介護・福祉

臨床心理士とはどんな仕事7つ

臨床心理士の仕事

臨床心理士の仕事内容

面接や観察、心理検査

・クライアントの心の特徴や問題点を探る

臨床心理士は、クライアントの状況に合わせて面接や心理テスト、行動観察などを行います。

クライアントの行動観察などを行い、特徴や問題点を明らかにします。

その後、クライアントと相談しながら支援の目標を設定し、そこに至るまでに必要な支援について検討していきます。

・心理検査について

臨床心理士にとって、心理テスト・検査は、知能や発達の水準やパーソナリティ(人格)のあり方などを客観的に評価するためのツールです。

病院や学校、施設などで現在の状況を評価し、今後の支援に活かすため実施する。

心理的な評価・アセスメントには、観察法、面接法、検査法、調査法があります。

心理検査は、知能検査・発達検査、人格検査に分けられます。

知能検査や発達検査は対象者の知能や発達の水準を測定するもので、人格検査は対象者のパーソナリティ、性格、心理的特性などを測定する検査です。

さらに、人格検査は質問紙法・投影法・作業法の3つに分けられます。

質問紙法はアンケート用紙に「はい・いいえ」などを記入してもらう検査です。

投影法は、一定の刺激に対する無意識な反応を見る検査、作業法は一定の決められた作業を行う検査があります。

・観察法とは

対象者の行動を「観て察する」という非常にシンプルな方法です。

ただ、観ているのではなく、人の心のうちや行動の仕組みを正確に理解することは困難と言えます。

・面接法とは

心理学研究に用いられる調査方法の1つです。

人と会話するだけのシンプルな方法です。

しかし、その意図は何か注意点をきちんと把握しなければなりません。

会話を用いて相手を深く理解し、心理学的な側面から意識や態度、または発達状況などを調査する方法です。

・調査法とは

質問紙を用いて調査を行う方法があります。

研究目的を明確にし、仮説を立て、必要な要因を構造化し、結果の利用目的に照らして項目を作成します。

いわゆるアンケートですが、自由記述法、選択記述法があります。

・知能検査・発達検査とは

知能検査としてよく使われるのが、WISC-Ⅳ、WAIS-Ⅳ、田中ビネーⅤなどがあります。

発達検査として代表的なものは、遠城寺式乳幼児分析的発達検査、新版K式発達検査などがあります。

・人格検査とは

性格検査とも呼ばれます。

質問紙法を用いる検査が多く、Y-G性格検査、SDS(うつ性自己評価尺度)、CAARS(成人のADHD症状を測定できる尺度)などがあります。

・投影法とは

「あいまいな刺激」を提示し、それに対して自由に反応してもらうことで対象者のパーソナリティを評価するツールです。

ロールシャッハテストやバウムテスト、TATなどがあります。

・作業法とは

足し算などの一定の作業を続けることを通じて、その作業内容を分析する方法です。

代表的な検査には、内田クレペリン検査、ベンダーゲシュタルト検査などがあります。

精神の回復援助

・心理カウンセリング

クライアントのために1時間程度の時間を設定し、必要に応じて臨床心理学手技法を用いて、問題の改善や精神の回復援助を行います。

技法には、話した内容から過去の辛い体験などを探る精神療法、相談者の話を聞き入れて信頼を得るクライアント中心療法があります。

また、クライアントの家族の協力を得て支援の方向性を決める家族療法などたくさんの種類があります。

臨床心理士は、その中から適切な技法を用いて治療していきます。

・精神分析療法について

精神分析療法は、自律神経失調症やうつ病や不安症などの治療(心理療法)として行われます。

進め方は、ゆったりと椅子に座り、心理症状について家族、仕事、人間関係について、クライアントが心に思い浮かんだことなどを自由に話してももらいながら、心の奥深くにある問題を見つけていきます。

話す内容は特に限定せずに自由に、心に浮かんでいたことをそのまま話してもらう療法を言います。

何回か話しているうちに、自分でも気づいていなかった自分自身に気づけるようになります。

クライアントにとって、自分自身を理解した経験が「我慢しなくていい」「自分を出してもいい」と安心感が生まれるのです。

・クライアント中心療法について

クライアントを中心に据え、自主性・自律性を尊重する心理療法です。

クライアント個人の成長を援助することを重要として、非指示的アプローチのことを言います。

基本的な考えは、「クライアントの話をよく傾聴し、自身がどのように感じ、生きつつあるかに真剣に取り組んでさえすれば、自ら気づき、成長していくことができる。

」ということです。

・家族療法について

家族療法とは、クライアントが取り巻く家族関係に着目する心理療法です。

クライアントの問題は、家族全体から表れていると考え、家族全体をカウンセリングすることで解決するという療法です。

家族を1つの集合体と考え、システム全体が問題の対象として包括的な手段によって問題解決を目指していくものです。

地域援助

個人対象の援助だけではなく、地域住民や学校、会社などに所属する人たちに向けた支援も臨床心理士にとっては重要な活動です。

地域住民に対して生活環境の改善の提案や情報の提供を行うのは保健所、市町村保険センター、精神保健福祉センターなどがあります。

臨床心理士は、集団に携わり、心の問題の発生を防ぐ方法や、問題が起こった時の対処方などについての情報を提供します。

コーディネート

精神科などの医療現場では、一人の患者に対して医師、看護師、臨床心理士でチームを組むことがあります。

臨床心理士に求められる役割は、医師の指示の下、判断を尊重しながら患者のとって望ましい生き方ができるようにサポートします。

患者側からの要望を医師や看護師に伝えることもあり、チームとしての仕事が円滑に進むように橋渡しをしていきます。

研究活動

臨床現場では、一人の患者に対し支援活動を行う場合には、経験や勘だけに頼るのではなく、しっかりとした根拠に基づいた方法で実施することが求められます。

臨床心理士は、つねに臨床心理的調査や研究活動を幅広く実施し、知識と技術の向上に努める必要があります。

発達障害児の療育・訓練

臨床心理士の仕事には、発達の問題がある児童に対する指導や訓練も含まれます。

内容は、保護者のご相談を受け、その気持ちを受け止め、具体的な対処法をご説明することがあります。

また、その児童に対して具体的な指導をすることもあります。

指導方法には、発達心理学の知識に基づき、発達上の遅れや偏りに働きかけるもの、生活の中で問題となる具体的な行動に焦点をあて、学習理論に基づいた方法でその行動の改善を目指すものです。

社会性に焦点を当てる場合は、少人数の集団で、人とのやりとりなどをうながすものなどがあります。

1年、2年といった長期にわたる指導が必要となることが一般的です。

スクールカウンセラー

教育機関では、臨床心理士は、子どもの悩みや相談に応える仕事があります。

相談内容は、いじめや不登校、友人や親子の関係、学習の問題など幅広く関わることができます。

事件や事故の被害を受けた子どもの心のケアや、保育者や教職員へのカウンセリング、学校内の会議への参加も仕事になります。

近年では、ストレスを抱える教員が増えているため、教員のメンタルヘルスのニーズもあります。

臨床心理士のやりがい

環境要因で、心の問題により傷ついてしまったクライアントが、自分のカウンセリングや心理療法で笑顔をとりもどし元気な姿をみることによってやりがいに繋がります。

一方で、つらいことは、自分がクライアントのことを過剰に感情移入することもあり反発され離れてしまうことがあります。

自分の関わり方が悪かったと心が落ち込むことがある。

臨床心理士は、タフなハートがないと続かない職業です。

臨床心理士を続けるうえで一番大切なことは、やりがいを感じることです。

人が良い方向に変わるお手伝いができ、人が生きやすくなるお手伝いができることは醍醐味と言えます。

やりがいを感じるたびに、続けていて良かったと感じることができます。

クライアントの色々な人生を聞かせてもらえるのでセラピストにとっても人生を学ぶことができ勉強になります。

どんな人がむいているのか?

臨床心理士は、クライアントの悩みに耳を傾け、問題解決に向けて実行できる人が向いています。

児童や保護者の話を聞く姿勢を持つだけではなく、相談者とともに悩みに対する解決策を探っていくスタンスが重要です。

広い視野を持ち、相手をあたたかい目で見守ることができる人、相談しやすい空気や環境をつくりだせる人が求められます。

ストレスチェックで、クライアントの悩みが顕在化する前の予兆対策を先回りして考えられる人に適しています。

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