看護師

「男性看護師はやめとけ」そう言われる理由とは?現場の真実を解説。

男性看護師やめとけ

医療現場に不可欠であり、そのニーズも増え続ける看護師。その一方「男性は看護師になるのはやめておけ」と言う噂が、様々なところでささやかれています。

これは一体、どういうことなのでしょうか。その理由や真実について実例を出しながら、お伝えして行きたいと思います。

なお、この記事を書く私は看護師ではなく、社会福祉士です。しかし勤務先では一緒に動く立場であり、私のすぐ隣のデスクには看護師がいます。

また病院以外の看護師とも多数のつながりがあり、より広くリアルな視点から、お伝えすることができると思います。

ぜひ最後までお読み頂けたら、幸いです。

一番の理由は女性が多いこと

まず最初に、男性は看護師にならない方が良いと言われる最大の理由・・それは女性だらけの職場が、とても多いことです。医療現場の男女比率は2対8ほどと言われています。

しかし女性の看護師と言えば「白衣の天使」というイメージもあります。そんな人に囲まれてお仕事など、ネックどころか幸せと思う方もいるかもしれません。

ところが・・これは体感してみないと分かりづらいのですが、女性だらけの現場は確かに厳しい状況になることが多いです。以下、その理由について解説していきます。

①サバサバ系の人が多い

全てでは無いのですが、お仕事の特性上サバサバした性格で、ハッキリとものを言う性格の人が多いです。「〇〇、まだやっていないんですか?」「あなた、マニュアルちゃんと読みました?」
このように、オブラートに包まずズバッと言う人が多いです。それが周りみんなだと、なかなか辛いものがあります。

特に男性で看護師を目指す人は、気が弱く優しい性格の人が多く、そうした中に飛びこむと、気が休まらないかもしれません。

②お局様的な人の存在

女性が上司やリーダーである場合、お局様的な人が取り仕切っている職場が多いです。そこには独自ルールが敷かれているケースも多く、それに異を唱えようものなら大変です。

仕事を教えない、使えない人という烙印を押される、ネチネチ説教されるなど、いじめかと思うような仕打ちを受けることもあります。

さらに女性は男性よりも空気を読む人が多く、正しいか間違っているかは別として、お局様的な人を敵に回して、あなたの味方になってくれる人は少ないでしょう。

③派閥や腹の探り合いがある

女子校さながらに、職場の中に派閥やグループができるケースも少なくありません。癒しのランチタイムにも、互いに腹の探り合いがあったり、特定の人への陰口が横行することも。

誰の味方をすれば良いのか、悪口の賛同を求められたときに、どうリアクションしたら良いのか。こうしたことで本業以外にメンタルが消耗するのは、しんどいものです。

④不規則で激務というイメージ

これは男女関係ありませんが、夜勤のある大病院などは不規則かつ、常に忙しい現場もあります。

医療の事はもちろん、おむつ交換や車いす介助など、介護の領域にまたがる業務も多数あるなど、激務と言って良いでしょう。

そうした中、決して低くは無いとは言え、他の職業と比べて給料が見合っているのか。そんな考えを抱く人もいます。

「男性看護師はやめとけ」は真実か?

ここまで男性が看護師を目指す、デメリットに触れてきました。では本当にやめておいた方が良いのでしょうか。まず結論から言いますと「ノー」です。以下、その理由について解説します。

男性比率の多い職場もある

医療全体では女性比率がとても多いのですが「リハビリ専門」「救急」「精神科」など、男性の割合が多い分野も、存在します。

さいきん私は研修を兼ね、新設されたリハビリ専門病院へ行きました。病棟をめぐっていると、どのフロアもすれ違う職員は、半分以上が男性でした。

もちろん男女比=職場の良さではなく、他の面もしっかり判断して、就職する必要はあります。しかし、このバランスは指標の1つとなるでしょう。

激務かどうかは職場次第

同じ看護師といっても、大病院なのかクリニックなのか、職場によってお仕事はまるで違います。そして歯科と内科と小児科が大きく異なるように、専門分野によって業務内容は多種多様です。

さいきん人工透析を手がけている、看護師の知り合いと話したのですが「透析って始まったら、やることがなくて。けっこう暇な時間が多いんだよね。」といった内情も。

「看護師の仕事は激務/大変ではない」と白黒つけて断定するのは、視野が狭くナンセンスな事と言えるかも知れません。

訪問型の看護も増えてきている

近年は政府の「地域包括ケア」の方針も相まって、積極的に病院を建てて、病床を増やして入院を推奨するのではなく「できるかぎり住み慣れた地域で暮らしながら」という流れが、主流になっています。

そのため病院ではなく、地域の訪問ステーションから各家庭に行き、医療を提供する「訪問看護」が増えてきています。

政府の都合のみならず、利用者さんや患者さんにとっても、大変な想いをして通院したり、病院のベッドから離れられない生活より、慣れ親しんだ自宅に来て貰えるというのは、歓迎すべき側面でもあります。

また看護と同時にリハビリを提供する「訪問リハビリステーション」においては、とくに男性の比率が多い事業所が少なくありません。いずれにしても外回りが多いお仕事でもあり、常に皆が一か所で働く病院より、気が楽な面もメリットと言えるでしょう。

さいきん私の職場では、男性のケアマネージャーが退職し、訪問看護を起業するために独立しました。日本の現状や業界の将来を考えても、とても未来のある分野と言う事が出来ます。

内情を知るには転職サイトの利用がオススメ

上記のように男女比率や業務内容は多種多様です。これらは就職先候補を見学したり、電話をかけて聞くこともできますが、不躾な気がして質問しづらい側面もあるのではないでしょうか。

また候補が多ければ、一つ一つ確認するだけでも大変な労力であり、そのような時は看護師専門の転職サイトの利用がお勧めです。

職場の情報を数多く保有している事もありますが、個人では聞きづらいことも、エージェントや相談員が、代わりに調べてくれるのは大きなメリットです。

福祉にも求められる看護師

ここまで医療の職場前提でお伝えしてきましたが、看護師は福祉の分野でも引く手あまたの職業です。

老人ホームやデイサービスでも求められる他、私が勤める「地域包括支援センター」も、介護保険法で看護師の配置が義務づけられています。

一緒に地域を訪問していると「看護師です」という肩書きは、どの家庭に行っても安心感を持たれ、歓迎されます。そして、私自身も医療の専門家に、すぐアドバイスを求められるという環境に、どれほど助けられて来たか、計り知れません。

医療・福祉と分野こそ別にされていますが、福祉の援助が必要な方は、身体の不調や持病を抱えているケースも多く、もはや2つは切っても切り離せない関係です。

看護師となったあとの就職先としては、福祉の現場も多数あることを、どうかご記憶いただければと思います。

まとめ

ここまで男性が看護師を目指すメリット、デメリットをお伝えしてきました。改めて結論しますと、良い環境の職場に巡り会いさえすれば、男性看護師を目指す道は非常におススメです。

一生涯を通じて手に職をつけられる上、わざわざ男性看護師を指定して求める職場もあるなど、貴重な存在としてニーズは絶えません。

様々な情報が溢れる中、この記事が今迷うあなたへ、道しるべとなっていたら幸いです。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
原田 ゆきひろ
■歴史・文化ライター、取材ライター、社会福祉士。 ■東京都在住。高齢者の生活相談や、福祉の町づくりに携わる。 ■本業の傍らライター活動を行う。何ごとも自らとびこみ、表現する文章をモットーとしている。
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