- 組み込みエンジニアという仕事があることを知ったんですが、知人に聞いたらやめとけと言われました…
- 組み込みエンジニアという仕事の内容についてもっと深く知りたいんですが、経験者の話とか聞けませんか?
そんなあなたのために、実際に組み込みエンジニアとして働く人の経験談を踏まえながらまとめました。
「組み込みエンジニアはやめとけ」と言われるのはちゃんと理由があります。
しかし、その理由を補うことができるくらいのやりがいがあるのも確かです。
この記事では、組み込みエンジニアがやめとけと言われる理由についてまとめたあと、経験談をもとに仕事内容について詳細に解説しています。
実際に組み込みエンジニアとして働く人からの”濃い体験談”を読むことができるので、ぜひ参考にしてみてください。
組み込みエンジニアはやめとけと言われる理由3選!
まずは組み込みエンジニアが、やめとけと言われる理由についてまとめます。
組み込みエンジニアは誰もが目にする機械のソフトウェアを作ったりする、やりがいの大きい仕事です。
しかし、お客様ありきの仕事であったり、頭を使う仕事であるがゆえに「やめとけ」という声があることも確かです。
これから組み込みエンジニアに転職を考えている人は、そのようなネガティブな側面もしっかりと把握した上で、決断を下していく必要があるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
状況によって激務になることがある
組み込みエンジニアの仕事は状況によって激務になることがあります。
激務になるのは「お客様ありきの仕事であること」が大きな理由です。
組み込みエンジニアは、お客様の製品に使用するソフトウェアを開発することが主な仕事です。
しかし、その製品の仕様がお客様の意向により途中で変わることがしばしばあります。
そうなると、今まで開発してきたソフトを一部作り直す必要が出てくるため、通常の開発よりも時間がかかることになります。
そして、納期に近くなってからの変更では、限られた時間での修正となるため、残業が必要になることがあります。
このように、組み込みエンジニアは仕事の特性上、局所的な残業が発生することがあります。
「残業は絶対にしたくない!」という人は、やめておいたほうが良いかもしれません。
継続学習が必要で学習意欲がないときつい
組み込みエンジニアに限らず、ITの世界は日々進歩しています。
そのため「組み込みエンジニアは継続的な学習が必要である」ということを覚えておく必要があるでしょう。
毎年のように新しい技術が生まれるITの世界では、数年前と同じことをしていては取り残されてしまいます。
常に新しい技術にキャッチアップし、対応できる人材になっていく必要があるでしょう。
組み込みエンジニアは新しい技術にアンテナを張り、学ぶ努力が欠かせません。
継続して学ぶ意欲を持てない人は、組み込みエンジニアとして食べていくには難しいでしょう。
とは言っても、新しい技術を学び続けることは、大変なことばかりではありません。
新しい技術を学ぶことは、より多くのお客様の”ありがとう”をもらうことでもあります。
新しい技術を身につけることは「新しい技術を求めるお客様」の期待に応えることができるということです。
こんなことまで対応してくれるなんて助かる!と、お客様に言われたときの感覚は、とてもやりがいのあるものになるでしょう。
新しい技術についていくことは大変さもありますが、周囲に感謝される源泉でもあります。
「新しい技術についていくのが大変だからやめとけば?」と言われたときには、ポジティブな面とネガティブな面をしっかりとみて判断するようにしましょう。
納期内に正確な納品が求められるプレッシャー
組み込みエンジニアは納期内に正確な納品が求められるため、それがプレッシャーとなることがあります。
プログラムを扱う仕事は、少しのミスが動作しない原因になったり、その原因追求に追われることがしばしばあります。
その状況に納期のプレッシャーがかかると、精神的なストレスにつながることもあるでしょう。
また、このような状況では論理的に原因を導き出して解決していく力が求められます。
全てを感覚的にこなすタイプの人は、なかなか原因を、見つけることができずに苦労することもあるでしょう。
周囲を適切に頼って問題解決できる力や、じっくりと考えて納品までこぎつける必要があるという点では、組み込みエンジニアは難易度が高い仕事と言えます。
そのような特徴を悲観的に捉えて「やめとけ」という論調で意見を述べる人もいます。
自分の強みをしっかりと把握して、組み込みエンジニアがあっているかどうかを判断することが大事です。
組み込みエンジニアはやめとけと言われたときに考えたいこと
組み込みエンジニアはやめとけと言われる理由についてまとめました。
まとめた通り「組み込みエンジニアはやめとけ」という声も確かにあります。
しかし、実際に組み込みエンジニアへの転職や就職を決める時には、価値観と照らし合わせながら自分の軸で決断することが大事です。
エンジニアの仕事は大変なこともありますが、やりがいのある瞬間もたくさんあります。
- 自身が手がけたソフトウェアが街中で活躍している光景をみたとき
- 納期ギリギリの案件を無事に納品できてクライアントに喜んでもらえた時
- 新しい技術を身につけたり、効率よく仕事をこなせるようになって成長を実感した時 など
エンジニアの仕事でしか感じることができない達成感を、たくさん得ることができるはずです。
それなのに、大変なことばかりに目を奪われていては、とてももったいないです。
どんな仕事でも大変なことは存在しますので、そこから目を背けていては良い仕事に巡り合うことは難しいでしょう。
一通り、いろんな意見を参考にしたら、あとは自分の価値観に沿って仕事を選択していくことが大事です。
他人の意見に振り回されないようにしましょう。
組み込みエンジニアの仕事内容と給料
ここからは、実際に組み込みエンジニアとして働いている方のインタビューをもとに、仕事内容や仕事のやりがい、組み込みエンジニアの仕事で辛いことなどをまとめました。
これから組み込みエンジニアになることを検討している人にとって参考になる内容になっていますので、参考にしてみてください。
仕事内容
仕事内容としては基本的に他のIT系エンジニアと近い内容になります。
まず初めにクライアント(多くがメーカー会社になると思います)からどのような仕様のソフトが欲しいかヒアリングし、そのヒアリング内容を元に外部設計書を作成します。
その際、プロジェクトマネージャー等の立場であれば、予算設定やプロジェクトにアサインする人員を決めます。
その後、内部設計書やIF設計書などの各種設計書を作成し、実装に入ります。
設計書を作成した際に、評価項目やテストパターン、できれば自動テストツールなどを作成するとベストですが、多くのプロジェクトでは納期が短いため、評価に関するフォローができていない事が多いです。
実装が終われば、評価になります。
まずソフトウェアレベルでの評価を実施した後、実際に機械に組み込んで製品が正しく動作するかのチェックになります。
組み込む際は機械系のエンジニアや電気系のエンジニアと連携して行うことが多いです。
給料・年収
年収500万円前後です。
組み込みエンジニアの仕事のやりがい
今世の中に出ている製品の多くにソフトが組み込まれています。
実際に、自分が組み込んだソフトを検証して製品に組み込み、世の中に出ていくのを見たり、休日など街で製品を見かけると、自分が作ったものだという思いと、やりがいを感じます。
またプロジェクトによっては、2年や3年など多くの時間を要するプロジェクトもあります。
プロジェクトは長ければ長いほど、さまざまな問題にぶつかります。
問題は発生すればするほど大変な思いをすることは確かです。
しかし、それらを一つずつ丁寧に検証し解決する時に達成感を味わうことができ、それがやりがいになることも多いです。
また、プロジェクトによっては様々な人と一緒に業務を行うことがあります。
私の場合は中国人やインド人と一緒に同じプロジェクトを進めていますが、メンバーと苦楽を共にしつつ、製品をリリースした時、喜びを一緒に味わえる時が一番やりがいを感じる時だと思っています。
組み込みエンジニアの仕事で辛いこと
他のIT系の業務でもよく言われていますが、プロジェクトが遅れたり納期が短すぎるいわゆる炎上が発生した際に精神的にも肉体的にも辛いと感じることが多いです。
とにかく納期までにソフトを作って納入しないといけないというプレッシャーの中、一文字でも間違えたら製品が正しく動かないため正確な実装が求められます。
また、お客様(メーカーや取引先)の都合によって仕様がコロコロ変わることも多いため
今まで自分が実装してきた内容が無駄になることも多いです。
そんな時には、自分が費やした時間はなんだったのか思ってしまうこともあり、辛い経験になります。
実業務とは別になりますが、組み込み系のIT業界は比較的保守的な人が多いため、Web系に比べてシステムの効率化や時短のアイデアが通しにくい点も感じることも多く、辛い経験でした。
保守的という文化について、比較的年齢層も高く体育会系に近いノリもお客様によってはあったためそのノリに合わせるのも辛い経験でした。
組み込みエンジニアへ向いている人の特徴3つ
- コミュニケーション能力に自信のある人
- 論理的に物事を解決できる人
- 素直に物事を聞く人
①コミュニケーション能力に自信のある人
やりがいに関する点でも書きましたが、プロジェクトによっては多くの人とコミュニケーションを取る機会があります。
組み込み系のエンジニアであれば、機械系のエンジニアや電気系のエンジニアとも会話をしたり会議で同席することも多いため部署や会社を超えてもコミュニケーションが取れるような人材が必要となってきます。
また、最近ではオフショア(海外の人や会社と連携して開発すること)での業務委託も多いため、日本人以外の人ともコミュニケーションを取る機会も多いです。
その際、言語の壁があったとしてもジェスチャーやイラストなどを用いて、積極的にコミュニケーションを取ろうとする方が必要となってきております。
逆にコミュニケーションがうまく取れない、自分からコミュニケーションを取ろうとしない人は問題を抱えたまま、最後になって問題が現れるという状況になるので、プロジェクト遅延の原因となってしまいます。
②論理的に物事を解決できる人
エンジニアとして製品開発をする際、組み込み系エンジニアに限らず他のエンジニアでも同じだと思いますが、必ず問題点や、実装上難しい点、不具合、クレーム対応などの原因追求をしなければならないシーンが出てきます。
原因追求をする上で必要なのが、今何が起こっているのかを正確に知ることと状況に応じて原因を特定できる思考能力になります。
原因を特定する上で大事なのは、論理的に物事を考える力です。
各種部署や評価結果から送られてくる評価データを元に、何によってパラメータが変わっているのか、うまく動いていないのかを考え、自ら問題解決をする姿勢が必要になります。
論理的思考がないと、次同じような問題が出た際にも対応するのに時間がかかり、結果として開発スピードやプロジェクトの進捗に影響を及ぼしてしまいます。
組み込みエンジニアの仕事は、問題解決の連続です。
論理的思考力がある人は、有利に仕事を進めることができるでしょう。
③素直に物事を聞く人
エンジニアは常に勉強が必要となってきます。
特に新卒や他業種から組み込みエンジニアに入ってきた人にとっては、毎日が勉強になるはずです。
上司や同僚、時には年下の方からの意見やアドバイスを頂く機会が多くあるはずです。
頂いたアドバイスに対して、「この人のアドバイスは役に立たない」などの勝手に無視を決めるのではなく、まずは素直にアドバイスを聞き、それが業務に生かせるのか考える力が必要になります。
組み込みエンジニアは覚える必要のある技術がソフトだけでなく、ハード面でも多くあり、まず素直にアドバイスや参考書の記載を飲み込める人でないと成長スピードに差が出てきます。
一方で、仕様書や評価結果など疑う必要のある物事もありますが、その切り分けは自分が成長してから実施したら良いと思います。
自分の成長を早めるためにも、素直に物事を聞く人が向いていると感じています。
こんな人はやめとけ!組み込みエンジニアへ向いていない人の特徴3つ
- 一人で作業しようとする人
- 相手の言うことを聞かない人
- 学習意欲のない人
①一人で作業しようとする人
製品開発やプロジェクトにおいて、自分一人でできることは限られています。
そのため、なんでも一人でこなそうとする人は、逆にプロジェクトの進捗を妨げる要因となり組み込みエンジニアとしては向いていないと感じてます。
自分がいくらスキルを持っていたとしても、車やスマホ、家電製品などの複雑なソフトを一人で組むのは不可能です。
仲間と協力できない人は他の業種を検討したほうが良いと思います。
また一人で黙々と作業する人は自分の業務だけに集中し、他メンバーや他部署での遅れや問題に対しても無関心な傾向が高いと思います。
組み込みエンジニアが開発する製品は多くの部署と人によって作られるものが多いので、ある程度助け合って製品を作っていくという気持ちでプロジェクトに参加しないと、上手くいかないことが多いです。
組み込みエンジニアの仕事は、1人で机に向かっているだけで完結するものではありません。
コミュニケーションを面倒に感じる人が、うまく仕事を進めることは難しいでしょう。
②相手の言うことを聞かない人
プロジェクトには多くの人が参加しており、情報も色々な部署や会社からメールや会議を通して送られることが多いです。
その情報の中には設計に必要な情報だったり、問題やクレームを解決に導くようなヒントが隠されていることも多いです。
そんな中、相手の言うことを聞かない人は設計書を間違えたり、問題解決に時間がかかったりするので結果としてプロジェクトが遅延する原因を作ったりします。
そのような人は、周りからも徐々に疎まれプロジェクト内でも孤立してしまうことが多いです。
よって相手の言うことを聞かない、もしくは聞いたとしても素直に聞けていない人にとって、組み込みエンジニアの仕事は辛いものになると思います。
③学習意欲のない人
エンジニアの開発は常に技術向上の内容になっています。
21世紀になり、インターネットが普及するとますますグローバル化が進み、技術の進歩も早くなっています。
そのため、プロジェクトに組み込まれる技術も常に発達しており、参加するメンバーは常に勉強が必要となっています。
学習意欲がない状態だと、プロジェクトを進める上で必要となる技術を習得できなくなり、プロジェクト進行の妨げとなります。
また学習意欲のない人は、疑問やわからない点があるとすぐに他人に聞くことになり、他の人の手を止めてしまいます。
他人に迷惑をかけない上でも、常に学習意欲をもち最新技術や新しい言語、他領域の技術等を常に習得しエンジニアとして自分で成長できる人が必要となります。
そして、そのような学習意欲が高い人は、転職市場でも重宝され、より待遇の良い会社に行くことができるでしょう。
ITの世界は常に進歩し続けている、変化が激しい世界です。
継続的に学習する意欲がない人は、生き残ることが難しくなってしまうでしょう。
組み込みエンジニアへなるには?
もし転職で入りたい場合は、応用情報技術者試験やエンベデッドシステムスペシャリスト試験に合格し、TOEIC600点以上を目標に勉強したら良いと思います。
また、転職する際はマイナビなどの転職エージェントを活用すると、転職する際の会社の幅が広がります。
組み込みエンジニアは有名な製品に関われることも多く、参加したプロジェクト製品を見かけることも多いです。
「もし、自分の作った製品を使ってみたい、世の中で製品を見かけたい!」という方は、是非組み込みエンジニアを検討してみてはいかがでしょうか?
組み込みエンジニアはやめとけ?|まとめ
「組み込みエンジニアはやめとけ」という意見に対しての理由を考察しつつ、実際に組み込みエンジニアをやっている人の経験談をまとめました。
組み込みエンジニアは確かに「やめとけ」と言われることもありますし、そう言われるだけの理由もあります。
しかし、それを補うことができるくらいのやりがいがあることも事実です。
- 自分が手がけたソフトウェアを街中で見かけることがある
- お客様の期待に応えたときに感謝の言葉をもらう など
辛いことばかりではなく、たくさんの喜びを得ることができる仕事でもあります。
年収も500万円前後と高く、これから継続学習に励みながら、自分の市場価値を高めたいと考えている人には最適な職種と言えるでしょう。
悪い面と良い面をしっかりと理解した上で、自分の価値観と照らし合わせて決断することが重要です。
この記事も参考にしつつ、納得いく選択につなげていってください。