ホテルにいくと、コンシェルジュの方が笑顔で丁寧に対応してくれて、カッコいいなと感じたことのある方は多いのではないでしょうか?
ホテルの看板といっていいほど、コンシェルジュの対応一つでホテルの評価自体も左右されます。
今回は現役でコンシェルジュとして勤務されている方に、向いてる人の特徴や仕事内容・やりがい等をインタビューしましたので、これからコンシェルジュを目指そうと考えている方にとって非常に参考になることでしょう。
コンシェルジュの仕事内容と給料
仕事内容
フロントスタッフやハウスキーピング、料飲スタッフなどではできない、お客様の要望を叶え、最高の思い出作りに貢献するのが、ホテルコンシェルジュのお仕事です。
対面での応対だけでなく、お客様が実際にホテルにお越しになるまでの間、メールや電話などでやりとりをすることがほとんどです。
空港や最寄駅からホテルへのアクセス方法を聞かれた場合、質問内容にお答えするだけではなく、道中のおすすめスポットや、フライト時間に合わせてレストランの提案及び予約など、お客様にとってプラスになることは何でも行います。
滞在中にプロポーズを考えている方に対しては、小物を手配し空間作りを行い、怪しまれないようにお相手の方をその場に呼び出したり、あの手この手を使い最高の思い出となるよう尽力します。
また、ミシュラン三ツ星のレストラン予約や、入手困難なチケットの予約など、宿泊に付帯することも行います。
その為、職場内だけではなく、外部業者の方や近隣のレストランオーナーなどとも普段から良好な関係を築くように心がけるのもコンシェルジュの仕事のうちの1つです。
給料と年収
年収280~300万円となります。
夜勤が多ければ手当がつくので、もう少し多くなります。
コンシェルジュの仕事のやりがい
プロポーズや新婚旅行など、お客様にとって一生に一度の経験に携わることができるのは、コンシェルジュのだけです。
1人1人にあったプランをご提供するため、実際にご宿泊される何か月も前からご本人と打ち合わせをするので、その方がご来館される時は良い意味でドキドキします。
そして、思い出作りを提供し、成功してもたとえしなくても、たいていのお客様は直接お礼を伝えに来てくれます。
海外のお客様の場合は、かなりの額のチップをいただくこともあり、自分の仕事が認められた・・・ということを強く実感することができます。
また、普段から様々な情報にアンテナを立て流行の最先端を追う必要があります。
そのため、同僚からも話しかけられ、便りにされることが多く、仕事以外にも蓄えた知識を発信できる機械が多いことも、コンシェルジュならではです。
コンシェルジュになるまでの道のりは長いですが、奥が深く、とてもやりがいのある仕事なので、頑張る甲斐はあると思います。
コンシェルジュの仕事で辛いこと
ホテル業・接客業の頂点で、きらびやかな世界と思われることが多いですが、お客様と対面で接することは少なく、ほとんどがメール等で提案がメインの打ち合わせをするため、接客業というよりかはデスクワークに近いです。
しかし、事務員さんとは違い、相手はお客様でしかも海外の方となると時差があり、昼夜問わず仕事をする必要があります。
シフト制ではありますが、日中は接客、夜間はメール対応、数時間休憩、また仕事・・・というように拘束時間はかなり長いホテルが多いと思います。
休憩時間は1時間ほどで、12時間~16時間ぐらい勤務するということはよくあります。
また、ホテルは365日営業しているため、正月やGW、お盆休みなどは一切あしません。
それどころか、2連休すらとることが難しいので、ライフワークバランスを大切にしたい人には不向きな業種だと思います。
また、日本語・英語をしゃべれる人はたくさんいるので、それプラス1言語を話すことができる人が多いです。
その為、コンシェルジュになるためには語学堪能でなければ厳しいかと思います。
コンシェルジュへ向いている人の特徴3つ
- 体力があるひと
- 様々な言語でのコミュニケーション能力が高い人
- 知識欲が強い人
①体力があるひと
ホテルは365日稼働しており、コンシェルジュにも夜勤は存在します。
1日のタイムスケジュールとしで、7時出勤で、7~8時:メールチェック、8~13時接客、1時間休憩、14~20時接客、20時~仕事が終わるまでメール対応・・・等、勤務時間が14時間オーバーなことがよくあり、体力と精神力が強くなければ、身体がもちません。
また、カウンターでの接客だけではなく、日によってはお客様のスーツケースをお部屋までお運びしたり、荷積みを手伝ったりなど、力仕事も多くあります。
しかしながら、職業柄、男性スタッフは少ないので、女性だけで仕事を終わらせる必要があるので、体力がなければなかなか厳しい仕事だと思います。
また、カウンターではヒールを履いた状態で、美しい姿勢で立ちっぱなしなので、足腰が強くなければ、正直かなりしんどいかと思います。
②様々な言語でのコミュニケーション能力が高い人
これに関しては、ホテルのランクやターゲット層によって大きく変わるかと思いますが、日本語はもちろん、最低でも英語は堪能でなければいけません。
お客様に最高のサービスを提供するためには、細かいニュアンスも汲み取る必要があるため、日常会話以上のレベルが必要かと思います。
また、フランス語・スペイン語しか話すことができない・・・というお客様もいらっしゃり、なんとかしてコミュニケーションをとらなければいけません。
相手を安心させるためにも、日々、言語を学習し少しでも話せるようにする必要があります。
また、そのような努力が人事考課にも繋がるので、円滑なコミュニケーションのために努力をできる人でなければ厳しいかと思います。
言語以外からでも、お客様のニーズを組みとることはできるので、話すこと以外のコミュニケーション能力がある方も、この仕事は向いていると思います。
③知識欲が強い人
お客様のニーズを汲み取り、1人1人にあった提案をしなければいけません。
そのため、お客様よりも多くの知識を蓄えておく必要があります。
知識欲がある人なら、常に最新の情報を追い続け、蓄えた情報をお客様に提供する事ができるので、向いていると思います。
また、コンシェルジュサービスを利用するお客様には様々な人がいるため、お話を合わせる必要があります。
沢山の知識を身に付けることで、お客様にとっても、自分にとっても幸せだと感じることができる人なら、きっと楽しく仕事ができると思います。
知らない事に対して、そのままにしておくのではなく、とことん突き詰めるようなタイプの人に適している職種だと思います。
長時間勤務で頭も身体も駆使し、大変な職業ではありますが、そんな状況ですら楽しくこなせるような人なら、誰からも愛されるコンシェルジュになれると思います。
コンシェルジュへ向いていない人の特徴3つ
- 提案力がない人
- パソコンが苦手な人
- チームワークを大切にしない人
①提案力がない人
お客様は、初めに提案したレストランや観光地を気に入ってくれるとは限りません。
また、何を提案してもお気に召さないというタイプの難しいお客様も多くいらっしゃいます。
そういった方々にも、ご滞在が思い出に残る素晴らしいものにしなくてはいけないので、自分自身が持っている情報を出し惜しみなく提供し、お客様一人ひとりにあったプランを提案しなくてはいけません。
その為、知識だけあっても提案力やトーク力がなければ務まらない職業だと思います。
お客様の年齢や話し方、お召し物や滞在の目的など総合的に判断し、求められていることに対して瞬時に提案ができれば、お客様は大満足していただけます。
反対にそれができなければコンシェルジュデスク、更にはホテルに二度と起こしにならないということも十分にありえます。
慕われるコンシェルジュになる為には、引き出しを多く持ち様々な提案ができなければいけません。
②パソコンが苦手な人
コンシェルジュというと、ご来館された宿泊客に対し対面で接客するというイメージですが、そのような業務はほんの一部に過ぎません。
これから宿泊されるお客様に対して、メールでやり取りすることが多く、観光地や飲食店等のリストを作成し送付したり、お客様一人ひとりに合わせた地図を作成したりと勤務中はほとんどパソコンに張り付いている状態です。
また、対面接客において、お客様からのご質問の返答に一度インターネット検索を挟む時もあります。
その時はなるべくお待たせさせないよう、瞬時に検索しなければいけません。
接客時にキーボードを触る際は、キーボードや画面を見るのではなく、お客様の顔を見て入力等の作業をしなくてはいけません。
その為、ブラインドタッチやショートカットキーを使いこなすことが重要だと思います。
パソコンに対する苦手意識さえなければ、努力次第で成長できることなので、是非頑張ってほしいと思います。
③チームワークを大切にしない人
接客中は1対1のことがほとんどですが、勤務時間の内多くを占めるバックオフィスでの作業はチームワークが大切です。
コンシェルジュにもそれぞれの得意分野があるので、お互いにカバーし合いながら仕事をしていきます。
また、お客様に関する情報共有やホテル周辺の最新情報の共有なども日頃から行うため、ホテルで最もチームワークが必要な部署と言われることが多いです。
日頃から仲間を大切にすることで、自分自身が困っている時に助けてくれる人が増えるため、楽しく勤務することができます。
また、24時間365日稼働しているので、シフト勤務となります。
その為、何かあった時や連休・有給を取得したい時に変わりを見つける必要があるのですが、チームワークが悪いとなかなか見つからず、連休や有給を取ることができません。
反対に、チームワークが良い部署の場合、「お互い様」という気持ちを持った人が多く、比較的融通が利きます。
チームメイトはそんな人と一緒に仕事がしたいと思っているので、仲間を大切にできる事もコンシェルジュになるための必須条件だと思います。
コンシェルジュへ就職する方法
日系・外資によって大きく変わると思いますが、外資系ホテルのコンシェルジュの場合、まずホテルの宿泊部のフロントスタッフなど他の部門を経験し、そこで良い評価をもらう必要があるかと思います。
転職サイトや企業HPにはコンシェルジュという職種が掲載されていることは少ないので、まずはコンシェルジュになりたい!と思うホテルに入社し、そこで結果を残し部署移動をするのが一番の近道だと思います。
コンシェルジュになる為には、ホテル内でフロントやドアマンなど様々な経験をつむ必要がある為、かなりの年月がかかると思います。
しかし、念願のコンシェルジュ業務に携わることができた時の喜びはとても大きいので、めげずに頑張ってほしいと思います。