人の話を聞いたり、カウンセリングのようなことをすることが好きな人にとって、セラピストという仕事が良いのではないでしょうか?
実は、セラピストという仕事は、カウンセリングや施術以外にも、事務作業や洗濯などの雑務が多く、体力を使う仕事となっております。
今回は、現役のセラピストの方へ仕事内容や向いている人の特徴などをインタビューしましたので、これからセラピストとして働くことを検討されている方の参考になることでしょう。
セラピストの仕事内容と給料
仕事内容
一日の流れとしては、朝サロンの掃除と、ミーティングにて予約の入っているお客様の情報共有。
営業時間になったら予約の入っているセラピストはお客様カウンセリング、施術、アフターフォローを行います。
予約のないセラピストは電話対応やチラシ配り、PC業務、洗濯、他セラピストの補助に入ります。
洗濯物が大量に出るので、洗濯機は一日中回していて、これが結構重労働です。
営業時間が終わったら片付けて終了。
セラピストは施術のイメージが強いですが、洗濯や掃除などバックでも力仕事が多く、結構体力は必要です。
また、営業時間が夜遅くまでやっているサロンの場合、日勤、夜勤などで交互に入る場合もあります。
私はサロンで働いていたことも、開業して一人で働いていたこともありますが、どちらでも大体同様の業務の流れになります。
特に開業している場合は、顧客集めのためのホームページ整備やブログ更新、経理業務などのPC仕事が増えますが、力仕事は減ります。
給料
年収は350万~450万ほどです。
個人で開業すればそれ以上もある。
セラピストの仕事のやりがい
やりがいはやはり、お客様から自分の仕事に対して直接感謝の言葉を言ってもらえることかなと思います。
身体や心がつらい状況でサロンに足を運ぶお客様が多いので、終わった後はありがとうと心から言ってもらえることが多いです。
また言葉だけでなく、お見送りの際に、疲れが取れて足取りが軽くなったり、表情が明るくなったりするお客様を見て、自分の仕事に意味があると実感することができます。
また身体についてたくさん勉強が必要になりますが、どの情報も自身の生活に活かすことができるので、勉強のし甲斐もあります。
家族に施術をしてあげて、喜ばれたときにも、セラピストをやっていてよかったと感じます。
セラピストになる方は、人に喜んでもらいたいと思ってその職を希望する方が多いので、一緒に働く同僚も志が高く性格の良い人が多かったと思います。
長く通っていただける固定客ができてくると、お客様と人対人の深いつながりができるのも、セラピストの楽しさだと思います。
セラピストの仕事で辛いこと
体力仕事であることが一番しんどいところかなと思います。
実際にまわりで辞めてしまったセラピストのほとんどは、体力仕事についていけなかったり、腰痛など身体に不調をきたして辞める方がほとんどでした。
また、アロマやアルコールも良く扱うので、手荒れでセラピストを断念する人もいました。
特に新人で顧客が付かない時期だと、一日中洗濯をまわしては干して、先輩のお客様を着替えにご案内したりお茶を出したり、一日中サロンの中を動き回っているような状態がほとんどです。
お客さんの少ないサロンだとむしろやることがなくて、一日外で立ちっぱなしでチラシを配っているとも聞きました。
また、サロンによってはノルマがあって、ノルマを達成するためのお客さん集めが大変だったり、自分の友人や家族にも無理を言ってお客さんとして来てもらわないといけなかったりもします。
また基本は女性社会になるので、その点の人づきあいが苦手な方は大変に感じるかもしれません。
セラピストへ向いている人の特徴3つ
- 体力にある程度自身がある人
- 勉強し続けることに抵抗がない人
- 人とかかわるのが好きな人
①体力にある程度自身がある人
しんどい、辛いことの項目にも書きましたが、施術中も施術外の時間も基本は体力仕事です。
そのため体力にある程度自身がある人でないと、まずは続かないと思います。
また、雇われで働く場合は、お給料が高い職場を希望すると、たいてい遅番や夜勤があるか、もしくは顧客が多く忙しいサロンになります。
遅番の経験は私もありますが、遅番で家に帰って23時、次の日は早番で早起きしないといけない、という日も良くありました。
施術自体もかがむ姿勢や下向きの姿勢が多いので、肩こり首こり、腰痛に悩む方は多いです。
施術をしっかり勉強して、正しい姿勢で施術をすればセラピストは長くできる仕事ですが、適当な姿勢で続けていると確実に身体を壊してしまいますので、注意が必要です。
サロンだと小手先の手技ばっかりで、その点をしっかり教えてくれないところも多いので、外部のセラピストのスクールで基本姿勢から学ぶことをおすすめします。
②勉強し続けることに抵抗がない人
セラピストは単に施術をするだけでなく、健康や身体について相談を受けたり、どの箇所が凝っているか聞かれたり、家でのセルフケアのアドバイスを求められたりします。
そういったことをプロとして答えていくためには、専門知識が必要になります。
また、身体のことや精油のことなど、日々情報はアップデートされていますので、初めに勉強して終わりではなく、働きながら学び続ける必要があります。
サロンだと業務のことしか教えてもらえないので、自身で本やインターネットから情報を取りに行く必要があります。
そういった学ぶ意欲がある人でないと、顧客から信頼されるセラピストにはなれないと思います。
またサロンに通う顧客は健康や美容に関心が高い人が多いので、あまり知らないと信用を失ってしまいます。
少なくても、聞かれてわからないことを宿題として調べて、後日回答するという姿勢が大事です。
③人とかかわるのが好きな人
セラピストは他人と一対一で、二時間も三時間も一緒にいることになります。
顧客は心身ともに疲弊してサロンに訪れる方が多いので、上手くその方の気持ちを汲み取り、波長を合わせながらコミュニケーションを取っていくことが求められます。
お客様に聞かなくても、この人には最低限の説明のみで対応すべきか、雑談も交えるべきか、自分で空気を読む力が必要になります。
また当然、狭いサロン内で先輩セラピストとも連携を図りながらサロンをまわしていくことになりますので、職場内でのコミュニケーションもしっかり取れる必要があります。
特にサロンは3,4人で働く職場が一般的だと思うので、一般企業に比べても密な人間関係になります。
自分の顧客だけ見ていればよいわけでは無く、先輩の顧客の顔を覚えて、お出迎えに行って雑談をするようなこともあります。
セラピストへ向いていない人の特徴3つ
- コミュニケーション能力の低い人
- 他者と連携するのが苦手で独力で仕事したい人
- 自ら学ぶことができない人
①コミュニケーション能力の低い人
これは大前提で、コミュニケーション能力は必須になります。
コミュニケーション能力といっても、常に明るく人前で話すことが得意なことではありません。
一番は、相手の気持ちを読み取る力、空気を読む力だと思います。
疲れて来店するお客様には、カウンセリングをしても口数が少なく、中には面倒くさがったり怒っているような態度を取る人も少なくありません。
そういった際に、なぜ疲れているのか、疲れの原因は何なのか、どの程度会話を広げるべきなのか、こちらが判断してお客様とコミュニケーションを取らなければなりません。
また、カウンセリングがうまくできないと、その後の施術でどこを重点的に癒すべきなのかもわからなくなってしまいます。
案外おしゃべり好きな人の方が、カウンセリング時に一方的に話してしまい、上手く情報を引き出せない場合もあります。
②他者と連携するのが苦手で独力で仕事したい人
セラピストというと一対一でお客様と向き合って仕事をするイメージを持つ人が多いですが、サロンに務めている場合は、他セラピストとの連携がとても重要になります。
特に忙しいサロンだと、自分が施術をしながら、隣のベッドのお客様は何時までの施術か、次くる先輩のお客さんは何時に来るのか、そういったことも把握しながら、連携してお客様のお出迎えやお見送りをする必要がでてきます。
お客様が遅れた場合など、何時までにベッドをあけて、次の顧客の対応を他のセラピストにまかせて・・・など、周りに相談しながら進めることが求められます。
施術以外の洗濯などの共有の業務もたくさん出てくるので、協力しながら業務を進める必要があります。
また自身が休みのときに担当顧客が来ても、他セラピストが対応できるよう、お互い顧客情報の共有も必要になります。
③自ら学ぶことができない人
セラピストとして勤めるにあたって、情報の更新は自分でしていく必要があります。
サロンでは、最初に研修がありますが、研修では施術の手技や接客の流れなどの基本は教えてもらえますが、技術の向上は自分で学んでいくしかありません。
本を読んで健康や美容についての知識を身につけたり、先輩に時間を取ってもらって技術の向上を図ったり、自ら動かなければなりません。
そういう点で、受け身ではなく、自ら学ぶ、動くことのできる人でないと、いつまでたっても新人セラピストのときから技術や知識が向上しなくなってしまいます。
特に個室サロンの場合は、いったん施術に入ると他の先輩の技術を盗み見ることもできなくなってしまいます。
いっぽうで学ぼうと思えば、youtubeの施術動画など、お金をかけずとも学ぶツールはたくさんあるので、学ぶのが好きな人は向いていると思います。
セラピストへ就職する方法
資格は必須ではないが、働く職場によって、アロマセラピストなどの資格を取っておくと役立ちます。
転職サイトにも募集はありますので、仕事に就くためのハードルはそこまで高くないでしょう。
セラピストは人の心と体の健康に携わる、本当にやりがいのある仕事です。
目指す方はぜひ、チャレンジしてみてください。