ITエンジニア・SE

【経験者が語る】文系SEはやめとけ?ついていけない人の特徴

文系SEはやめとけ

「文系SE」の存在を皆さんはご存知でしょうか?

SEはシステムエンジニアの略称となりますので、理系のエンジニア職というイメージが強い方も多いのではないでしょうか。

しかし、昨今のITエンジニア不足の影響もあって、大学や大学院まで文系として卒業していたり、前職は文系の営業職を行っていた方が、文系SEとして活躍するという方が増えてきています。

しかし、実際は、「文系SE やめとけ」、「文系SE ついていけない」、「文系SE 後悔」、「文系SE 使えない」などネガティブな言葉がGoogleの検索候補に出てきます。

今回は、文系SEとして活躍されている方にインタビューしましたので、実際のところどうなのか、聞いてみたいと思います。

文系SEの仕事内容と給料

仕事内容

システム開発の請負の仕事です。

ウェブサイト・スマホアプリを作りたいお客様が仕様書を頂き、それに基づいて開発を請け負う形です。

弊社では、コーディング業務の一部を中国企業へオフショア開発委託していました。

弊社にご相談されるお客様のほとんどがIT業界未経験の方たちで仕様書の書き方もわからない方たちでしたので、お客様の要件、要望をインタビューすることに大半の時間を使っていました。

私が直接関わった開発のなかには、ECサイト、SNS等などがありましたがコーディング事体はいずれも難しいものではありませんでした。

ただ、コーディングの期間よりも、コーディングを開始する前の打ち合わせ期間の方がよほど長いことがよくありました。

お客様自身が実際、何を作りたいのか、そのシステムで何をしたいのかが明確でないことが多かったからです。

専門的な要件定義書で中々伝わりにくいので、弊社独自のアンケートシート、パワポ資料などを何種類も作りました。

給料・収入

給料は勤め先によって変わります。

初年度は年収200万円台からスタートが多いです。

文系SEの仕事の楽しいこと

文系SEの楽しいところは、お客様との交流が頻繁にあったことです。

お客様が弊社に提出される仕様書は、お客様の新規事業の計画書でもあります。

その多くは私も「こんなビジネスアイディアがあるのか~」と感心することも多くありました。

読むだけでもすごく面白かったです。

お客様のほとんどがIT業界未経験者で仕様書の書き方もわからない方たちでした。

また私自身もそういった別の世界を知らない人間でしたので、まるで異業種交流会のような気分にもなりました。

コーディングの技術自体は時間をかければ誰でも身につくと思います。

しかし、それらの技術をどうやってビジネスに結びつけるかの方が非常に重要で難易度も高いと感じました。

これからの時代は「IT×○○」が必要な時代だと感じています。

IT技術だけあっても、それをそう生かすか考えられるようにならないといけません。

どちらか一方だけの人材はあふれているからです。

そういったスキルをもった文系SEは、これから必要とされる人材になるだろうと考えています。

文系SEの仕事で辛いこと

これまで苦労して作ったシステムが結局成功しなかったことです。

私が携わったシステム開発には、ECサイト、SNSなどがありました。

ただ、その多くはシステムをリリースする前、もしくはリリースした直後に、お客様の判断により撤退していました。

原因の多くは、「見通しの甘さ」でした。

開発会社の立場から一線を超えて言及する行為などは適切ではありません。

ただ、「あのとき、こう助言しとけばよかったかな」と後で後悔することもよくありました。

私自身も経験を重ねていくうち、お客様が失敗するパターンというのが見えてくるようになりました。

システムを納品し、代金を頂いた後にそれをどう使うかは当然お客様がお決めになることなのですが、お客様と長い期間、何度も打ち合わせや仕様変更をし、私たちも苦労して作り上げたシステムがあっけなく失敗に終わってしまうのは、悲しかったです。

せっかく自分が作ったシステムがあっけなく終了してしまう辛さにも耐えられないといけません。

文系SEに向いてる人の特徴3つ

向いてる人の特徴3つ
  1. お客様の要求を感じ取ることができる人
  2. 何度も要求される仕様変更に耐えられる人
  3. 技術バカにならない人

①お客様の要求を感じ取ることができる人

システム開発会社に開発を依頼されるお客様の多くは、システム開発についてわからない方が多いです。

また、お客様自身がそのシステムを作り、どういった使い方をしたいのか。

また、そもそもなぜそのシステムが必要なのか、方針が定まっていない方が多いです。

よって、ただお客様から提出された仕様書または言葉をそのまま受け取るだけでは十分ではありません。

こちらからお客様が作ろうとしているシステムを想像し、察するスキルが必要になると思います。

お客様に何度もインタビューし、一つ一つの要件について「これは何のため作るんですか?」と何か所も、何度も質問していきます。

すると途中でお客様自身が答えられなくなる、つまり不明確な部分の発見につながります。

こういった質問スキルは必ず必要ですので、それを身につけたい人にとってはこの職は向いていると思います。

➁何度も要求される仕様変更に耐えられる人

システム開発会社の宿命でもありますが、一度要件が一通り決まり、契約してコーディングがスタートした後も、ほぼ必ずといっていいほど、お客様から「やっぱりこうしたい」といった要件変更のご要望が来ます。

その度にどうしても、こちらとしても精神的に疲れが出てしまいます。

契約の観点からは、必ずしもそういった要望に応じる必要はないとは思いますが、お客様との長い付き合いを考慮するとそれに応じていました。

当然、その度に追加料金は頂いていましたが、労働に割に合っているかと問われれば、疑問が残る仕事でした。

開発会社としても、仕様のための会議、打ち合わせは社内で何度もしたのに、また一からやり直しということもあるからです。

こういった頻繁に来る仕様変更、お客様の考えがコロコロ変わることに耐えれる、慣れることができるひとでなければ、この職につくのは厳しい感じています。

➂技術バカにならない人

最近プログラミングを学ぶひと、学びたいひとが増えてきており、プログラミングスクールのCMもよく見るようになりました。

そういったことでプログラミングに精通した人が増えることは、社会のIT化の発展のためには非常に良い事だと思います。

しかし、一番重要なのは、そういった新しい技術をどうやって社会の応用できるか、そのアイディアと実現するためプランだと思います。

ただ技術だけを盲目的に学び、習得しても、それをどうやって社会に実装できるか、ビジネスにつなげて利益を上げられるかの発想がなければ、「技術バカ」の罠にはまってしまいかねません。

まずは断片的に、どういった技術があるのか、それは何に役立つのか、といった広く浅い知識を身につけることが重要だと思います。

そういったマインドを持ちながら、さらに自分が何を実現するためにどの技術を使うか、見極めていけばよいと思います。

文系SEでついていけない人の特徴3つ

ついていけない人の特徴3つ
  1. すぐに投げ出してしまう人
  2. 新しい技術に懐疑的な人
  3. 変化を嫌う人

①すぐに投げ出してしまう人

システム開発では、どうしてもお客様から仕様変更が頻繁に来たります。

その度に社内でもまた会議をし、最悪の場合一からやり直しということもありえます。

こういったことが頻繁に起こると、社員たちの士気も落ちてきます。

むしろ仕様変更がないラッキーな案件に出会うことは、ほとんどありません。

ここまでやるくらいだったら、もうこの案件は断った方がいいんじゃないかと、投げ出したくなってしまうことも珍しくありません。

ただ業界全体も価格競争、受注競争が進んでおり、断ってしまうとこちらがダメになってしまうという現実もあります。

コーディングなどの技術のスキルももちろん必要ですが、「投げ出さない」などといった精神論のような話も重要になってくると思います。

受注をする前に、「この案件は本当こなせるだろうか、途中で投げ出さないだろうか」と自問自答するこが重要です。

➁新しい技術に懐疑的な人

IT業界では、毎日のように新しい技術が生まれています。

それらの技術を使って新しいサービスを世に出そうとする人たちが世界中に存在します。

ただその多くの試みは失敗に終わっています。

人間は、自分がチャレンジしたことに失敗すると、精神的に落ち込んでしまうことが当然だと思います。

そういった失敗に対し、それが普通だと思えるようなマインドセットが必ず必要になります。

失敗をするとそれがトラウマになり、次からリスクを負わない安全な方向に行きがちで、新しいチャレンジよりも安定を求める保守的な状態になっていまいます。

IT業界は最も変化が激しい業界だと言われているので、そういったマインドでは続かないと思います。

どんなに怪しい新しい技術、アイディア、情報であっても、まずそれらを最初から懐疑的にみたり、排除しないことが大事です。

➂変化を嫌う人

IT業界は最も新しい業界で、最も変化が激しい業界の一つだともいわれています。

今学んでいる知識が2~3年後に使える保証はありません。

なので、「この資格をとったら将来が安定する」といった概念、発想をもつべきではないですし、常に自分の知識、スキルをアップデートし続けないといけません。

これは一見面白いようですが、労働者にとっては過酷な現実でもあります。

こういったことは多くの人にとっては、そう簡単ではないと思います。

ひとは若いときは色々なことに興味をもち、新しいチャレンジを好む傾向にありますが、年を取るにつれて変化を避けるようになり、保守的に安定を求めるようになるのが普通だと思います。

IT業界では、「SEの35歳定年説」といわれるように、35歳を過ぎると圧倒的に仕事を探すのが不利になるそうです。

新しい業界であるがゆえ、サポートも充実していません。

そういった激しく変化する業界であることを理解しておく必要があります。

文系SEになるには?

転職サイトを複数利用しました。

最初は大手のリクルートなどを利用していましたが、最終的にはLinkedinのスカウトで決まりました。

最近はプログラミングを学ぶ人が増えていますが、結局一番重要なのは、それの技術を使って何をしたのか、だと思います。

それも含めて頑張ってください。

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