女性に人気職業のネイリストですが、個人で活躍するフリーランスや独立して自分のサロンを開業する方も多く、夢のあるお仕事ですよね。
インスタグラムを見ると、モデルがお店に来たりと華やかな世界に見えますが、実際はクレームや指名を変えるお客様がいたりと、接客業ならではの辛いこともあります。
今回は、現役のネイリストの方へ、仕事内容だけでなく、持っているといい資格や気になる年収や収入面までインタビューしましたので、これからネイリストになろうと考えている方には参考になるのではないでしょうか。
ネイリストの仕事内容と給料
ネイリストの業務内容の具体的な流れと年収について、ご紹介します。
仕事の具体的な流れ
店舗の規模によっては仕事内容を分担していることもありますが、一般的なお店ではネイリスト1人で受付からお見送りまで全てを担当しています。
店舗によっては受付、オフ、塗布で分担しているところもあります。
大型店舗の場合、新人はオフだけ担当することもあるそうです。
まず、ご予約時間が近づくと入口近くで待機。
ご来店されるとお上着をお預かりして、お席に案内します。
その時、お荷物の置き場所のご案内もします。
初回の場合カルテにご記入頂き、お飲み物をお伺いしお出しします。
(現在はコロナに考慮し、紙パックにストローを刺すタイプのお茶かジュースをお出ししています。以前はお菓子も少しお出ししてましたが、今は自粛しています。)
改めてご挨拶をして、施術をはじめます。
手指消毒をし、オフがあればオフから、なければケアから始まります。
オフやケアをしながら、希望のデザインを相談し、サンプルの中から選んで頂いたり、画像があれば転送していただいたり、デザインが決まれば色を決めていきます。
ケアが終わるまでにデザインを決めるのがポイントです。
あとはお客様のご希望のデザインに近づくようデザインをし、完成したらネイルオイルをおつけし、軽くマッサージしながらハンドクリームを塗って施術は完了です。
記録のためと、SNS投稿のためにお手元の写真を撮らせていただきます。
お会計を済ませて、お上着をお渡しし、お忘れ物が無いから確認して出口へご案内し、お見送りをして接客は終わりです。
テーブルを片付け、カルテに記入をして、次のお客様の準備をします。
そしてまた、時間になったら入口で次のお客様をお待ちします。
ネイリストの年収は?
店舗で勤務している場合、平均的に年収200~250万円前後となります。
独立したりフリーランスになると収入が上がりますので、年収500万円以上になります。
将来的には、アメリカや海外でネイリストとして活躍したいという女性も増えてきております。
ニューヨークのネイリストの平均的な給料が時給2000円前後、年収400万円前後となりますが、年収700万円以上稼いでいる人もいます。
技術を日本で培って、海外でネイリストとして活躍することもできる夢のある職業です。
ネイリストのやりがい
美容業界は美容師を筆頭にとても沢山の職種があります。
美容師、メイクアップアーティスト、エステティシャン、アイリスト、脱毛サロンなどなど。
その中で最も沢山の色を使いアートしていくのがネイリストです。
そして、お客様が1番よく見るのがネイルです。
と言うのも、どんなに可愛くヘアセットしてもらっても、メイクしてもらっても、マツエクしても、鏡を見ないと自分で見ることはできません。
服も、全身を見るためには鏡が必要です。
しかしネイルの場合、見ようとしなくても見えてしまう部分です。
また、何気ないときに見つめるところでもあります。
そんな“よく見る”パーツである爪がルンルンできるできる状態であることって、女性にとってとても重要なことです。
施術し、約1ヶ月後に再来店していただき、「この1ヶ月ずっとルンルンしてました。特に人差し指のデザインがお気に入りで、外したくなくて来るのが遅れました(笑)」と言っていただいたことがありました。
そんなにステキな手元にできたのだととても嬉しくなり、もっと練習して、もっと喜んで頂きたいと思いました。
ネイリストの辛いこと
ネイリストならではの辛いこと・きついことについて、聞いてみました。
体勢がきつい
短くて1時間、長ければ数時間前傾姿勢で座り続けなければいけません。
そのため、腰痛や肩こりはネイリスト共通の悩みのようです。
持病の腰痛が悪化した、ヘルニアになったりなどで仕事が続けられなくなってすぐ辞める人もいます。
会話
ネイリストの特徴として、“手を取り合って数時間向かい合って座って”います。
また、お客様は両手が塞がるので暇です。
その為、会話をしないととても空気が重くなる時があります。
(美容院なら2人とも前を向いているし手が空いているのでスマホや雑誌を見れる、エステやマツエクなら寝転んでいるため寝ていたりで会話をしないくても違和感ない。)
気の合うお客様なら会話が尽きないですが、そうでない方の場合、会話を探すのに苦労します。
また、「昨日万引きして」など、犯罪(?)を告白はれて、返答に困ったかともあります。
お直しが多い
滅多にないのですが、当店で扱ってるジェルと相性が悪く、何度お直ししても、やり方を変えてもすぐ取れてしまう方が稀にいらっしゃいます。
そういう時、とても申し訳なく辛くなります。
ネイリストに向いている人の特徴3つ
ネイリストに向いてると思う人の特徴について、聞いてみました。
①無口でもいいから会話が上手な人
ネイリストは美容業界の中でとくによく会話をする職業だとおもいます。
ネイルのデザイ普段溜まったストレスを聞いて欲しくて指名される方も沢山いらっしゃいます。
おしゃべりである必要はなく、お客様の話を上手に引き出してあげて、仕事や夫、義父母など義家族への不満を沢山話して、スッキリして帰っていただくとリピートに繋がりやすいです。
楽しく大爆笑しながら話をするのも良いですが、女性とは愚痴を聞いてもらいたい生き物です。
時には悩みを打ち明けてくださることもあり、それに対してさらっと的確なアドバイスができる知識も併せ持っていればさらに会話がしやすくなると思います。
たまに、ネイリストはお話好きでないと務まらないと思っている方がいらっしゃいめすが、好きでなくて大丈夫です。
相手に話してもらうよううまく相槌を打てるよう練習すればできるようになります。
②仕事に妥協しない人
ネイルの施術には沢山の工程があり、1つでも適当にすると仕上がりに大きな影響があったり、取れやすくなってしまったりします。
「これくらいいいや」ではなくきちんと丁寧に施術することが必須です。
正直、デザインが上手とか下手とか、可愛いとか可愛くないとかはお客様の好みです。
100人中99人がダサいと言っても、そのお客様が可愛いと言えばそれでいいです。
なので、一般的に言うセンスの良さは、あった方が良いけれど、必ずしも必要ではないと思います。
自分が可愛いと満足できるデザインを可愛いと思ってくださる方が居ればいいだけなので。
ですが、技術は高くなければいけません。
これはお客様が言う「上手」とは違う視点です。
技術を磨くためにも妥協しない性格は必要です。
③真面目な人
ネイルサロンはだいたいが予約制です。
わざわざネイリストのスケジュールに合わせて指名して予約される方も沢山いらっしゃいます。
そんな方の為に、ネイリストの都合でドタキャンや日程変更をしていただくと言うのはありえないことです。
その為、体調管理、時間の管理、全てにおいて、まじめにきちんと出勤できる人でないと務まりません。
「今日だるいな…」で休むなんて人はネイリスト失格です。
また、業務委託で時給や月給以外の給料体制で仕事をすることも多い業界です。
お客様への施術以外はお給料が発生しません。
それでも、サンプルチップを作ったり、テーブルを片付けたり、お客様を迎える準備をきちんとできなくてはいけません。
ネイリストに向いていない人の特徴3つ
ネイリストに向いてないと思う人の特徴について、聞いてみました。
①自己管理ができる人
ネイリストとはお客様の指名を受けてお仕事しています。
「やる気出ない」と休むのは言語道断ですが、どんな感染症でも休むわけにはいきません。
と言うことは、感染してはいけないと言うことです。
常日頃から体調管理、感染症予防をするのはネイリストにとってとても大切なことです。
万が一当日欠勤してしまうと、お店に迷惑がかかるだけならいいのですが、お客様に多大な迷惑をかけてしまいます。
「明日から旅行」「来週子供の入学式で今日しか時間がない」など、日程変更できない事情のお客様が沢山いらっしゃることを念頭に置き、何が何でも休まないよう心がけなくてはいけません。
その為には食生活、睡眠時間など自己管理することがとても大切です。
②不器用でもいいけど、雑な人はだめ
よく「器用じゃないとできない」と思われていますが、実はそうではありません。
極端に不器用だったり、極端に視力が悪いなどで、爪だけに塗ることができない人は例外ですが、大体の方はそうでは無いので、不器用でも多少下手でも丁寧にすることでクリアできます。
少しはみ出ちゃったり、線が歪んでしまった時に「まあいいや」ではなくきちんと修正する。
ネイリストに必要なのは時間をかけても丁寧にすることです。
自分に必要な時間をきちんと把握し、時間が掛かりそうなデザインなら最初にお客様に確認する。
「このデザインは少し時間がかかりそうですが、この後ご予定大丈夫ですか?」と言った感じ。
あと、ご来店前に画像を送っていただき、練習するのもいいと思います。
その場凌ぎややっつけではなく、丁寧に仕事できる人がもとめられます。
③相手を大切にできない人
ネイリストは接客業です。
お客様が喜ぶことは何なのか、どんなサービスがあったら魅力的なのか、お客様の視点で考えることが必要です。
平均2時間、向かい合って、手を取り合って座ります。
お客様は、ネイリストがやりにくくならないよう、無理な体勢になっていても何も言わずに我慢されていたりします。
「体制つらくないですか?」「痛く無いですか?」とお声かけをする気遣いができるのはとても大切です。
また、とても落ち込んで相談してくる方もいらっしゃいます。
そんな方に無神経なことを言ってしまってはさらに落ち込んでしまうかもしれません。
自分本位ではなく、相手目線、お客様目線で物事を考え、「ネイルは普通だけど会いたいネイリストが居てるから通う」と言ってもらえるネイリストの方が人気がでます。
ネイリストになる方法
必要な資格は会社や店舗により様々ですが、だいたいはネイリスト検定1級か2級が必要です。
しかし、ネイリスト検定1級必須という求人はほとんど見たことないです。
ネイリスト業界では、とらばーゆで求人を探すことが一般的となっておりますので、そちらで応募資格などを確認していくのが確実でしょう。
ネイリストになったからといって、沢山稼げるようになる職業ではないですが、技術を身に付けば少しずつ収入も上がっていく職業になります。
デザインが仕上がった時、お給料をもらった時など、何度もやりがいを感じられる職業です。