上司の人にとって、部下の退職というものは頭を抱える問題ではないでしょうか。
最近では昔と比べて離職率も高まり、せっかく入った従業員が早々に辞めてしまうなどということも珍しくありません。
部下からの突然の退職の申し出の時、もしくはなにも言わずに辞めてしまったときなどにもしかしたら自分が原因で辞めてしまうのかなと、不安に思う人もいるでしょう。
この記事ではそんな部下の退職が少しでも減るような、また、部下がすぐに辞めてしまうような上司の行動パターン等を紹介します。
上司の方で部下に長続きしてほしいけど一体どうすれば良いのだろうと悩んでいる人が少しでも参考になると幸いです。
部下の退職と上司の因果関係
「上司と上手く関係性を築けない」「上司が嫌い」などといって、会社を辞める人はよくみかけると思います。
ある調査では、嫌いな上司がいると答えた人は70%を越えているという結果もあるようです。
このように、上司のことが嫌いな人というのは多数いますが、果たしてこの「嫌い」というものと、「辞める」というものはどのくらいの関係性があるのでしょう。
実際に上司が嫌いで転職をする人というのは、20%未満のようで、この結果からもわかるように嫌いだから転職をするという人はあまり多くはないです。
転職をするほどの原因をつくってしまう上司というのは明らかに問題があることが多く、パワハラに近いものをしたりなど、部下が精神的に追い込まれたような場合ではないでしょうか。
また、前提として「イヤな上司」はどの会社にも必ずいます。
そのことは社会人経験のある人の大半はわかっているものであり、よっぽどでなければそれだけを理由に退職してしまうことは少ないでしょう。
しかし、退職理由を伝えるときに上司が原因というのはかなり言いやすいワードでもあるため、上司側としてはそういったことを言われる落ち度をなるべく作らないことが大切だと思います。
一般社員が仕事を辞める原因4選
部下が退職したいと言ってきたときに、個人的な都合で、一身上の都合でなど、理由を濁されたりすることもあると思います。
そのような場合、自分のせいかもと心配することよりも何故辞めてしまったのか、どういった理由で辞める人が多いのかを理解することが次に繋がります。
主に一般社員が仕事を辞めてしまう理由は下記のようなものです。
1. 仕事にやる気がでない
仕事にやりがいややる気がでない人は近年特に増えているように感じます。
こういった人は、仕事にそもそも熱意がない人が多く、他の悪い要因が重なると辞めやすくなります。
2. 給与や休みなどの待遇が悪い
給料が少ない、休みが思うように取れないというのは、安定してプライベートも楽しみたい方にとってはかなりストレスがたまりやすいと言えるでしょう。
3. 人間関係がよくない
人間関係は、上司もそうですが、同じ立場の人との関係が悪くなるというのもかなり多いようです。
周りから嫌われてしまったり、なんとなく性格が合わないというのが募り積もると、息苦しくなってしまう人は多いでしょう。
4. 会社に将来性を感じない
毎年の給料が全然上がらない、結果を出しても昇給や賞与に反映されない、会社の業績が悪くボーナスがカットされた。
こういったことが何度もなると、将来的なことを考えると不安になり辞めてしまう人は少なくないようです。
特にこの先社会人の長い若い層は、早めにと思い見切りをつけるのが早いようです。
部下のヒアリング・コミュニケーションはしっかり出来ているか
部下が辞めると言ってきたとき自分のせいかもしれないと思う人の多くは、原因と思う節があったり、漠然と自分がちゃんと出来ていなかったと思っている人が多いのではないでしょうか。
そのような場合に、日頃から部下に対するヒアリングやコミュニケーションがしっかり出来ているとちょっとした変化や辞めそうな兆候というものが見えやすくなると思います。
わざわざ別室に呼んで面談をするといった改まったものはやらなくてもいいので、ちょっとした声かけをして部下が話しやすい環境作りをすることがそういった兆候を見逃さないためには必要となってくるでしょう。
また、突然そういったことをすると不信感をもたれる可能性もあるので、やり方や行動を変える場合はその旨をしっかり低い姿勢で伝えることも、コミュニケーションをとりやすくなる上司になるためには必要ではないでしょうか。
自分のせいで退職者を増やさないためには
上司は当然、会社での地位も給料も一般社員と比べ多いものです。
そのため、一般社員とおなじレベルの仕事であれば部下はついてきません。
そのなかでも特に上司に必要なことは、上司として部下をまとめたり管理をすることだと思います。
では、どのような上司に部下はついていきたいと思うのでしょう。
具体的には、
・作業者としても優秀である
上からものをいうだけでは、ただの口うるさい人と思われたり、言うだけで自分では出来ないのではと思われてしまうこともあります。
部下が困ってるときや、定期的に作業にも入るなどして作業者としての能力も見せていきましょう。
・チームを越えた影響力がある
チーム内、部署内だけで力を発揮するだけではもの足りません。
他の部署やチームとも積極的に連携がとれることも信頼される上司には必要な力です。
・個人の成長を支援できる
従業員一人一人のことをなるべく把握して、その人にあった方針を提示出来るというのは優秀な上司の証です。
全てのものを全員に一括してこうすれば上手くいくという伝え方をしてしまうと、最初以外なにも考えていないと思われることもあるでしょう。
自分が正当性を提示できる状態か?
「ちょっときつめに注意をしたら」「間違っていたことを指摘したら」など、仕事上必要なことだから伝えたものが部下にとっては横暴と思ったり、きつく言い過ぎと思ったりなどということは多いのではないでしょうか。
このような場合に正当性を示せなければ、パワハラと思われたり、最悪の場合上司の方の社会的地位に危険が及ぶこともあります。
上司の方が注意するべき正当性の提示とは以下のようなものです。
- 感情的になって怒鳴ったりなどしていないか
- 相手によって注意するレベルが変わっていないか
- 注意する内容の理窟は通っているか
注意する場合は、感情的にならず、話の道筋をちゃんと伝えたかどうかが大切です。
また、教育をするという努力をキチンとやっていたかどうかも重要となります。
一回教えてダメだったから怒鳴ったり、教えなくなったりなどは上司側の問題となるため、複数回上司側は尽力をしましたと言える状況を作りましょう。
また、上司が自分だけを無視してくるなどという話もよく聞きますが、このような場合に割りとおおいのが、なにかが原因でコミュニケーションが減った場合です。
このような場合も仕事上のやりとりがちゃんと出来ていて、作業をしていくうえで問題のない環境作りが出来ていれば、無視にはなりません。
まとめ
部下が突然辞めるという話をしてくると、自分にあまり自信のない上司の人は特に自分のせいではないかと思うことが多いでしょう。
しかし、大切なのは自分が原因かどうかではなく、自分が上司としてしっかり上司の仕事を出来ていたかどうかだと思います。
残念ながら上司がどれだけ頑張ろうと、ちゃんとやっていようとも、辞める人は辞めます。
辞める人を少しでも減らす現場作りをすることは可能ですが、そもそも不平不満の多い人や仕事として支障の出るわがままをいう人は必ずいるので、
そういった人が辞めるときに上司として、会社として正当性を示せることが自分やちゃんとやってくれている職場の仲間を守る結果に繋がると思います。