看護師

【事例あり】アクシデントを起こして辞めたいと悩む看護師へ

アクシデント辞めたい看護師

看護師という仕事をする上で、いつも頭の中に入っているのが、インシデントとアクシデント。

インシデントは重大な結果にはなりかねない状況の事を言い「ヒヤリハット」などもそのひとつです。

アクシデント(医療事故)は医療行為により相手に重大な事故を起こしてしまった場合を指します。

看護師として働く中で小さなインシデントの積み重ねで、大きな事故に繋がると言われます。

アクシデントを起こさないよう注意していたにも関わらず、アクシデントを起こしてしまい、辞めようと考えている看護師に、一度読んで頂きたいです。

アクシデントは何故発生するのか

そもそも、看護師が絶対起こさないように注意しているにも関わらず、起こってしまうアクシデント。

どのような事がきっかけで起こってしまうのでしょうか。

アクシデントが起こる理由

・憶測や決めつけ

「〜だろう」「だと思う」と言った、憶測による決めつけです。

例えば、「患者様が体調が悪いと言っているが、入浴後で疲労を感じているだけだろう、大丈夫だと思う」と、患者様の観察もろくに行わずに、決めつけてしまう事で、その後、患者様に何かトラブルが発生するまで発見が遅れてしまうことになります。

また、知識不足ゆえに「先生の出した指示だから大丈夫だろう」と思ってしまう事があります。

最低限の知識により、医療事故を発生させる前に気づき、未然に防げる事ができます。

・油断

ちょっとした油断が、医療事故につながります。

集中力が足りなかったり、気が緩む事で起こってしまい、それが大きな失敗につながる事が多いです。

特に、仕事に対して慣れてくると、油断してしまいがちです。

新人の頃は一つ一つを真剣に作業していたのに、年数を重ね、業務に対して慣れが出てきてしまいます。

その慣れが要注意です。

・忙しさ

看護師はやはり、忙しい仕事です。

休憩する間もなく、働く日もあるかもしれません。

余裕がなくなり失敗してしまう事や、忙しさのあまり業務の抜けが生じアクシデントにつながる事があります。

人手不足はアクシデントにつながるきっかけとなります。

起こさないようにする為には

アクシデントを起こさないようにするために、日々のヒヤリハット事例が重要となっていきます。

ハインリッヒの報告でもあるように、1件の重大事故の背景には29件の軽度事故があり、300件のヒヤリハットがあると言われています。

そのヒヤリハットから、学び、医療事故を起こさぬよう努める必要があります。

・報告書の記載

当事者や発見者がインシデントレポートを記載。

その際に、嘘偽りなく、状況を分かりやすく細かく記載する事、状況がわかる人が、問題を記録する事が重要です。

それにより、医療事故を防ぐ為のカンファレンスや情報共有をしていくことができます。

小さなヒヤリハットもしっかり報告書に記載しましょう。

・カンファレンス

小さなインシデントであっても、一つ一つ対処する必要があります。

似たような事例を繰り返す場合どうしたら二度と繰り返さないか、今までにないインシデントの場合も、同じです。

二度と繰り返さないよう、次は大きな事故に繋がらないように、カンファレンスを行う事が重要です。

・情報の共有

カンファレンスで話し合った結果を、病棟内や部署間、他部署と情報の共有をしましょう。

他部署との協力により防げるインシデントもありますし、全員が医療事故を起こさないために行動ができるよう、情報の共有は重要です。

アクシデントを起こした時の精神状況

アクシデントを起こしてしまった際の精神状況はどのようなものなのでしょう。

頭が真っ白になり何も考えられなくなるでしょう。

患者様への申し訳ない気持ちや、どうしたら良かったのか、など混乱してしまいます。

アクシデント発生後は、冷静な判断ができず、すぐに看護師をやめようと思ってしまいます。

看護師の資格がない、もう看護師をしたくない、と考えてしまいう事や、医療事故がトラウマとなり、PTSDを発症するきっかけとなります。

医療事故後は、カウンセリング等のケアを行い、心を休ませる事が大切です。

実際に起こったアクシデント事例

医療事故の事例を大まかに紹介します。

事例は2つですが、日常的に行なっている業務も、事故につながる可能性があると言うことを改めて考えてみましょう。

・認知症患者様の転倒による股関節脱臼

整形外科を専門とする病院で働いていた事もあり、人工股関節置換術(THA)を行う事がありました。

THAは、脱臼の危険性が高く危険肢位には注射が必要になります。

[認知症がある患者様。手術をしたことや、入院していることを忘れてしまう事多々あり。人工股関節置換術数日後、回診でスタッフが手薄になった時、認知症の患者様が1人で立ち上がりトイレへ行こうとされる。スタッフは近くにおらず誰も気付かないまま廊下で転倒。患者様が立ち上がれず横たわっているところを発見する。その後、患部の疼痛が強く、ドクターの指示で検査し、脱臼の診断となり、整復する]

認知症の患者様で脱臼の危険があるにも関わらず、動ける状況を作り、転倒してしまった。

忙しさからスタッフ全員に余裕がなく招いた事故です。

その後は、病棟看護師、リハビリスタッフを含めカンファレンスを行い、対応を徹底しました。

オムツ交換時の骨折

[寝たきりで、拘縮のある患者様のオムツ交換を2人のスタッフで行う。排便があった為に、勢いよく体位変換を行ってしまう。その後患者様より、大腿部の疼痛訴えあり。主治医へ報告後検査、大腿部の骨折の診断となる。]

寝たきりであり、拘縮のある患者様のオムツ交換は、無理な姿勢を取ると骨折を引き起こしやすいのにも関わらず、いつものようにオムツを変え、骨折をさせてしまったのです。

オムツ交換自体は毎日行う作業のため、油断していたことが招いた事例です。

オムツ交換という日常で毎日のようにしている慣れた作業でも、医療事故につながる可能性は十分にあるのです。

アクシデントを起こし辞めたい時

アクシデントを起こしてしまった場合、看護師を辞めることを考えてしまう方は多いでしょう。

事例にもあったように、日常の何気ない場面で医療事故は起こってしまいます。

新人看護師でもベテラン看護師でも、年数は関係ありません。

看護師である以上、医療事故のリスクはあります。

そして、看護師は命を預かっている仕事なので、医療事故を起こすと、とても責任を感じることでしょう。

辞めたいと考えた時、まずは、心を休める時間が必要です。

アクシデント後は心も落ち着かず、冷静な判断も欠いてしまいます。

まずは、職場に相談し、休息時間を設けましょう。

ゆっくり考える時間を作りましょう。

辞めることを決断するのは、こころを落ち着かせてからでも遅くないです。

気の許せる友人や両親へ相談してみるのも良いでしょう。

辞めようと悩む人へ

医療事故は誰にでもおりうる事故です。

「自分が看護師向いていないんだ」と考えるのは辞めましょう。

責任感が強いからこそ、医療事故をきっかけに辞めることを考えてしまいます。

辞める事が悪い事ではありません。

ですが、医療事故から学べることは多くあります。

それが今後自分自身を成長させていくことでもあります。

医療事故を起こしたから看護師失格ではありません。

医療事故を起こしたからこそ、それを乗り越えて、看護師として成長しなければならないのです。

すぐに前向きになることは難しいです。

ゆっくりで大丈夫です。

また、医療事故を起こしてしまった医療者に話を聞いてみるのも良いでしょう。

それにより、看護師をもう一度頑張ってみようと思えるかもしれません。

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