助産師の仕事は何がきつい?
看護師と助産師は何が違う?
助産師はどんな所で働いているの?
生命の誕生をサポートする助産師は魅力ある職業です。
自身の出産を機に助産師学校に入学するママナースもいます。
感動的な出産のサポートする助産師をイメージしてしまいますが、実は助産師の仕事は、きつい事も沢山あります。
現役助産師がきついと思う4つの理由
①不規則なシフトで、疲れがとれない
助産師の仕事のシフトは、2交代制を3交代制があります。
日勤と夜勤の2交代制では、夜勤の勤務時間が長く、月に4回から6回程度入ります。
夜勤の次の日は休みになる事が多いです。
日勤・隼夜勤・深夜夜勤の3交代制では、勤務時間は短くなりますが、回ってくるペースが速い為、丸1日休日が取れない事も。
日勤をして、一旦自宅に戻りすぐに深夜夜勤へ行くというシフトの日もあります。
睡眠時間の確保がむつかしい事もあり、生活リズムが崩れやすく疲れもとれないといった悩みがある様です。
②常に生死と向き合いミスが許されないプレッシャーがきつい
出産は常に生死と向き合う大きなイベントです。
助産師のミスが生死にかかわる事もあります。
常に緊張とプレッシャーの中で仕事をします。
現在、晩婚化が進み、初産の年齢もあがっています。
高齢出産はハイリスクを伴う為、さらに緊張感とプレッシャーがきついと感じる助産師が多いです。
③助産師、医師、看護師、妊婦と家族との人間関係に悩む
産婦人科では、緊急性をともなう事も多くピリピリしている環境にあります。
その中で
- 助産師同士でも、分娩の経験に差があり、経験値の高い助産師が先輩を見下す。
- 分娩時には対等である医師ですが、意見と相違があった時に医師の意見に従わなければいけない場合がある。
- 助産師の人数よりも多い看護師が、助産師が肩身の狭い思いをして仕事をする。
- 出産経験のない助産師が、妊婦やその家族から頼ってもらえない
こうした状況で、助産師は大変気を使いながら仕事をしています。
もっと、お互いの意見の尊重をして、人間関係が円滑に進む事が望まれます。
④悲しい出産に立ち会った時
産婦人科では、感動の出産だけではありません。
時には悲しい出産に立ち会わなければなりません。
死産になった時に自分の能力のなさや、判断力に悩む事もあります。
望まない妊娠をして、中絶をする妊婦さんもいますし、産まれてきた赤ちゃんに異常がある事もあります。
悲しい出産に立ち会った時に、助産師を辞めたと感じる助産師は多くいます。
助産師と看護師の違い
①看護師の資格と助産師の資格
助産師は大学や養成所で1年~2年、学ぶ必要があります。
看護師の資格を持っているか、看護師の資格と同時に助産師の資格を取る事が前提です。
妊娠、分娩、産後のケアについて専門的に学びます。
実習もあり10回程度、実際の分娩を介助する事が法律で定められています。
1年間学び、実習を終えたら、助産師の国家試験に挑みます。
ですから看護師と助産師の両方の国家資格をもっている事になります。
②助産師は、助産所を「開業」する事ができます。
看護師、保健師、助産師の中で唯一「開業」して独立できる事ができるのが助産師。
助産所とは、助産師が中心となって出産する所です。
分娩台ではない自然なお産ができる為、助産所で出産する妊婦も多くなっています。
医師が常駐していないので、医療行為はできませんが、必要になった時は提携している医療機関へ紹介もしています。
開業を目標にしているのであれば、経営のノウハウも学ばなければいけません。
大変な事ではありますが、看護師にはできない、助産師だからできる事なので魅力があります。
見出し3 助産師の仕事はお産のサポートとママと赤ちゃんの保健指導
①分娩が順調に進む為にサポートをする
分娩開始から、分娩まで順調に進む様に経過を管理します。
いお産ができるように誘導。
無事に赤ちゃんがでてきたら、助産師がとりあげ、へその緒をきります。
新しい命の誕生に向き合える為、この時にやりがいを感じる助産師が多いです。
②妊娠中の妊婦健診を行う助産師外来
助産師が妊婦健診をする事ができます。
病院によって「助産師外来」と呼んだりする事もあります。
健診で異常がある場合は、医師と連携をして、医療的な診断と処置を求めます。
助産師外来では、一人の妊婦に30分~1時間程かけて、妊娠中の悩みや不安が解消できる様にアドバイスをしたり、生活指導をしたりして、妊娠生活を支援します。
不安が多い妊婦にとって、助産師外来でゆっくり話しができるので心強く、頼られる存在です。
③自治体の保険センターなどに所属し、新生児の家庭訪問を行う
母子保健法第条で定められた新生児訪問を担当します。
新生児訪問では、体重測定をして栄養状態の確認、生活環境の確認をします。
生活をする上で困った事はないか等、育児相談のアドバイスをおこない、安心して赤ちゃんとの生活ができる様に支援をします。
④出産後、特に大切な母乳ケアも助産師の役割
授乳介助や乳房マッサージを行い、乳房トラブルを防いでいきます。
授乳中の赤ちゃんの抱き方から、吸い付き方などのポイントを指導します。
赤ちゃんが上手にすってくれるまで、張った乳房マッサージをします。
助産師の求職活動のポイント
①大学病院でキャリアアップ
ハイリスク妊娠や、異常分娩などの経験を積みたい方は大学病院がおすすめです。
教育制度や研修が充実しているので、より知識を高めたい方や、経験の浅い助産師には良い環境です。
正常分娩は少ないですが、正常分娩と異常分娩の把握ができる様になるので、将来、助産院やクリニックで勤務した場合には、強みになる知識と経験になるでしょう。
②総合病院は助産師の基礎と幅広い知識が身に付く
総合病院は病院の方針によって大きく助産師の役割が変わりますので、確認する事を忘れない様にしましょう。
分娩の数は、クリニックよりも圧倒的に多いです。
正常分娩、異常分娩、帝王切開。
いろんなパターンの分娩の知識と経験が身につきます。
また妊婦を対象とした、両親学級や助産師外来、授乳指導等の業務もありますので、幅広く学べる事ができます。
③クリニックは、正常分娩が主
おもに正常分娩を取り扱っています。
ハイリスクな分娩は病院に紹介しますので。
ほとんどが正常分娩です。
元気な赤ちゃんを取り上げた時が、助産師としての喜びを感じます。
妊婦との距離が近く、妊婦健診から産後まで関わる事ができ、不安のある妊婦にとって助産師は頼られる心強い存在である事は間違いありません。
クリニックによって、分娩のスタイルは様々です。
自分が得意とする分娩スタイルや、興味ある分娩スタイルがあるクリニックであれば、モチベーションもあがります。
まとめ
不安でいっぱいの出産の中励ましてくれた助産師に憧れて、助産師学校への入学を考えているママナースは多いと思います。
看護師の資格があれば、あと1~2年で助産師になれるので挑戦してみるのも良いですね。
助産師でも、働く場所によって役割に違いがあります。
自分にあった職場を探して、きついだけではない魅力のある助産師をめざしてください。