介護・福祉

作業療法士はやめとけ?なるためには何が必要か、向いてる人の特徴

作業療法士に向いてる人

作業療法士という仕事をご存知でしょうか?

医師の指導に従って、「作業療法」を行うことができ、リハビリテーション職の1つとして、人気の職業となります。

今回は、老健の作業療法士として勤続10年の、ベテランの方へ仕事内容や向いてる人の特徴、なるには何が必要かをインタビューしましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。

作業療法士の仕事内容と給料

仕事内容

老健での作業療法士の仕事内容は、基本的には高齢者の方へのリハビリが仕事内容になります。

病院などから老健へ入所された方へリハビリを行います。

老健は医療機関と在宅との間の施設「中間施設」と呼ばれる場所にある為、在宅へ帰る為に必要な訓練をそれぞれ対象者の方にあった内容を選定し実施します。

作業療法士が老健で行いリハビリ内容はADL訓練「日常生活動作」が主になります。

各家庭の在宅環境を確認し、それぞれの家屋状況に応じて環境調整を行います。

また在宅復帰を行う際には老健のスタッフだけでは無く、多職種で担当ケアマネージャーや福祉用具業者の方とも話し合いを行い、住宅改修が必要かどうか、福祉用具をレンタルするかどうかなどの検討を行います。

さらに、老健は在宅生活支援施設でもある為、老健でリハビリをして状態が良くなった後も継続的に在宅生活が送れるような支援体制が整えられています。

施設によって理学療法士や言語聴覚士などのリハビリスタッフが従事している施設もあります。

給料・年収

作業療法士の仕事のやりがい

老健での一番のやりがいは、作業療法士として直接リハビリを行った方が元気になって自宅へ帰られる所です。

また、直接関わる事が多い為、入所の方の心理的によりそう事も多く、身体面のリハビリだけではなく精神面へのサポートが出来る所も魅力の一つだと感じています。

他には老健でリハビリをしていく際に在宅を想定して行っていくのですが、実際に在宅へ帰った際に思った様な動作を本人様が実施できたり、家族の方への動作指導などの伝達が直接できる所もやりがいにかんじています。

そして、施設でリハビリを行い元気になって自宅へ帰られた後に住んでいる地域での活動に参加されたり、定期的に在宅支援サービスを使用されて元気な姿や話を本人様や家族の方から聞ける所も魅力です。

最後になりますが、老健で従事しながら作業療法士として色々な経験や技術を学ぶ事が出来る事(現在はコロナ等で対面の研修などはありませんが)で自己研鑽も多いに出来る事もやりがいに感じています。

作業療法士の仕事で辛いこと

老健での辛い事は、これは地域性によって差もあるとは思いますが、老健が在宅復帰施設を機能として掲げリハビリを行うにも関わらず、一定数は自宅へ帰られない方が存在するという所です。

理由は様々ですが独居である事ややはり高齢者である方が多い為、自宅へ帰った際の介護者の方などの負担増になる事、そもそも介護者自体の高齢化もある為、多くの所が「老老介護」に陥りやすいです。

これらは田舎にいけばいくほど傾向が高い気がします。

また、支援する家族によっても協力体制が様々で協力的な家族は比較的在宅復帰もスムーズに行く事が多いのですが、在宅復帰にあまり積極的でない家族などは色々な条件がされ(日常生活の中のトイレが完全に一人でできる様になってほしいや家族が仕事でいない為一人で転ばずに歩けるようになって欲しいなど)最終的には施設入所中に状態悪化により在宅復帰が叶わない場合も多々あります。

他にはやはり命を預かる仕事なので死とは隣り合わせです。

作業療法士へ向いている人の特徴3つ

向いてる人の特徴3つ
  1. 優しさ
  2. 多様性
  3. センス

①優しさ

優しさについては、多くの職業について共通している所かとは思いますが、私たち老健で働く作業療法士もやはり対人相手のサービス業の部分はあります。

しかも、多くのサービス業とは異なり、そのほとんどが高齢者の方ですので身体的に健常者と比べると低下がみられる方です。

さらに認知症の方も多く存在する為、これらの対応をする為にはやはり優しさは必要だと思います。

そして、きれいごとかもしれませんが「奉仕する心」に抵抗がなく、奉仕的な多くの事に積極的に取り組める方が適していると考えます。

また、リハビリを行っていく際に、老健入所の方にもそれぞれのコミュニティや一定数のヒエラルキーの様なものも存在しますので、それらの影響も加味しながら一人ひとり対応していく為には自分に余裕がないと出来ませんし、余裕がないと人にも優しく接する事が出来ないと考えるからです。

②多様性

多様性については、老健には作業療法士を含め、医師、看護師、介護士、薬剤師、事務員、調理師など他にも多くのスタッフが働いています。

その中で作業療法士として与えられた責務は「リハビリ」を行い、老健から在宅復帰をサポートするのが一番ですが、入所者の方やその家族様、また在宅環境や支援サービス、金銭的状態など十人十色です。

それらの方々に合わせたサポートをするのは、ただやみくもにリハビリを行うだけでは解決しません。

その為、人それぞれのサポート方法を考える為にはいろいろな可能性を視野に入れ、物事を多角的かつ多様性をもった考え方が必要です。

これは経験も含めて蓄積されていく部分でもあるとは思いますが、作業療法士として働いていく上でやりがいでもあり大変な部分でもあると考えています。

しかし、これらは日ごろの生活の中でも応用できると思います。

③センス

センスについては、上記の②の所にも重複する内容もあるかと思いますが老健で作業療法士として在宅復帰する際の在宅環境を調査させて頂く時に支援内容や方法など多岐にわたります。

これらは作業療法士として腕の見せ所でもあるのですが、仮にサポートが上手くいかなかった場合には本人だけではなく、家族の方へも不安を与えてしまう事になります。

ですから、経験を積む事はもちろんですが、もともと本人が持っているセンスも多いに関係してきます。

在宅を見た際に、教科書的なサポート方法なら誰でもいくらでも真似する事はできますが、各家庭の状況や家屋状態に応じて、本人や家族の方に適した内容を伝達できるかどうかは同行した作業療法士の腕とセンスにかかってきます。

しかしながら、経験していくと応用もできるので、初めは模倣しながら経験を積むことが大事かと考えます。

作業療法士へ向いていない人の特徴3つ

向いてない人の特徴3つ
  1. 対話が苦手
  2. 悲観的
  3. 感情的

①対話が苦手

対話が苦手な方は、本人の努力次第で可能性はあると思いますが老健で働く職業はそのほとんどが人と接する仕事です。

作業療法士もその一つですが、多職種のスタッフや入所の方や家族の方々、また他施設のスタッフや福祉業者など本当に様々です。

これらの方々とめまぐるしく会話を行う必要がありますし、それぞれの場所にあわせて専門用語を使わずに説明をするなど変えていかなければなりません。

これらの事を考えるとあまり対話が苦手な方は仕事を行う事が苦痛に感じるかもしれません。

作業療法の学校でも実際に学生でコミュニケーションが苦手だけど親の勧めで入学したという学生も比較的多く存在していると感じますが、やはりその様な場合には実習で直接対話を行うときにうまく行えずに、自ら実習を辞退したり最悪、学校自体を退学してします学生もいるようです。

②悲観的

悲観的についてですが、これは老健の作業療法士として働くうえでの特徴になります。

老健で働く作業療法士は在宅復帰施設である為、入所した方の在宅復帰をサポートする為に「日常生活動作のリハビリ」を行います。

そして、本人の状態の向上がみられ、家族の協力体制が得られた所で晴れて在宅復帰に向けてサポートを加速していくのですが、家族の方も高齢であったり、普段は就労で在宅へいないという事もしばしばです。

これらの状況でいくら本人様がリハビリを行い状態がよくなったとしてもただ帰るだけでは、家族の方も不安でいっぱいです。

これらの課題に対して、上記でも説明してきたような、それぞれ環境に合わせた多角的な視点かつ多様的な支援方法が必要なのですが、視野が狭いと一つの物事しか考えられず悲観的な内容を伝える事もしばしば考えられますので、悲観的なとらえ方をする方はあまり向いていないかもしれません。

③感情的

感情的な人についてです。

これは老健で働く中ですべての職種に共通していえる事だと思いますが、実際中には高齢者の方で動作が上手くできない事などについ感情的になる人も存在します。

中には認知症の方で毎回同じ事をいう(1分置きに食事を食べていない)や男性入所者が女性職員に対して胸やお尻をさわるなどのセクハラをする事もあります。

確かに人間で感情があるので中にはされて気分を害するものもありますが、そこはプロとして自覚と責任を持ち感情をコントロールする必要があると思います。

あとは入所されている方は概ね年上の方がほとんどですから、人生の先輩として敬う気持ちも忘れてはいけないと思います。

昨今、高齢者施設での虐待などの事故を見ても胸が痛みますが、自分の感情をコントロールできない方にはこの仕事は向いていないと思います。

作業療法士になるには?

作業療法士として働くためには、国家資格である「作業療法士試験」に合格する必要があります。

老健での仕事は大変ですが、やりがいもあります。

それぞれの職種によって従事内容も異なりますが頑張って下さい。

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