介護・福祉

言語聴覚士やめとけと言われる理由

言語聴覚士やめとけ

言語聴覚士の苦労

言語聴覚士として働いている方のなかにも辞めたいと考えている人はいます。

理由は、言語聴覚士ならではといえる仕事の特徴が大きく関係しています。

障害を抱える患者様と向かい合い個々が抱える悩みに寄り添い問題改善を目指すことが中心で、リハビリを行っていくうえでは、患者様とのコミュニケーションをはじめ相手の立場に立って考えることや根気強く向き合う姿勢が求められます。

対人と接することで、知らない間にストレスを抱えていることが多く、マイナスな感情を持ち気持ちが落ち込むことがあります。

労働環境によっては、過酷な現場があるのが現状です。

残業が多く、一日の拘束時間が長いことがあります。

病院勤務になると、症例発表やカルテの記入が多くなり勤務時間を超え残業することがあります。

職場によりますが、言語聴覚士が少ないと有給が取りづらかったり、長期休暇がとれなかったりします。

残業の多さや休日の少なさや取得のしづらさがあり、プライベートが充実しているとは言えません。

業務上での苦労は、嚥下領域に関しては、言語聴覚士が専門業務になっており担当患者様が誤嚥性肺炎で体調が悪くなると責任を負い辛い気持ちになることがあります。

リハビリは、チームワークと言いますが専門分野がありますので責任感が重い仕事です。

リハビリで必要な報・連・想や人間関係

言語聴覚士にとって、最もストレスになることが、職場の人間関係です。

他の業種とのコミュニケーションが必要不可欠になります。

病院では、医師、看護師、介護士、理学療法士、作業療法士など情報共有しなければならない人が沢山います。

情報共有しなければ、患者様の状態把握や経過の確認ができずリハビリが進まない結果になってしまいます。

情報共有しなければならないと理解していますが、正直話しかけづらい業種や人が多いのは現状です。

急性期病院になると、特に忙しい現場になりますので話しかけにくい医師や看護師がいます。

他には、男性にとっては、女性が多い職場なので考え方の違いがあり意見の食い違いが出てくることがあります。

私の経験からは、病院で初めて入職した時に必ず言われることは、上司への報告、連絡、相談するように言われることがあります。

病院で勤めるということは、患者様をみるときにリスクがつきものです。

そのために、他の業種との報・連・相が必要になってきます。

上司に報・連・相を忘れると後で注意されると、ストレスになることが多かったです。

言語聴覚士にむいている人

コミュニケーション能力のある人

言語聴覚士はコミュニケーション障害の専門家であり、話す、聞く、読む、書くことに問題がある方に対して、関連職種と連携しながら介入を行っていきます。

実際に、どんな場面でも自分の意見を主張できるなど、コミュニケーションが高くなければ務まらないと感じる人もいます。

話すコミュニケーション能力以上に「他者を理解しようとする積極的な態度」というコミュニケーション能力が必要になります。

コミュニケーション能力とは、自分の視点から見た世界のことを、自分の言葉で語ることのできる能力というイメージがあります。

しかし、「話の聞き手となって、その人が本当に伝えたいことを聞き出す能力」や「相手の視点に立って、世界をとらえることができる能力」つまり「相手を理解する能力」が言語聴覚士には必要です。

言語聴覚士に向いている人とは、「人に対して興味がある人」だと言われています。

観察能力がある人

言語聴覚士が対象とする患者様は、思うように言葉で気持ちを伝えられない方が多いです。

患者様のことを注意深く観察することで、口の動きなどの少し変化に気づき、障害の程度や訓練での改善点を見つけることができます。

また、言葉で気持ちを伝えられない患者様であれば、行動や表情を観察し、どんな思いや考えを抱いているか読み取ることも必要です。

根気強さがある人

言語聴覚士の仕事は、障害をもっている患者様にすぐ成果が現れるということは難しいです。

日々コツコツと訓練を継続することがとても大切で、長時間かけて訓練を行い徐々に改善を目指していきます。

患者様と訓練を行うなかで、順調に障害が改善していく時もあれば後退するときもあります。

また、短時間ではなく長時間にわたって訓練をしていかなければならないため、患者様のモチベーションが下がる時があります。

日々、患者様を励ましサポートし続けられる根気強さが必要です。

向上心を持っている人

言語聴覚士は、脳の専門家と言われています。

脳に関心を持ち続けることが大切です。

向上心を持ち勉強会などに積極的に参加し新しい情報を得て、増えた知識を治療に取り入れていく柔軟さが求められる職業です。

地域の学会での症例発表に参加し、つながりを持つことや経験を積むことが大事です。

また、研修に参加し、日本言語聴覚士会が定めている認定言語聴覚士になり、目標に入れ努めることが必要になってきます。

言語聴覚士のやりがい

言語聴覚士のやりがいは、直接関わった患者様が良くなっていく姿を、その家族様が喜ぶ姿を見ることができることです。

例えば、自閉症の児童の母親が「お母さん」と呼んで欲しいと依頼があり、「ママ」と発語が出た時にやりがいを感じることができます。

また、病院では、嚥下機能障害で、口からご飯が食べられなくなった人が自分の訓練で食べられるようになった時は嬉しかったです。

学び続ける姿勢

言語聴覚士は、「根気」「洞察力」「コミュニケーション能力」「探求心」が求められます。

これらの能力は持って生まれたものではなく、学ぶことによって得られるものです。

言語聴覚士として信頼され活躍するには、常に学び続ける姿勢が必要です。

リハビリ職は、患者様が何を求め、何を伝えたいのか、心に敏感にならない職業です。

まとめ

言語聴覚士になったきっかけ

私が言語聴覚士になったきかっけは、放課後デイサービスで働いていた頃に自閉症児と触れ合った経験があったからでした。

自閉症児とコミュニケーションが取りづらいことから「何とかしてあげたい」と思う気持ちから言語聴覚士になろうと決めました。

大学を卒業してから通うことができる2年間の専門学校だったので、ほとんど詰め込み学習でした。

実習では、落とされる方が多く留年する人もいました。

その後、すぐに国家試験があったのでとても大変な日々を過ごしていました。

私は、働いていた放課後デイサービスに戻り言語聴覚士として採用されました。

放課後デイサービスでは、自分がしたかった自閉症児に対しての療育や個別訓練ができたので充実した日々で過ごすことができました。

違う職場でも経験を積まなければならないと思い、病院や訪問、有料老人ホームで今まで働くことができました。

言語聴覚士を辞めたいと思った出来事

私は、言語聴覚士になり10年が経ちます。

どんな仕事でも、誰もが10年以上経つと辞めたい気持ちになる人が多いです。

特に言語聴覚士は、理学療法士や作業療法士のコメディカルと比べ歴史が浅く認知度が低いです。

そのため、入職して1人職場になると全然仕事がなかったりすることが多々あります。

有料老人ホームで働いていましたが、言語聴覚士の需要がありましたが、看護や介護でいっぱいになり医療保険や介護保険の関係でリハビリを受けられない方が沢山いました。

そのため、雑務ばかりさせられていました。

施設周囲の草むしりから重度利用者様のお風呂介助まで何でもしていました。

本来の業務と違うことをしていると、「言語聴覚士とは?」と考えてしまうことが多く悩むことが多かったです。

看護師長に相談しても、相手にされないことがあったのでそれ以上話しかけられずにいたこともあります。

私は、「必要とされている職場で働きたい」と思い半年も経たないうちに転職しました。

言語聴覚士という仕事は、職場での発言力や自分に自信がないとできない仕事だと心の底から思いました。

職場選びも大切で、本当に需要があるのか、受け入れ態勢が整っているかなど確認する必要はあります。

私は、10年目になっても言語聴覚士としてやりがいは感じています。

しかし、どこの施設や病院も受け身で頼られることが多いです。

「自分が変えなければならない」「パイオニアになるぞ」と思わなければコロコロ転職を繰り返すだけです。

言語聴覚士としてリハビリをすると志をしっかり持たないと難しい仕事です。

志がなければ、本当に「言語聴覚士はやめとけ」と言いアドバイスをします。

「言語聴覚士はやめとけ」

私は、言語聴覚士10年目で5、6回も転職を繰り返しています。

早くて5ヶ月で退職したことがあります。

正直、自分にあった職場はなかったです。

病院で働いていた頃は、執拗以上に年配の先輩から注意されることがありました。

訪問看護リハビリステーションで働いていた頃は、業績を意識され利用者が少ないことに対してすごく言われるため辛くなったことがありました。

給料が低いと思ったことはないですが、コロコロと転職しているため、給料が定まらないのが現状でした。

そういう嫌なこと以上に10年続けることができたのは、人と関わるのが好きだからです。

言語聴覚士として、やりがいを感じられない人は専門学校に行く前からやめた方が良いです。

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