料理が好きで、子供好きな人であれば、保育園の調理補助というお仕事はいかがでしょうか?
保育園の子供たちの健康面を考えるのはもちろんのこと、年齢に合わせたメニューを手際よく料理する必要もあるため、保育園にとってとても重要なお仕事になります。
今回は現役で保育園の調理補助として勤務されている方に、仕事内容や向いている人の特徴などをインタビューしましたので、これから保育園の調理補助として働こうと考えている方の参考になることでしょう。
保育園調理補助の仕事内容と給料
仕事内容
献立は、栄養士さんが考えてひと月分考えて下さり、材料は前日の午後に届くので、事前にメニューや作り方を確認しておくところから始めます。
当日ですが、マスクと手袋、エプロンに帽子を装着し、手洗いを念入りに行います。
ご飯が献立にある日はまずお米を研いで炊飯器のスイッチを入れます。
時間がかかりそうなメニューから手をつけて、離乳食などは味付け前の野菜などを取り出してすりおろします。
子どもの年齢(月齢)によって、切る大きさや調味料の使用量が異なるので、それぞれの分を効率よく作っていきます。
出来上がれば、検食分を1口ずつ2セット取り分けて、1つは責任者にチェックをしてもらいます。
もう1つはラップに包んで、冷凍庫へ入れます。
これは食中毒などがあった場合に、提出するためです。
責任者のオッケーがでれば、それぞれの食器につぎ分けていきます。
子どもたちが食べ始めると、次は調理器具などの洗浄をし、食後は食器洗い、水回りの掃除をして終了です。
最後は2週間前の検食分を冷凍庫から出して、ゴミといっしょに捨てます。
給料
年収は220~330万円、資格があれば400万円前後になります。
保育園調理補助の仕事のやりがい
1番は、子どもたちの「おいしい」という笑顔や声がうれしいです。
1粒残らずきれいに食べたお皿をもってきてくれたり、今日の給食は何?と楽しみにしてくれたりする姿を見ると頑張ろうと思えます。
また、食が細い子や野菜が苦手な子が、完食してくれるのもうれしいです。
あと、メニューや作り方は指定されているのですが、ちょっとした工夫で、早くおいしく仕上がるので、腕が上がったなと自信がつきます。
早く出来上がった日は、盛りつけにこだわれるので、それも楽しみでした。
盛りつけ方1つで見た目のおいしさはとても変わってきます。
特に子どもは視覚から入ることが多いので、運ばれたときに歓声があがるとうれしかったです。
個人的に印象的だったのは、離乳食を作ったときです。
離乳食はドロドロしていて、盛りつけ方によっては汚らしくなってしまうのですが、まるで絵を描くよう彩などを意識して盛りつけました。
すると、検食をした主任の先生がとても感動して、写真に撮ってくれました。
その写真は園便りに載せられ、すごくうれしかったです。
保育園調理補助の仕事で辛いこと
とにかく時間がないことです。
息をするのも忘れるほど必死でした。
大人と違って幼い子どもが食べるので、基本的になんでも細かく切らなければなりません。
しかも人数も多いので、まな板からはみ出さないように野菜を切るのも一苦労でした。
また、同じメニューでも、3歳児用、2歳児用、1歳児用で切り方を変える必要があったり、離乳食は全て細かくすりおろさないといけないので大変でした。
このように、それでなくても全く時間がないなか、3~4種類のおかずを作るのは、主婦経験があっても難しかったです。
最後に責任者の検食があるため、それもなかなかのプレッシャーでした。
はじめの頃は「もう少し小さく切って下さい」「もう少し薄味でお願いします」など、ダメ出しをされることもあって、へこみました。
それでも作り直しがきくものなら良いのですが、失敗すると食べるものがなくなってしまうので、それが怖かったです。
あと怖いと言えば、食中毒を出さないか、常に神経をつかって調理するのも大変でした。
保育園調理補助へ向いている人の特徴3つ
- 料理することがすきなひと
- 子どもが好きなひと
- 黙々と作業するのが好きな人
①料理することがすきなひと
私は料理が好きな方でしたが、それでも仕事の後は台所に立つのも嫌になるほど疲れ果てていました。
なので、料理が好きであることは絶対条件だと思います。
まずは食に興味があり、料理することが好きであることが何より大前提になると思います。
一方で、料理が好きな人であれば自身のそれまでの料理経験が活かせますし、それさえあれば特に専門的な知識やスキルが必要なわけではないため、それほどハードルの高い仕事ではありません。
また色んな給食メニューを作ることで、自分の料理にもレパートリーが増えるので、そういったメリットもあります。
料理が好きであれば、うまく作れたときの達成感もひとしおですし、自分の自信にもつながって、より料理が好きになることも大いにありえます。
自分の好きなこと、得意なことを仕事にできるという点で、料理好きな人にはおすすめな仕事だと思います。
②子どもが好きなひと
子どもが食べる給食の調理なので、子どもが好きであると頑張れると思います。
おいしそうに食べている子どもたちの笑顔を見ているととても癒されます。
また、この子たちが自分の作ったものを食べて、日々成長しているのだと思うと感慨深いものがあります。
子どものことが好きで、子どもに興味や関心をもっている人であれば、人から指図されなくとも、どういった切り方をすればいいか、どれくらい煮込めばいいかなどもなんとなくわかると思うので、効率よく調理することが可能になります。
子育て経験がある人ならとくに良いと思います。
離乳食がどれくらいの粗さで作るべきなのか、なども経験からわかることもあります。
また、盛りつけも、どのように盛りつければ子どもが喜ぶかといったことも、全く子どもに興味がない人より理解しやすいのではないでしょうか。
③黙々と作業するのが好きな人
基本的に給食調理の仕事は、人と話したり接したりする仕事ではありません。
また自分で何かを考えでいちから作り出すものではなく、もともと決められた献立を、決められたレシピで作るだけなので、淡々と仕事をこなすことができます。
とにかく時間との闘いなので、他のスタッフさんと会話している暇もないですし、ただ黙々と野菜を切ったり、煮たり焼いたりといった作業の連続です。
調理の仕事が終われば、次はひたすらお皿を洗ったり調理器具を洗ったりする作業が待っているので、難しいことを考えずに目の前の作業をこなしていくのが好きな方にはぴったりだと思います。
もちろん他に調理スタッフさんが入る場合もありますが、基本的にそれぞれの持ち場があって、お互いに干渉しあわないので、チームプレーが苦手でもそれほど問題はありません。
こつこつこなしていくのが好きな人にむいています。
保育園調理補助へ向いていない人の特徴3つ
- 料理が嫌いな人
- 時間をかけて自分らしい仕事がしたい人
- おおざっぱな人
①料理が嫌いな人
料理が嫌いな人は致命的です。
というのも、ほぼ料理だけの仕事と言っても過言ではありません。
2時間ほどの調理時間の中でも9割近くが料理をしている時間になります。
子どものための給食では、レトルトや簡単にできる調味料などは基本使わないので、いちいち調味料も調合する必要があります。
料理が好きな人であれば、なにも苦痛に感じない作業であっても、1つ1つが苦痛になると思います。
また、料理が嫌いで経験の少ない人であれば、まずは時間が足りないでしょう。
慣れていないので、手際が悪く、何から手をつければいいのかわからないはずです。
要領を誤ると、確実に時間が足りなくなって、給食の時間に間に合わなくなってしまいます。
そうなると大問題なので、長く続けるのは厳しいでしょう。
きっと作り終えたとしても達成感が感じられないと思います。
②時間をかけて自分らしい仕事がしたい人
自分のペースでゆっくりと確実に仕事をしたい人にとっては、とてもストレスフルな仕事だと思います。
本当に時間に追われる仕事なので、自分はこうしたいとか、もっとこんなふうにしたいといったオリジナリティを活かせる余裕はありません。
ただ決められたことを、決められたとおりに、時間内に絶対に終わらせることが1番大切になるので、それができないと仕事になりません。
常に時計とにらめっこ状態なので、そういった状況が苦手な方にはかなりのストレスになってしまうでしょう。
もちろん、時間がないからといって適当に作って良いわけではないのですが、こだわりなどを取り入れている余裕はまったくないのです。
自分らしさをいかせる場面というのは、盛りつけくらいでしかできないので、そこにやりがいを求めようとすると厳しいと思います。
とにかく時間がないです。
③おおざっぱな人
時間がまったくないなか、野菜を細かく切ったり、きれいに盛りつけたりするのには、それなりのキャリアも必要ですし、なければ根気や器用さが必要になります。
不器用だと一つ一つの作業が大雑把になってしまうので、ミスが起きやすいと思います。
野菜が大きすぎればやり直しですし、調味料の分量を間違えれば大変なことになります。
給食調理では、目分量ではいけません。
離乳食なども、細かい作業なので、細かくすりおろすには根気も必要です。
子どもが口にするものを作るので、まあいいやというのが通用しない仕事です。
ほんの少しでもミスがあってはいけないのです。
そういう意味では大雑把な方には向いてないと思います。
時間がないなかの盛りつけは、ある程度器用さもないとあふれてこぼれたりもしますし、子どもが食べる量をきちんと把握しておく必要もあります。
保育園調理補助へ就職する方法
保育園や幼稚園専門の転職サイトで求人はありますので、そちらで探すことをオススメします。
私が働いているところは、免許は不要でした。
免許が必要であったり、職場によって雰囲気も大きく変わりますので、色んなところを見て回った方が良いかと思います。
また、とにかく料理を作る機会を増やしましょう。
どのように調理すれば、効率よく作れるか日々研究しておくと役に立ちます。