看護師

【仕事診断】外来看護師に向いてる人・求められる能力3つ

外来看護師に向いてる人

新型コロナウイルスの影響もあって、外来看護師の仕事はますます多くなってきていることでしょう。

一般病棟の看護師と異なり、外来看護師なりの仕事の大変さがあります。

今回は、総合病院で外来看護師として勤務されている方に、外来看護師に向いている人の特徴や求められる能力・仕事のやりがいをインタビューしましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。

外来看護師の仕事内容と給料

仕事内容

総合病院の内科・小児科外来に勤務しています。

定期受診の方は指示の採血、注射、点滴、造影CTやエコーの介助などをします。

予約外で受診した方はまず問診をとり、緊急性の有無や、医師の得意分野や医師・患者双方のキャラクターを考えながらどの医師の診察にどのタイミングでまわすかを判断します。

医師の診察介助につく場合は、聴診などの介助をしながら、待っている患者の状態や、他の診察室の状況も考え、外来全体の診察がスムーズにまわるよう呼び込む順番などを工夫します。

現在は新型コロナ対策として、病院の玄関に立ち、発熱・有症状者のトリアージをおこなったり、発熱外来を受診される方の診察介助、PCRの検査を防護服を着ておこなっています。

午後の外来患者数が落ち着いている時間帯には、コロナワクチンの接種を1日100名前後おこなっています。

また、受診の相談や予約の変更、地域のケアマネや保健師などからひっきりなしにかかってくる電話の対応もしています。

自宅での生活に問題のありそうなケースは、院内のMSWや訪問看護師に情報提供し、介護保険の申請や適切なサービスの導入につなげています。

外来での化学療法、インスリン導入もおこなっています。

小児科では子供が安心して診察を受けられるよう、声掛けや優しい態度はもちろん、診察室に飾り付けをしています。

空いた時間に折り紙を折ったり点滴の固定テープに絵をかいたりしています。

また、虐待の疑いがある児への対応や、両親の離婚に伴う親権争いで、子供の診断書が必要になるケースなどもあり、そういったケースへの細やかな対応も求められます。

また、救急要請も随時受け入れているため、救急搬入者の対応もしています。

私の勤務先は2次救急までの受け入れですが、食事がとれず動けない…という高齢者から、重度の熱中症で意識障害のある高校生、激しい腹痛、胸部症状、子供のけいれんや窒息、高齢者のCPA、わりとなんでも来ます。

とにかく毎日目まぐるしく、やることがあまりにも多岐にわたり、様々な書類や手続き、加算も理解しておかねばならず、「何でも屋」と思っています。

医師とのかかわりがとにかく多いので、医師の扱いがとても上手になります。

給料と年収

年収は200~400万円前後です。

パートの方も多く、勤務時間や勤務体制によって収入は大きく変わります。

外来看護師の仕事のやりがい

問診と緊急性を判断する力が鍛えられました。

目の前にいる患者の見た目、訴え、表情などから、自分の知識の引き出しを次々と開けながらどんな病気が考えられるかを即問診と緊急性を判断する力が鍛えられました。

目の前にいる患者の訴えから、どんな病気が予測されるか、自分の知識の引き出しを次々に開けながら、必要と思われる情報を即座に判断し、必要な情報を聞き出し、医師につなげる…という流れがとても好きです。

自分が医師に伝えた情報が診断に役に立った時、緊急性があると判断した患者が、実際に脳梗塞や心筋梗塞などの急を要する状態だとわかり、迅速に対応できた時…などは、自分の経験が患者さんの役に立てたことを実感し、やりがいを感じます。

また、経験が長くなると顔見知りの患者さんが増えるため、「あなたに採血してほしい」「あなたがいてくれると元気になる」「あなたが電話に出てくれると安心する」などと声をかけられることも増え、嬉しいです。

また、患者さんが自宅・地域の中で自分らしく暮らしていけるように、病院で過ごすわずかな時間の間に必要な情報を収集し、必要な部門につなげていく機会も多いのですが、必要なサービスが導入でき、ご本人や家族のほっとした表情を見られた時にもやりがいを感じます。

外来看護師の仕事で辛いこと

とにかく毎日めまぐるしく忙しく、時には事務仕事や「これは看護師の仕事なのか?」と思うようなことまであれもこれもやっているのに、「外来は暇だから」という扱いを病棟職員からされることが多く、夜勤ができないことがこんなにも下に見られるのか?と納得のいかない思いをすることが多いように感じます。

給料も働きに見合っていないように感じます。

さらに、事務部門との関わりがとても多いのですが、事務部門の使えなさにイライラさせられることが多いです。

また、発熱外来やPCRの対応もとても大変ですし、以前には外来に普通に受診した患者が、後でコロナに感染していた…ということが発覚したケースが数回あり、来院する患者・家族が一体どんな病気を持っているかわからない、という緊張感もあります。

治療方針や様々な手続き、コロナに関連した世の中の情勢が次々と変わるので、また、長年通院していてすっかり顔見知りになった方々が、だんだん年を重ね、色々な病気が増え、時にはガンと診断されてショックを受けていたり、家族の問題で悩まれていたり、そして亡くなっていく…という姿を見ると、付き合いが長いだけにまるで自分の家族のことのように思えて辛いです。

外来看護師へ向いている人の特徴3つ

向いてる人の特徴3つ
  1. コミュニケーション能力の高い人
  2. 人を観察する力がある人
  3. 家庭と仕事を両立したい人

①コミュニケーション能力の高い人

外来にはとにかくいろんな人が来ます。

そして初対面の人も多いです。

その方々とうまくコミュニケーションをとりながら必要な情報を得ていくこと、時には短い時間で信頼関係を築き上げること、長くなりがちな高齢者の話をうまく切り上げること、などのコミュニケーションスキルが必要になります。

さらに医師や他部門、病院外のさまざまな職種の方との連絡・調整も必要です。

特に医師との関わりは病棟より多いように感じます。

個人病院ですとワンマンな医師に、事務長が奥さん…だったりするとかなり大変だと聞きます。

看護技術も大切ですが、外来看護師は特に接客業・サービス業としての側面も強く持っているように感じます。

接遇もかなり意識する必要がありますし、様々な手続き、相談をどんどんこなしていかねばなりません。

そのため、人とかかわることが好きな人が向いていると思います。

②人を観察する力がある人

ある程度どんな病気があるかわかってい入院してくる入院患者とは違い、外来患者は全く状況がわからない状態で関わらなければいけない場合が多いです。

また病棟と違い、外来は患者さんと関われる時間が限られており、短い時間の中で必要な情報を収集し、援助につなげる判断力が必要になります。

そのため、やみくもに話を聞くのではなく、必要な情報をすぐに判断できる人、目の前の患者の様子や自宅での生活の様子などに、「あれ?」「なぜ?」という疑問を持ちながら関わり、その疑問を周りに伝えることができる人がよいと思います。

観察力、判断力がかなり必要な仕事だと思います。

また、「外来は病院の顔」と言われるように、患者一人一人の状況だけではなく、「今日一日の外来全体をどうスムーズに動かすか」「病院の評判を上げ、患者数を増やすためにはどうするか」といった、経営に関するようなことも考えながら仕事をしなければならない場合が多いです。

そのため、病院・クリニック全体のことにも目を向けられる人がよいと思います。

③家庭と仕事を両立したい人

主に日勤での仕事なので、子供が小さかったり、世話が必要な身内がいたり、夫婦で休みを合わせたい…などと、家庭と両立している看護師が多いです。

また、体に負担をかけたくない、と夜勤から配置換えを希望して外来に移動してくるベテランナースもいます。

個人的な印象かもしれませんが、「仕事が大事!!」「看護命!!」みたいな熱い考えではなく、ある程度自分の生活も大事にしながら働きたい、と良い意味でゆるい人が外来看護師には多いような気がします。

そのためずっと病棟でバリバリやってきた方は、外来だと物足りなく感じたり、外来看護師のふんわりした雰囲気にいら立ちを覚える人もいるようです。

もちろん外来も、すっごく忙しいし仕事はきっちりやるのですが、患者がいない時には少し時間の余裕がある日もあります。

病棟だと常時患者がいて、なかなかほっと一息…という時間はないと思うので、そこがやはり外来が少しのんびりしているゆえんかもしれません。

外来看護師へ向いていない人の特徴3つ

向いていない人の特徴3つ
  1. バリバリ看護を追及したい人
  2. めちゃくちゃ稼ぎたい人
  3. 人見知りする人

①バリバリ看護を追及したい人

外来も本当に忙しいのですが、病棟と違って「一人の患者さんに向き合ってじっくり看護を展開する」という機会はあまりありません。

とにかく看護師というか、サービス業のような側面も大きいですし、患者と関わる時間はわずかです。

そのわずかな時間で必要な介入を判断する…ということにやりがいと意味を見出せる方なら良いのですが、「外来看護は看護じゃない」という名言?を残して退職された方も過去いらっしゃいましたので、じっくり患者と向き合いたい、という方は病棟勤務が良いと思います。

また、ママさんナース、体を大切にしながら働きたいベテランナースが多いため、良い意味でゆるい考えの方も多いように思います。

もちろん仕事はきっちりしますが、自分の生活も大事にしたい、という方が多いので、バリバリ看護をやりたい!自分の人生は看護にささげたい!というような熱い志をお持ちの方は、救急とか循環器とかの病棟がよいかと思います。

②めちゃくちゃ稼ぎたい人

夜勤がないのでお給料はどうしても病棟勤務に比べて落ちます。

さらに外来での正職員、という求人はそんなに多くないように思います。

基本給も低め、ボーナスなしか、あってもわずか、退職金なし…などといった待遇の低さがどうしても目についてしまうかもしれません。

外来で正職員、となると総合病院で救急外来や当直を兼務、という場合が多くなると思います。

そうなると救急が好きな方ならまだしも、かなりのプレッシャーのわりには夜勤手当がつく回数が少ないので、結局病棟で夜勤をしたほうが収入的にはまし、という状態になるかと思います。

また、クリニックの正職員は本当にいろんな仕事を担当しなければいけない…とよく聞きます。

クリニックは正職員が1~2人、あとはパートさん、というところも多いので、正職員にかかる負担がかなり多いと聞いたことがあります。

それならば病棟で夜勤をしたほうが収入も待遇もまし、となるかもしれません。

③人見知りする人

外来は初対面の人と話をする場面がとても多い環境です。

初対面の人の様子を見て、キャラクターを見抜きながら、必要な情報を聞き出していく…というけっこう高度なコミュニケーションスキルが必要になります。

とはいえ私もあまり初対面の人と話をするのは得意ではありません。

でも、仕事だと思えばなぜか大丈夫になります。

仕事だと思えば大抵のことは乗り越えられると思いますが、初対面の人との会話が得意でない、という方は毎日顔を合わせる人がある程度一定である、慢性病棟などがよいと思います。

自分の接遇や対応が、そのまま病院やクリニックの評判になってしまう、というのも外来看護師の特徴かと思います。

病院の口コミなどでも、書かれている看護師のことは外来であることが多いです。

自分はサービス業!と割り切って働けるといいかもしれません。

外来看護師へ就職する方法

求人サイトをまめにチェックすることをお勧めします。

外来は外来でとても面白いです。

患者さんとは一瞬のかかわりのように見えますが、その短い時間の中でいかに必要な情報を得るか、良い関係を築けるか、また来ようと思ってもらえるか…などと、けっこう関わりとしては深いと思います。

また、これから在宅・地域医療がますます注目されていくので、外来の果たす役割が重要になっていくと思います。

小児科は子供たちの成長が見れて楽しいです。

子育て中のママナースは自分の子育てにも生かせる知識をたくさん得られると思います。

家庭や自分の人生と両立しながら、やりがいをもって働けると思います。

私は外来がとっても好きで、ずっと続けたいと思っています。

 

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