のレベルに応じてグループ分けをすることになっており線引きはあいまいな印象です。
食堂と訓練室が別というのがⅡのきまりですが、案外役所もいい加減でそこまで指摘してくることは今までありませんでした。
料金に関してはⅡの方が少し高いですが、Ⅰの方が人数を大きくできるため私はⅠで単位を取り、Ⅱのような内容も行っていました。
いずれにせよ個別機能訓練計画書を三か月に一回更新せねばならないためこれが大変でした。
介護系は病院よりも書類に厳しいです(ケアマネが実質チームリーダーのため)。
その他雑務はお茶くみ、バイタル測定、トイレ介助など求められれば何でもなんでもできなくてはなりません。
デイサービスでは看護師、理学療法士よりも介護士が仕切っていることを念頭に置かなくてはなりません(訓練よりも入浴の方が報酬が高いため医療系は肩身が狭く感じます)。
当日のリーダー制を採用しているデイが多いのではないでしょうか。
リーダーの指示に従って動けばおそらくそんなに問題は生じないと思いますが、その上には管理者、施設長がおり意見が対立していることも多く非常に働きにくいと感じる方もいらっしゃると思います。
また、介護施設ならではですが担当者会議というものがあります。
半年に一度ケアマネが各職種を集めて利用者個別に話し合いを行います。
日頃の関わりが少ない方はこの会議が近づくといつもより多く関わったりしていましたね。
給料
資格保持者(理学療法士)で、正社員となれば、年収は200~300万円前後になります。
デイサービス(理学療法士)の仕事のやりがい
大変な中にもやりがいを感じることはできると思いますが、一人職場の所も多いですし何より独歩の方や車いすの方、様々な身体能力の利用者様に合わせることが求められるため相応の経験年数がないと恐らく難しいと思います(私は病院勤務10年後にデイサービスで2年働き、現在は整形外科勤務中です)。
病院での訓練とはかなり異なるため初めは戸惑いましたが慣れれば大丈夫です。
やりがいとは具体的にはやはり機能訓練の自由度が高いことでしょう。
硬く考える必要はありません。
利用者の目的にあっていれば散歩でも訓練として認められるわけですし、風船バレーなどレクリエーションと訓練を兼ねて実施することもアリなわけです。
基本デイサービスにいることでどんな重度の寝たきりの方でもADL訓練にはなりますから理学療法士は一人ひとり濃厚にかかわる必要はありません。
評価をしてどのように処遇すればよいかを介護士に伝達すればよいのです。
利用者様は多数のため時間を利用人数で割って一人当たり〇分は毎日関りを持つといった具合に目標を立てると良いでしょう。
普段は退屈そうにデイルームで過ごされている利用者様が自分の提案した訓練で生き生きとなさる姿を見ると頑張って良かったと思えますし、その様子を写真に収めることで良い思い出作りができると思います。
私は散歩、口腔体操、ラジオ体操、個別のリンパマッサージの他にも粘土や習字などを訓練に取り入れ利用者様の精神賦活に役立てていました。
季節の移ろいを感じながらそれを利用者と共有することができれば理想的ですね。
デイサービス(理学療法士)の仕事で辛いこと
介護施設はおそらくどこもそうらしいのですが、人間関係がギスギスしていて毎日嫌な気持ちにさせられますよ。
私はPTの一人職場ということもあってかなり優遇されていたと思いますが、看護師、介護士ともに見ていて気の毒なくらいでした。
最もトラブルが頻発するのは入浴場面です。
セクハラ、暴言、転倒、溺水などのオンパレードでスタッフの定着を妨げます。
PTは基本的には洗体まではさせられませんが、着脱や移乗など気になる点は多々あるため頻繁に出入りしていました。
それもあくまで控えめに、介護士の愚痴を聞く気持ちで入浴介助に参加すると基本うまくいくとおもいますが。
また施設経営者や、ベテランスタッフの理想論があちこちで対立を生んでいるようでうんざりすることもありました。
介護施設はおそらくどこもそうらしいのですが、人間関係がギスギスしていて毎日嫌な気持ちにはさせられますよ。
私はPTの一人職場ということもあってかなり優遇されていたと思いますが、看護師、介護士ともに見ていて気の毒なくらいでした。
最もトラブルが頻発するのは入浴場面です。
セクハラ、暴言、転倒、溺水などのオンパレードでスタッフの定着を妨げます。
PTは基本的には洗体まではさせられませんが、着脱や移乗など気になる点は多々あるため頻繁に出入りしていました。
それもあくまで控えめに、介護士の愚痴を聞く気持ちで入浴介助を観察しにすると基本うまくいくとおもいます。
人間関係がギスギスする原因の一つとしては施設経営者や、ベテランスタッフの理想論があちこちで対立を生んでいるようでうんざりすることもありました。
(例:この施設のやり方は良くない。など経験豊富な介護士は頭の固い人が多く、そこに多忙な業務が重なると軽いパニック状態になってしまうようです)
デイサービス(理学療法士)へ向いている人の特徴3つ
- 謙虚な態度であること
- 合理的な行動を心掛ける
- 論理的な思考
①謙虚な態度であること
医療系のスタッフはデイサービスでは肩身が狭い思いをします。
介護報酬が入浴介助より少ないため介護士からは下に見られていますよ。
そのため謙虚になって働くことが大切になってきます。
難しく考える必要は全くなく、介護士さんの愚痴に付き合ってあげるだけでも良いと思います。
介護士は引く手あまたな仕事でありいつでもこんな施設辞めてやるという気持ちで働いています。
仕事内容をみているとそれは当然だと思いますし、そこが理解できればこちらの接する態度は自然と謙虚になるはずです。
ちなみに一番態度が横柄なのはケアマネです。
チーム内では医師よりも立場が上かもしれませんね。
施設やスタッフののやり方に口を出してきますし偉そうです。
ケアマネと合わなければ諦めましょう。
相手も仕事としてやっているためこればかりはどうしようもありません。
②合理的な行動を心掛ける
上にも書きましたが、限られた時間内で全ての業務を効率よく行うには合理的な選択が必要となるからです。
もう少しかみ砕いていうと、自分でなければできないことのみを利用者の個別目標に合わせて実施することを考えて一日の業務を組み立てるとよいでしょう。
決して独りよがりというわけではないのですが、デイサービスにはたくさんの個性豊かな利用者様が来られて一人一人をよく観察しなくてはなりません。
そして処遇を立案しなくてはなりません。
今はこれをする時間というのだけはしっかりと決めて、あとは利用者様の個性や特徴に合わせるようにするには活動時間÷人数で一人当たりのかかわる時間をしっかり決めておくことです。
合理的を追い求めすぎて日々の労働が機械的になってしまわないように自分自身をしっかりと客観的に見つながら業務に取り組むようにしたいものです。
③論理的な思考
②の合理的と内容的にはかぶりますが、介護保険での業務は非常に書類が多く機能訓練士も人数分の書類を一人で作成することを求められます。
その代表ともいえるものが個別機能訓練計画書になります。
こちらは三か月に一度利用者ごとに作成しなくてはなりません。
そのため個別目標と実際に行っている訓練内容が合致していなくてはなりませんしコピペで適当に作成した場合にケアマネに突っ込まれて答えられないことがないようにしてください。
介護報酬は市役所の長寿福祉課が担当です。
私は一度わからないことを質問に行きましたが、長寿福祉課も行政の決め事に従って指導します。
つまり施設基準についてよく理解しておく必要があります。
施設基準をよく読んで、ここのデイサービスで矛盾する点はないか常に点検しましょう。
これから就職しようとしている場合は施設経営者に根掘り葉掘りで良いので聞きましょう。
自分の身を守ることにつながりますのでここは肝に銘じてください。
デイサービス(理学療法士)へ向いていない人の特徴3つ
- 上から目線で人と接する
- 一つ一つの作業が雑
- 繊細過ぎてもよくない
①上から目線で人と接する
施設内で置かれた自分の職務上の立場をよく理解しておけば防げることではあります。
大まかにいうと経営者≒施設長>管理者>介護士>PT・OT>看護師でしょうか。
正規非正規の違いはあまり気にしなくて大丈夫です。
むしろ非正規の人でも堂々と自分の意見は言って大丈夫です。
自分の意見をはっきり言うことと上から目線で話すことは実は微妙に違うのです。
この差異を説明することは非常に難しいのですがこればかりは実際に現場に入っていろんな人と接して理解していただければと思います。
前置きが長くなりましたが、介護施設で嫌われるタイプは大体決まっています。
「前に働いていた施設ではここをこうしていたのに」「自分はこうしたいのに」という部分を隠さずに表に出してしまうタイプです。
このようなタイプの人は元々長くその施設で働いていた人からは疎ましがられますし、なんとなくご理解いただけると思います。
②一つ一つの作業が雑
身体接触を伴う仕事で雑なのは良くないというのは誰でもわかると思います。
どちらかというと認知症で体は元気というタイプの利用者様の方が敏感なようで、しかも雑に扱うスタッフの名前だけは覚えていて周りに言いふらしたりするので自分がその標的になってしまうと厄介ですよ。
利用者様のみならずスタッフに対しても雑な人は嫌われますね。
スタッフは全員限られた時間内で自分の業務に追われています。
それでも一つ一つの対応は丁寧にを 心がけないと組織内ではうまく立ち回れません。
簡潔な内容であっても説得力があれば人には伝わるものです。
真剣に話をしていれば忙しい人でもちゃんと聞いてくれるはずです。
いつか来る自分が発言するタイミングのために日頃からスタッフや利用者様の一人一人と丁寧なコミュニケーションをとってください。
基本的に話したがりな人が集まる職場ですので何も不安に思う必要はありませんよ。
③繊細過ぎてもよくない
逆説というわけではなく、本当にいろんなスタッフが入ってきては辞めてしまいました。
共通点は①の上から目線の人、そしてもう一つが繊細過ぎる人ということになるのです。
具体的に言うと繊細過ぎる人は何か発言する前に考えて間が良くあく人といえば伝わりやすいかと思います。
自分がどう見られているかを気にしすぎるあまりに考えて込んでは間が開くことを繰り返すとデイサービスのようなところではうまくいかないことが多いと思います。
上手くいかないというのは利用者様から頼りにされませんし、不信感をもたせるきっかけにもつながりかねません。
そのことがさらにその人を追い詰めてしまうという悪循環です。
当てはまると思った方にアドバイスするとすれば、思ったことはすぐ口に出すようにしましょうということです。
正直な人には正直にみなさん意見を言ってくれますし、打ち解けるチャンスです。
デイサービス(理学療法士)へ就職する方法
転職サイトやハローワーク等で求人は多いです。
私は予備知識がない状態で就職したためはじめは苦労しましたが周りのスタッフさん、利用者様に支えられて二年間続けることができました。
スタッフ同士助け合い、一人で抱え込まずに分担するくらいの気持ちで働くことができればきっとうまくいくと思いますよ。