- 漫画家として仕事をしていきたいけど、どうやってなればいいかわからない…
- 漫画家として活動していくと決めた!でも実際のところ、どうやってお金を稼いでいけばいいんだろう?
そんな”漫画家の卵”の方々に向けて、漫画家になるための方法や仕事内容についてまとめました。
漫画家として収入を得るには様々な方法があり、仕事の仕方も様々です。
この記事では漫画家の仕事を種類わけして解説した後、実際に漫画家として活動する人の実体験をもとに仕事内容について解説しています。
これから漫画家を目指すあなたにとって、有益な内容になっていますのでぜひ参考にしてみてください。
漫画家の仕事の分類
まずは漫画家の仕事を3つに分類して整理することから始めましょう。
一口に漫画家と言っても、仕事の取り方や収入の得かたによって、種類は複数に分かれます。
今回は下記の3つに種類わけをしました。
- 商業漫画家
- web漫画家
- 広告漫画
代表的な分類として上記の3つを抜粋しています。
一例として参考にしてみてください。
商業漫画
まずは商業漫画家です。
商業漫画家は、下記のような仕事でお給料を得ます。
週刊誌や雑誌などに漫画を掲載して出版社からお金をもらったり、単行本を出版して印税を収入としたりします。
いわゆる王道の”漫画家”と言われる稼ぎ方と言えるでしょう。
売れっ子の商業漫画家になれれば、リターンも莫大になるでしょうし、夢のある仕事と言えます。
しかし、商業漫画家になるのは、かなり狭き門です。
週刊誌に掲載をすることができる漫画家はごく少数ですし、描く漫画のクオリティも相当なものが求められます。
商業漫画家として成功するには、出版社が主催する賞に継続的に応募したり、出版社に直接作品を持ち込んだりする、大変な努力が必要でしょう。
商業漫画家はうまくいったときのリターンも多く、夢のある仕事です。
しかし、なるためのハードルも高く、相当な努力や才能が必要な稼ぎ方でもあるため、この稼ぎ方一本で勝負するのは、リスクも伴うことを覚えておく必要があるでしょう。
web漫画
SNSなどの普及により、最近増えているのがweb漫画家です。
漫画をweb配信している媒体に掲載して、稼ぎを得ます。よくCMなどでやっている月額読み放題サービスや、一話ごとの買い切り形式で運営されているサイトがメインです。
ページ数に制約がないため、掲載してもらうハードルは、週刊誌ほどは高くないでしょう。
しかし、その分ライバルが多いことも確かです。
SNSなどを活用して効果的に宣伝を行なっていかないと、埋もれてしまうことになります。
週刊誌などへの掲載よりも、多くの人に門戸が開かれていることは確かです。
ただし、載せれば誰でも稼げるというものでもありません。
どうすればSNS上で話題にさせることができるのか、という観点で様々な知識を蓄える必要があるでしょう。
広告漫画
広告用の漫画を作成し、収入を得る漫画家も存在しています。
YouTubeやSNSに掲載する、ストーリー型の広告を作成して報酬を得ます。相場としては1ページあたり5,000円〜50,000円程度と幅があります、仕事はクラウドソーシングサイトで受けたり、企業から直接の受注をしたりすることが多いようです。
最近では漫画広告の需要が増えており、世の中に出回る仕事量は増加傾向です。
特に漫画広告はユーザーの反応も良いと言われており、多くの企業がぜひともチャレンジしてみたい広告手法になっています。
SNS広告の中で「最も見たい」形態は動画や画像を抑えマンガが2倍以上の支持を得る
広告は見た人の反応率が命です。
ストーリーに乗せて商品を伝える漫画広告は、ユーザーに受け入れられやすい傾向があり、企業としてはとても有効な手法になっています。
それだけに、広告漫画の需要は高まっています。
自分でストーリーを考えて漫画を制作する以外にも、広告漫画のように企業の漫画制作を受注して、収益をあげることも一つの手段です。
SNSをきっかけに漫画家が増えている?漫画家になりやすくなったって本当?
一部で「漫画家が増えすぎている」という意見を目にするようになりました。
これはSNSやネットなどの媒体が増えてきて、漫画で収益をあげる人が増えてきたことが一つの要因と言えるでしょう。
確かにSNSを利用する人が増えており、自分の漫画を世の中に発信しやすくなっています。
日本国内におけるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者(アクティブユーザー)は年々増加しており、2020年末には7,975万人に達する見込みだ。2019年末の国内ネットユーザーは9,960万人と推定されるが、SNS利用者はそのうちの78.2%にあたる7,786万人だった。2020年の年間純増者数は189万人となる見込みで、利用者は1ヶ月平均で約16万人の増加を続けている。
以前よりもはるかに多くの人がSNSを利用するようになっており、SNSへの投稿がより魅力的になっている状況がみて取れます。
そのため、毎日コツコツと自作の漫画をSNSに投稿することで、漫画家への道が拓けるきっかけになることもあるでしょう。
ただし、漫画家になるハードルは依然として高いことに変わりはありません。
たくさんの人が投稿をするようになった分、競争が激化していることは確かです。
SNSの発信になんとなく力を入れていても、なかなかユーザーの目には止まらないでしょう。
SNSを起点に漫画家を目指す場合は、下記のことを意識して、真剣に発信すると良いでしょう。
- すでに有名になっている人をしっかりと分析する
- 発信の段階から仕事であるという意識を持って取り組む
SNSを有効活用して有名になった方もたくさんいます。
しっかりと活用できれば強力な武器になるのがSNSです。
前例にとらわれず、新しい技術やサービスはしっかりと活用していきましょう。
漫画家になるのに本当に必要なのは〇〇!
漫画家になるのに大事なのは、マーケット感覚です。
読み手に求められている作品を生み出せなければ、お客さんを獲得できません。
ただやみくもに漫画を描いていても、漫画家としてお金を稼ぐことは難しいでしょう。
マーケット感覚とは?…市場でどんな作品が受けているかや、読み手に刺さる作品はどんな作品なのか、を感じ取る力のことを指しています。
自分が描きたい作品があるという気持ちは、もちろん理解できます。
そして、その描きたい作品を突き詰めた先に、より濃いユーザーを獲得できる可能性もあるでしょう。
しかし「漫画家でお金を稼ぎたい!」と考えるのであれば、冷静に市場を見つめる目も大事です。
誰も求めていない作品を描いていては、全く日の目を見ることができないかもしれません。
自分の描きたい作品を描きながらも、人気作品の動向などをしっかりと把握しておくようにしましょう。
漫画家になる方法3選!独学も可能!
漫画家の仕事の概要をつかんだところで、漫画家になる方法を3つ紹介します。
漫画家の世界は、よくも悪くも実力の世界です。
学力があるからといって優遇されることはありませんし、良い職歴の人が人気作家になれる訳ではありません。
しっかりと行動を起こして、それが関係者に評価されることで道が拓けてきます。
ぜひ参考にしてみてください。
出版社に持ち込む
出版社に持ち込むことで、担当者に作品をみてもらい、出版までつなげる方法です。
雑誌や週刊誌に自分の作品を掲載してもらいたい!という思いがある場合は、有効な手段と言えるでしょう。
しかし、覚えておかなければいけないのは、ライバルが多いことです。
たくさんのライバルが同じことを考えて、出版社の作品を持ち込んだり担当者と接触しようとしたりしていることが想定されます。
質が高い漫画を制作して、その競争を勝ち抜いていかなければなりません。
また、出版社によってはあまりに数が多いために、持ち込み自体を受け付けていない場合もあるようです。
そのような状況で注目される必要があるため、難易度は高めと言えるでしょう。
有名な週刊誌などに掲載してもらうためには、持ち込みは有効な手段です。
しかし、競争率も高く狭きであることは覚えておく必要があります。
webに投稿し続けて声をかけてもらう
先ほどもSNSの例をあげましたが、web上に作品を投稿し続けて声をかけてもらうことも一つのルートでしょう。
今の時代はweb上に無料で作品を投稿することができます。
Twitterやnote、インスタグラムなど、作品を投稿するプラットフォームは山ほどあります。
それらのプラットフォームに作品を投稿し話題になれば、雑誌や週刊誌、web上のマンガ配信サービスへの掲載も近付くことでしょう。
そして先ほどの繰り返しにはなりますが、SNSでの発信は継続とマーケット感覚が大事です。
市場で受け入れられている作品を研究したりしながら、継続的な発信を心がけましょう。
賞に応募して評価してもらう
各出版社などが主催している賞に応募し、評価してもらうこともデビューへの手段になります。
競争率が高いことに変わりはないですが、大手出版社とつながる可能性ができる貴重な機会です。
興味があればぜひとも応募しておきましょう。
友人やネットの情報網を駆使して、開催されている賞を見逃さないようにしておくことが大事です。
クラウドソーシングサイトで仕事を受注してみる
広告漫画でお金を稼いでいきたい場合、クラウドソーシングサイトで仕事を受注してみることも有効です。
会社内に漫画家を雇っている企業は滅多にないため、企業が漫画を必要とした場合には、外注することがほとんどです。
その時に使用されるのが、クラウドソーシングサイトです。
クラウドソーシングサイトで漫画の案件を検索すれば、多くの案件を見つけることができるでしょう。
広告漫画は企業の需要も高まっています。
報酬もある程度まとまった額になるため、うまく受注することができれば、かなりの金額を得ることも可能になるでしょう。
もちろん「広告漫画ではなくて、自分の作品を描きたい!」という方がいることも理解できます。
しかし、広告漫画の仕事を受けるということは、あなたの技術を活かして「漫画を必要としている人or企業」を喜ばせるということです。
あなた自身の技術が世の中のためになると考えると、悪くはない選択肢であると思います。
新しい挑戦として、ぜひ一度取り組んでみてはいかがでしょうか。
漫画家の仕事内容と年収
ここからは実際に漫画家としてお仕事をしている方へのインタビューをもとに、仕事内容や漫画家に求められる性格などについてまとめました。
漫画家がどのように活動しているのかが、読み取れる内容になっています。
ぜひ参考にしてみてください。
仕事内容
私が勤務している場所はパソコン作業ではなく、紙とペンでの制作でした。
現在でも、画材にこだわりのある方など、パソコンをメインとせずアナログ作業でお仕事をされている方も多くいらっしゃいます。
アナログの場合の作業内容は、
- ストーリーを考えプロットを作成
- コマ割りなどを考え規定枚数の中に1話をおさめるようネームを作成
- 原稿用紙へ下書き
- ペン入れ
- トーン処理や詳細の書き込みなどで仕上げ
と言った流れになります。
詳細は次のようになります。
<1>ストーリーを考えプロットを作成
これは、TVなどで紹介されるようなシナリオ形式でかかれる方もいらっしゃいますし、小説のように文章を書かれる方もいらっしゃいます。
また、プロットとネームを合体させて進める方もいらっしゃるので、人によってやり方は様々です。
しかし、これまで一般的だった出版業者ではなく、youtube他様々な媒体に関する企業などの場合は、プロットありき、ネームありきで制作を始める場合もあるようですので、所属する会社によっても作業内容は変わります。
<2>コマ割りなどを考え規定枚数の中に1話をおさめるようネームを作成
作成したプロットやストーリーを元に、実際にどう規定ページ数内におさめるかを考えながらコマ割りを行います。
4コマ漫画など仕様がある程度決まっている場合を除き、コマ割りは作品をどう見せるかの醍醐味です。
効果的にページを大きく使用する大ゴマなど配置したり、細かすぎるコマを排除したり、台詞をコマ内におさめるのか、コマをはみ出して配置するのか、台詞だけのコマにして心情を伝えるのか、などなど。
画力はもちろん必要ですが、見せ方が下手だと読みづらく飽きられたり、面白くないと思われてしまいます。
そのため、コマ割りなどのネーム作成は重要な作業です。
<3>原稿用紙へ下書き
コマ割りを決定した後は、原稿用紙に下書きをします。
下書きの方法は人それぞれで、下記のような手法があります。
- 鉛筆で下書き
- 水色の色鉛筆で下書き など
下書きはざっくりでペン入れから仕上げに時間を費やす人や、下書きから細かな線まで書き込む人など、作業の組み方は人それぞれです。
<4>ペン入れ
使用される画材も、やり方も様々です。
使用するペンを細かに変える方もいれば、気に入っているペンだけで描きあげる人もいますし、筆やミリペンで線を入れていく人もいます。
既製品を使用する方は勿論多いですが、筆など毛先を自分で切って作業しやすくカスタマイズされる人もいるので、何が正解、などはありません。
必須なのは「印刷に耐えられるか」ということですが、最近ではいろいろな媒体に掲載されるため「画面表示に耐えられるか」も重要になってきました。
<5>トーン処理や詳細の書き込みなどで仕上げ
トーンをあまり使用しない方もいれば、トーンを多数使用するかたもいらっしゃいます。
しかし、共通するのは背景・詳細などを書き込んで仕上げることです。
背景や小物がない漫画は、よほど特殊な状況でない限り、読んでいて魅力がありません。
細かい作業はたくさんありますが、クリエイティブな仕事では必須だと思っています。
また単純な作業内容だけではなく、プロットの段階から出版社の担当者などと打ち合わせがあることもあります。
この場合はこまめにチェックが入るため、ストーリーやコマ割りの修正など添削があったり、仕上げ後に修正を促されることもあります。
ストーリーを考えるところから仕上げまで一人で作業する方もいれば、アシスタントを雇って複数人で仕事をする方もいて、多種多様な作業風景があります。
漫画家の収入について
漫画家には様々な仕事の形態があり、仕事によって収入のもらい方についても、複数の種類があります。
まずは、私の実際の収入について解説する前に、漫画家の収入を3つに分けて解説します。
漫画家の収入①原稿料
漫画家の大きな収入となるのが原稿料です。
原稿料とは下記のような収入を指します。
- 週刊誌に連載し、出版社から1ページ〇〇円という形の報酬を受け取る
- 雑誌などに掲載する漫画を納品し報酬を受け取る
- 広告漫画などのクライアントワークをこなして漫画を納品し、報酬を受け取る など
これらの収入を原稿料と呼びます。
基本的には出版社やクライアントなどの”納品相手”がいて、その納品相手から受け取る報酬のことを指すことが多いです。
原稿料は漫画家の人気度などによって金額が変わり、より人気の漫画家の方が報酬が高くなる傾向があります。
一般的な週刊誌の原稿料は1ページ数千円から数万円と言われており、人気度によって上げします。
あなたがより人気のある漫画家になればなるほど、あなたの需要は上がり、原稿料も上がっていくことになるでしょう。
漫画家の収入②印税
出版社を通じて単行本などを出版することになった場合に、売り上げの一部を作者に支払う仕組みを印税と言います。
売り上げのうちどれくらいの額が支払われるかは、出版社によって異なりますが、目安は売り上げの数%〜10%程度と言われています。
人気作家の収入が大きく上がる要因は、この印税という仕組みにあります。
原稿料のみだと単価と作業時間に天井があるため、収入はある態度のところで頭打ちになってしまいます。
しかし、単行本は一度出版されてしまえば、あとは書店やネットを介して販売量が増えていってくれます。
そのため、人気の漫画家になれば相当な額の印税が入ることになり、収入もかなりの額になることでしょう。
また現在ではnoteやSNSの課金機能を使用して、ユーザーへダイレクトに作品を販売するケースも見受けられるようになりました。
出版社を通して、単行本を制作していく過程はなかなかハードルが高いです。
印税収入だけを目指して活動していると、収入が思ったように上がらず、苦戦することもあるでしょう。
時代に応じて、SNSなどを駆使して収入をあげていくことも、長く漫画家として活動していく上では、必要な努力と言えそうです。
漫画家の収入③グッズ収入
単行本などで売り上げが上がり、知名度も上がるとグッズ販売の収入も見込めるようになってきます。
印税と同じく、出版社などの関係者との取り決め次第で、数%程度が漫画家に支払われる仕組みになっていることが多いです。
漫画家として、ある程度の知名度を獲得した先の話になるため、ハードルは高いです。
しかし、印税と同じく自分の作業量を大幅に増やすことなく収入に繋げられるので、人気が出るほど収入に大きなインパクトをもたらすでしょう。
またこちらも最近では、個人でグッズ制作をしてSNSなどを通じて販売をしているケースも見受けられます。
芸能人がYouTubeなどを始めて独立していっているように、漫画家も出版社に縛られない活動ができる基盤が整ってきているのかもしれません。
【実体験】年収・給料は結局どれくらいだった?
描いた枚数×単価であったため、歩合でした(仕事をしていた当時、白黒原稿1枚5000円が高額でした)。
現在ではweb漫画なども大きく普及し、月給制や10ページ○万円などの固定金額など、支払い方法や金額などの幅が広がっているようです。
漫画家の仕事のやりがい
自分の書いた作品が、公の場に出ていくことが、仕事のやりがいです。
自費出版やイラスト投稿サイトなどで作品を公表していく場所があるとはいえ、それを仕事にできること、自分の手で作品をうみだすことは、一線を画すと思っています。
読者や閲覧者が増え認知度が上がり、自身の評価も上がっていくと、大きな自信や次の仕事へと繋がる一歩になります。
この職業を目指したい方は、絵を描くことが好きなのは当然だと思います。
しかし、絵を描くことを仕事にすることは、趣味で漫画を書くこととは全く別です。
出版社や会社は、最終的に利益を上げなければならないので、仲間内などで楽しむこととは違い、自分の意見だけを反映させるような作品は出せません。
その代わりに下記のような場合には、漫画家として大きなやりがいを感じます。
- 自分の考えたキャラクターやストーリーが出版されたり各種媒体で公開されたとき
- 公の場に作品が発表されたとき
- 自分の作品がたくさんの人の目に触れるきっかけをつかんだとき
- 自分の作品がダイレクトに利益に繋がったとき など
上記のようなシチュエーションでは「この仕事をやり遂げた」という実感と喜びを感じることができます。
漫画家の仕事で辛いこと
作業が孤独であることが、漫画家の辛さです。
集中力が必要な仕事なので、ついのめり込んでしまったり、作業時間が深夜にずれ込んでしまったり、生活リズムが不規則になる場合も多々あります。
また、作業を進めたいのに筆が乗らない、ストーリーが納得いかない、集中力がとぎれて作業が進まないなど、気分やモチベーションが下がって効率が悪くなり、作業が詰まって仕事が辛くなることもあります。
場合によってはアシスタントを頼む場合もありますが、それぞれが個々で作業を進めるため、仲良くコミュニケーションをとりながら進めるという感覚ではありません。
根気と集中力をどう維持して作業を進めるかが重要になりますが、他者とのコミュニケーションが減って気が滅入ることも多いです。
そして、仕事として作業をしているので、会社側は利益を求めます。
漫画自体の人気向上、漫画を通してサービスや小売など購買に繋げることを前提に仕事を進めるため、自分の意見が通らずに修正や削除を行わなければならなかったりすることもあります。
漫画家としての仕事は、必ずなんらかの形で”他者”が関わります。
常に自身の意向がはっきりと反映される訳ではないということを覚えておきましょう。
漫画家へ向いている人の特徴3つ
- 絵が描けるだけではなく、ストーリーを作ることが出来ること
- 自分の考えを持てること
- 他人の意見を聞けること
①絵が描けるだけではなく、ストーリーを作ることが出来ること
掲載される媒体や仕事内容によっては、プロットありき、ネームありきの仕事をする場合もあります。
絵が描けることは当然として、自力でストーリーを作ることが出来なければ、「これを任せてみよう」を思われることはありません。
また、読み手はストーリーの面白さを重要視します。
むしろ、少々絵に癖があっても、ストーリーが面白ければ大ヒットになることもあります。
逆に流行の絵面であっても、ストーリーに面白みがなければ駄作と言われでしまうこともあるでしょう。
会社などからプロットありき、ネームありきの仕事を求められる場合も多々ありますが、「読み切りのストックネタをいくつかつくっておいて」や、「○○を売りたいから10ページ以内で紹介漫画のネーム切って」など、アバウトに作業を振られる場合もあります。
アバウトな作業は必ずしも完成まで辿り着ける作業ではなかったりします。
しかし、しっかりと取り組むことで「突発的に空いてしまった枠に読み切りのネームを持っている作家がいるから仕事を回そう」とか、「小売店から他の商品のランディングページにも漫画を入れたいと希望があった」など、後の仕事に繋がる場合があります。
②自分の考えを持てること
漫画ではキャラクターの容姿などはもちろん、世界観や仲間、敵、対人関係など様々な設定が必須です。
そして、既存の漫画のものとあまりにも共通項が多いと非難されることもあります。
自分が生み出した案を、しっかりとストーリーに組み込んで形を作るため、矛盾がなくオリジナリティのある考えを持つことが大切です。
作品を作り上げる上で、起承転結は必須です。
大枠を用意し、徐々に肉付けしていくことが漫画を描く仕事です。
自身の手がけるオリジナル作品だとしても、他者の意見ばかりに耳を傾けて最初に用意した大枠の部分があまりにもぶれてしまうと、読み手はそこに矛盾を感じてしまいます。
コンセプトになる部分を強く意識すること、また、それを出版社や会社にプレゼンしたり、自分の考えを曲げたり変えたりせずしっかりと伝えることなども大切です。
③他人の意見を聞けること
自分の考えを持つことはもちろん大切ですが、編集者やオファー元の担当者などの意見を聞き、納品先の希望に沿うことも重要です。
全てを自身のオリジナルで制作できることは難しく、会社側は利益になることを必要としているので、ストーリーの添削や描き直しは当然、と思っていないといけません。
特に出版社は、これまで積み重ねてきた人気の出る作品のノウハウを持っている場合が多いので、強い指摘や大幅な改変などのテコ入れが発生する場合があります。
例えば「AとBとCの三角関係が主軸のストーリーで、AとBが結ばれるという展開」で進めていた話が、出版社の意見で「AとCが付き合うことになる結末」に変更になった、など、ストーリーに根幹にかかわる変更も実際にあります。
仕事として漫画を描いている以上、会社やクライアントの意見を受け入れなければならないことも理解しなければいけません。
漫画家へ向いていない人の特徴3つ
- 絵が描けるだけのひと
- 他人の意見が聞けないひと
- 根気がないひと
①絵が描けるだけの人
素晴らしい絵を描くイラストレーターの方は、イラストレーターとしてのお仕事をされています。
漫画家を目指すのであれば、他者の考えたストーリーだけではなく、自身でプロットを制作できる力がないと仕事の幅が広がりません。
youtubeなどの漫画動画などは、プロットやネームが用意されたうえで漫画を描くと言った募集が目立つように感じますが、自身の考えた漫画を描きたいと思うのであれば、絵を描くだけでは成し遂げられません。
また、ストーリーを作ることが出来ても、漫画としてコマ割りにセンスがないと、見づらかったり面白さに欠ける仕上がりになる場合があります。
絵が描けるだけだと、どうしても仕事の幅が狭くなってしまいます。
ストーリー制作やコマ割りのクオリティもあげていくことで、多様な仕事に対応できるように成長していくことが重要です。
②他人の意見が聞けないひと
他人の意見が聞けない人は漫画家として活躍することは難しいでしょう。
編集者やオファー元の担当者などの納品先は利益をあげることを第一に考えています。
そのため、ストーリーやキャラクターなど全てに意見される場合があります。
譲りたくない気持ちは理解できますが、仕事として漫画に関わる限り、クライアントの希望が第一であることを理解する必要があります。
自身の意見だけを取り入れた漫画は、趣味の延長でしかなく、仕事ではありません。
「○○と言う商品を20~30代女性をターゲットに販売したい」と言う依頼なのに、一般的に男性が好む萌えキャラやロリキャラばかりの出てくる漫画では、依頼通りに制作できていないと判断されるでしょう。
仕事で描いている以上、自分の意見ばかりが通ると思ってはいけません。
③根気がないひと
根気がない人も漫画家として活躍することは難しいでしょう。
クリエイティブな仕事は細かい作業が多く、集中力が必要も必要です。
そのため、締め切りまでに納得のいく作品を仕上げることすらもとても大変です。
また、モチベーションの低下による不調などがあっても、プロであれば仕事を投げ出すことは許されません。
どれだけ根気強く作業に没頭できるかが、非常に重要になってくるでしょう。
いかに効率よく、モチベーションを下げず、設定されている締め切りまでに高いクオリティで仕上げるかが、漫画家の重要なポイントだと思います。
クリエイティブな仕事には終わりがなく、納得がいく仕上がりも難しい場合が多々あると思いますが、どれだけ根気強く努力を続けて作業できるかと言う部分が必須です。
漫画家になりたい方へ経験者からアドバイス!
特別な資格や専門学校の卒業などは必須ではありません。
現在でも出版社へ直接持ち込みや応募などから仕事へ発展しますし、同人誌販売イベントやイラスト投稿系サイトやSNSから応募・スカウトに繋がる場合もあります。
また、youtubeの人気に伴い、漫画から動画を作成する業者様も増えてきているので、クリエイター向け転職サイトでなくても、在宅ワークとして募集をしている会社も見かけます。
ごく最近では、Indeedの在宅ワークで検索した際に複数のyoutubeに関する漫画家募集が掲載されていました。
特定の出版社に絶対入りたい、と言う場合はこまめに持ち込みや応募を続け、担当者の目にとまるよう努力が必要ですが、出版社や業者にこだわりがない場合は、スカウトや通常の求人サイトから仕事へ繋げることも有効でしょう。
漫画家を目指したい方は、そもそも漫画を描くことが好きな人だと思います。
好きなことを仕事にすると言うことは大変素敵なことですが、自分の作り上げた作品を利益に繋げるために変えていかなければならない場面では苦しい思いをするかもしれません。
それもプロとして飲み込み、素敵な作品を作り出してください。
漫画家の仕事内容は?なるにはどうする?|まとめ
漫画家の仕事内容や、漫画家になるためにどうすれば良いか?というテーマでまとめました。
漫画家には様々な種類の仕事が存在しており、収入を得る方法も様々です。
漫画家として長く活動していくには、お金のことをしっかりと認識しておき、計画的に仕事をとったり、売り込みの活動をしていく必要があるでしょう。
また、何度か触れた通りSNSなどを駆使することで、ユーザーに直接作品を見てもらったり、作品を販売するチャンスを得ることができるようになってきました。
自身の作品の特性などを踏まえながら、旧来の売り込み方に縛られない形で、活動方法を模索していくことが大事です。
この記事に掲載している、実際の漫画家さんの体験談も参考していただきつつ、漫画家として活躍できるように頑張ってみてください。