「銀行員」の仕事内容を皆さんはご存知でしょうか?
「銀行員」という職業について、テレビや雑誌・ビジネスシーンなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「銀行員」の仕事内容や仕事のやりがい・つらいこと・向いてる人の特徴・なりかたなどを知っていないと転職活動ができません。
今回は、現役で「銀行員」として活躍されている方に、インタビューのうえ、実体験を踏まえて根掘り葉掘り聞いてみましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。
銀行員の仕事内容と給料
仕事内容
収入は、業界内の序列によってかなりわかりやすく決まります。
銀行の中でもメガであればより高く、地銀、第二地銀になればより安く。
信金、信組になれば更に安くなります。
上をみて仕事をするタイプが出世するのは業界内であればどこでも大きな差はありませんが、えらくなりそうな人物の足を引っ張るいやな人間のシェアは各企業によってすこしばらつきがあります。
やりたい仕事ができる機会は、能力さえあればどこの企業に就職しても大きな差はありません。
能力がないもしくは普通の人からすると、大きな差がでてきます。
90年代や2000年代に一度痛い思いをした企業では、比較的普通の能力の人たちをうまく使おうとする意識が高い気がしますが、大きな痛手を被っていない企業では、昭和の時代から大きく企業文化が変わっておらず、普通の人では苦戦することが多い印象です。
自分の能力に全くもって心配していない人であれば、メガクラスで働くことは悪い選択肢にはならないと思います。
給料・収入
年収10百万円前後。
総合職と一般職で差があります。
銀行員の仕事のやりがい
自分の意見が融資対象となる企業との取引に与える影響がとても大きかったです。
自分の知識が足りないために思っていた結果につながらないこともありました。
結果として、そのような取引を二度としないように自分の知識・見分などを磨く必要性が生じました。
上司や審査関連に携わる人達よりも情報をしっかりともち、適切な表現で文章とデータで伝え、そうした人たちを納得させるための実力が必要でした。
この自分を磨く必要性は20歳代から磨かなければ、どうしようもない結果しかついてこないため、若年時から自分を律する習慣ができました。
自分の成長が会社の業績に貢献し、顧客となる事業法人の業務発展の助けとなり、大げさですが業界発展の一助となりうる仕事をしている、という実感を感じることもできました。
これはなかなか体験できるようなものではないことから、この法人営業ビジネスに関与でき、主要な顧客を任されるようになるまで努力したことは仕事の面白さを体現できたと思います。
銀行員の仕事で辛いこと
銀行における法人営業とは、おおむね与信行為になります。
資金を必要とする企業からの融資申し込みに対し、満額で回答したいというのが本音としてあります。
しかしながら、その事業法人の行っている業務の実績は貸借対照表や損益計算書に反映されます。
やりたいことは理解できるし、熱意もしっかり伝わっている場合は、どうしても満額回答したいという気持ちになるのが人として避けられない感情だと思います。
とはいえ、余裕のない貸借対照表や力のない損益計算書を見せられると、社内の稟議を通すことは困難を極めます。
そういった状況におちいることはあまりにもよくある光景です。
そのため、借入希望をいただいたときは、断ることを想定したうえで話を進めなくてはならず、本音と建て前をうまく使い分け、仮に希望通りの回答ができなかったときでも次の取引につなげなくてはならず、その塩梅をどのようにするかでいつも悩まされていた記憶です。
正解がない仕事の難しさ、大変さを大いに学びました。
銀行員へ向いている人の特徴3つ
- 人を見る目と勘のよさ
- 危ない時の逃げ足の速さ
- 豊富な知識
①人を見る目と勘のよさ
法人営業をしていると、コンサルタントをしている人に接する機会が自然と増えます。
コンサルタントといっても大手コンサルもあれば、独立して自分の好かれている企業とのコンサルティング契約でご飯を食べている人もいます。
後者との付き合いはかなり能力差がでます。
法人営業をしていると自分の実力をみせつける必要性がありますが、相手がどういうフレーズや考え方にシンパシーを感じてくれるか、わかる人にはわかりますが、そこをうまく表現できない人が多いです。
特に銀行で仕事をしていて間違ったことをやらなければそれで良いのだ、という考え方で仕事をしてきた人にとっては自分のポリシーのようなものをうまく表現し、顧客を紹介してもらえるような関係性をつくることが苦手な人は多い気がします。
相手がどう考えるだろうという想像力についてはその勘の良さというものがどうしても求められます。
②危ない時の逃げ足の速さ
客商売をしている以上、どうしても顧客に対しては良い顔をしたいと思うのが当たり前だと思います。
そのため、客からの借り入れ申し込みを受けたときはどうしてもその希望をかなえてあげて、自分の実績につなげておきたいと思うのが普通です。
ここで銀行における法人営業で難しいのは、審査基準に満たない会社に対して融資をしてはいけないのですが、誇張表現などをつかい、本来資金を貸してはいけないレベルの企業に対して融資してしまい、結果として返済が滞ってしまうことが起こってしまいかねないことです。
審査部門に所属して会社の見方は立派だったにもかかわらず、いざ自分が営業の最前線に立たされるととたんに判断が鈍り、不良債権をしこたまこしらえてしまう、という話は枚挙にいとまがありません。
引くときは引く、という判断基準をしっかり持つことが肝要です。
③豊富な知識
銀行員へ向いていない人の特徴3つ
法人営業をしている銀行員は、どうしてもある分野において深い知識を求められるよりも幅広い知識を求められることが多くなります。
そのために日々新聞を読み、経済雑誌をよみ、セミナーなどに参加し、どのような局面におかれても対応できるような存在であることが求められます。
あ、こんなことも知ってるんだ、あんなことも知ってるんだ、と思わせることは、とても大切な武器になります。
そう思われることで、ならばこんな話も相談してみよう、あんな話も相談してみよう、とお客さんやコンサルタントなどの外部の接触者に思わせることにつながります。
特に税務関連の知識や法務関連は響くことが多いです。
また業界動向についてやマーケット動向などの普段みんながあまり関心を持たない知識については語れる人間と語れなくて本部に聞きます、という人間の差が大きいです。
- 客観的な視野がせまくて勘が悪い人
- 逃げ足が遅い人
- たりない知識
①客観的な視野がせまくて勘が悪い人
感がきかない人はどうしても悪い案件をつかまされます。
この話怪しいな、と思う感覚はおおよそみんな同じはずなんですが、結果としてなんでこんな案件に融資したの??と思われる案件を取り上げる担当者はだいたい決まっています。
傾向として、自分の予算、目標とする数値にしがみついているひとがこうした悪い案件をつかまされます。
営業ですので、どうしても目の前の数字を達成したいことから、正常な判断ができればこんな企業にこんな金額を融資するはずがない、という部分は誰でも感じます。
そこで大事なのが勘がわるく、これやばいからやめておこう、という客観的な判断です。
自分ができる人間だ、と思っているひとほど陥りやすいわなだと感じます。
周りの意見をきちんと聞く耳をもつことができれば、勘はだんだん醸成されていくものですが、できると思っている人には難しいようです。
②逃げ足が遅い人
あぶない先だと気が付いてから、色々なしがらみから上手く逃げることができない人は結構存在します。
情が移ると特に難しいようです。
こちらが態度を帰ると豹変する輩も多数存在することから、つい臆病になったり、生半可な情報を自分の都合の良い解釈をすることで関係を引きずってしまうことがあります。
特性としては、上司や友人、先輩などにうまく相談できない人がこうした人のタイプといえます。
また、行内で頓挫しそうなプロジェクトに深く関与すると、ほかの仕事を犠牲にしているにもかかわらず、労多くして実りが少ないことになります。
こちらは周囲の反応をよく見ていない人が該当するケースが多いと思います。
そしてこのプロジェクトに深く関与してはだめだ、と気が付いた時には既に周りからの信頼を失いかけていることになっています。
まだあんなどうでもよい仕事してんだ!等といわれる人はそれなりにいます。
③たりない知識
会社に入って数年間は必ず顧客のほうが知識が豊富です。
かろうじて対等に話せる内容があったとしてもかなり狭い範囲でしかやりあえません。
これが普通です。
何十年も経理をやっている人を相手にすれば当然のことだと思います。
そこに気が付き、短い期間に多くの知識を習得する努力をしっかり続けていけば自ずと様々な分野の知識を習得することができますが、過信している人や怠け癖の強い人はある程度年をとってから、知識の浅薄さを客前に露呈することになり、顧客の信用を失うことが多いです。
特に経験年数を重ねるだけである程度は会話ができるようになりますが、客の信用を得るためにはしっかりした知識と、それに基づく知恵がだせるかが大事であり、若年時に怠った人たちは年を取ってから一様に苦労しています。
偉くなる人は若いうちからよく本を読んでいると思います。
銀行員になるには?
普通の転職サイトで大丈夫です。
リクルート系は多い気がします。
資格は不要です。
関与しない業界がないくらいに幅広い業務範囲です。
常に好奇心を持って世の中や周囲の人たちを見ていて、自己研鑽を怠らなければ、楽しい仕事は豊富にあるのでよりよい社会人生活を楽しめるのではないかと思います。