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編集者になるには?向いてる人の特徴3つ

編集者に向いてる人

本が好きな方は編集者という仕事はいかがでしょうか?

編集者というと、人の書いた文章を見るだけの仕事だと勘違いしている方もいますが、本の企画から本の完成・ホームページの発表まで一連に携わる大事な仕事となります。

今回は、医学書の編集者として3年半勤務される方に、向いてる人の特徴や、なるには何が必要か等をインタビューしましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。

編集者の仕事内容と給料

仕事内容

私が担当しているのは医学書の編集者です。

  • 企画(どんな内容の本を作るか、誰に編集や執筆をしていただくか)
  • 執筆依頼(執筆や編集をお願いしたい人に手紙やメールで執筆を依頼する)
  • 原稿チェック(執筆者が書いた原稿が、ルール通りに書かれているか、分量は依頼通りかなどをチェックする)
  • 校正(誤字脱字はないか、事実と異なる点はないか、などをチェックする。他の原稿とのバランスを考慮しながら進める)
  • 執筆者に校正原稿を郵送(赤字で校正した部分を執筆者に確認していただく)
  • ページ決め(何ページ目にどの原稿、内容を配置するか決める)
  • 印刷データチェック(印刷データをチェックし、データに問題点はないか、きちんと画像が挿入されているかをチェックする)
  • 印刷依頼(印刷会社に印刷の依頼をする)
  • 印刷物のチェック(しばらくすると仮の印刷物が仕上がってくるので、インクの乗りや写真の見え方などをチェックする)
  • 製本受け取り、書籍完成(印刷物のチェックが終わったら、印刷→製本へと工程を進める。しばらくすると製本されたものが届くので、きちんとのり付けされているか、乱丁落丁がないかをチェックする)
  • ホームページの更新依頼など(書籍が完成したら、自社のホームページに載せる書籍の情報を、ホームページ担当者に伝える)

そのほか、学会でのニーズ調査、読者との面談、書籍に関連するイベントの参加などがありました。

給料・年収

役職がなければ650万前後です。

編集者の仕事のやりがい

何よりも、自分の頑張りがそのまま「本」という具体物となって目に見える形で残ることだと思います。

とくに、企画から編集制作まで自分1人で手がけた書籍は、いわば「我が子」のような存在で、1冊1冊に思い出と愛着が残ります。

さらにその本の売れ行きが好調だと、それがそのまま自分の自信につながる気がします。

また、元々細かい文字を見る作業が好きで、誤字脱字を見つけるのが得意だったので、編集の要である「校正」という作業自体がとても好きでした。

さらに働いていた会社では、1人で1冊の書籍を担当するスタイルだったので、他の人に左右されずに、ある程度自分のペースで仕事を進めることができました。

マイペースに細かい作業に黙々と取り組める人、静かな落ち着いた雰囲気が好きな人にはおすすめの職業だと感じます。

また、学会や取材を通じて、テレビや書籍で有名な先生や、テレビドラマのロケ地などで有名な病院に足を運べるのも、密かに嬉しかったです。

編集者の仕事で辛いこと

先ほどの内容に類することですが、手がけた書籍の売り上げが今ひとつのときは、やはり辛いものがあります。

売れ行きには、ライバル書籍の存在や、出版時期、宣伝方法などさまざまな要素が影響しており、「内容が良くないから売れない」とはけして言い切れないのですが、やはり悔しい気持ちや後悔が残る書籍もあります。

また、出版社と聞くと、終電間際まで仕事が終わらない、というイメージがありますが、私の働いていた会社では、そのようなことは基本的にありませんでした。

ただ、入稿間際などの忙しい時期には、夜遅くまで勤務することもあったように思います。

さらに、普段の編集作業は座り仕事で、体力がそれほどないのですが、学会などに出向いたときには長時間立ちっぱなしになることも少なくありません。(正規の学会参加者ではなく、プレスとして参加させていただくので、座席などに座ることも憚られるときがあります)

学会見学や取材の際に、慣れない立ち仕事をするのが地味に大変でした。

編集者へ向いている人の特徴3つ

向いてる人の特徴
  1. 細かい作業が好きで、黙々と取り組める
  2. 機転がきき、様々なアイディアをだすことができる
  3. コミュニケーションを円滑にとることができる

①細かい作業が好きで、黙々と取り組める

学会見学や取材など、外に出る仕事もありますが、編集者のメインの仕事は原稿チェックや校正などの記事作りである場合が多いです。

座り仕事が中心で、細かい文字や写真を見ることも多いので、細かい作業に黙々と取り組める人が向いていると思います。

1日中椅子に座って、ひたすら文字を読んでいたり、写真の細かい汚れや変化などをチェックしていることもあります。

また、会社の方針などにもよると思いますが、私の場合は手書きで細かい文字を書くことも多くありました。

手書き文字を書くことが苦でない人、細かい文字が書ける人、字がきれいな人にもおすすめです。

ただ、一口に編集者といっても、書籍の企画が得意な人、誤字脱字のチェックや文章を整えるのが得意な人、斬新なアイディアを出すのが得意な人など、様々なタイプがいます。

細かい作業があまり得意でなくても、その人その人の強みを生かせば、よい書籍作りが出来ると思います。

②機転がきき、様々なアイディアをだすことができる

上述の通り、校正作業も大切ですが、書籍のキャッチコピーやタイトルを考えたり、手に取ってもらえそうなアイディアを思いついたりするのも、重要な力の1つです。

とくに書籍のタイトルは重要で、読者の興味を引きそうな一言を考えるのはとても骨の折れる作業だと感じます。

語彙が豊富な人、様々な角度から考え、場面や状況に合った言葉(タイトル)を提案出来る人は向いていると思います。

よいタイトルやキャッチコピーを提案するには、普段からの地道な情報収集も必要ですが、アイディアをぱっとひらめく力も大切だと思います。

また、書籍作りにおいて、想定通りに事が進まないというのはよくあることです。

執筆者の筆の進みが遅く、原稿がなかなか届かない、メールの返信が来ない、そのほか印刷会社の都合など。

経験も必要ですが、機転をきかせて締め切りまでに間に合わせるにはどうすればよいのか、臨機応変に対応する力も求められます。

③コミュニケーションを円滑にとることができる

編集作業は孤独な作業と思われがちですが、1冊の書籍には、執筆者や監修者、印刷会社、製本会社、製紙会社、そして読者など、様々な人がかかわっています。

様々な人とのかかわりのなかで書籍を作る訳ですから、円滑なコミュニケーションが求められるのは言うまでもありません。

とくに執筆者や監修者とのコミュニケーションは、編集スケジュールを大きく左右するので、慎重に進めていく必要があります。

執筆者や監修者の性格やクセを把握し、タイミングや頻度を考えて連絡をとっていました。

また、私の働いていた会社では、電話や対面でやりとりすることは少なく、コミュニケーションの手段はメールがメインでした。

社会人としては当たり前のことかもしれませんが、相手に失礼や誤解を与えることがないよう、メールでの言葉選びにはとくに気を配りました。

編集者へ向いていない人の特徴3つ

向いてない人の特徴
  1. 細かくて地道な作業が好きでない
  2. 本にあまり興味がない
  3. 配偶者が転勤族

①細かくて地道な作業が好きでない

前述の通り、業界のニーズを調査したり取材に出向いたりなど、外に出る仕事も少なくないですが、室内で椅子に座って黙々と作業をする時間が圧倒的に多いように思います。

編集者の職業病で、腰痛が多いのもこのせいかもしれません。

1万字を超える原稿の文字をひたすら追ったり、写真や画像を細部まで見比べたりなど、とにかく細かくて地道な作業が多い印象です。

文字がびっしり入った原稿とにらめっこして1日が終わる、という日もけして少なくありません。

編集の仕事と聞くと、地道で細かい作業をイメージされる方が多いので、入社後にギャップを感じることは少ないと思いますが、細かい作業が苦手な方にはあまりおすすめできない仕事といえるでしょう。

長時間椅子に座っていることが苦にならない人、もともと静かに読書するのが好きな人にはおすすめです。

②本にあまり興味がない

編集する書籍のジャンルにもよるかもしれませんが、「本が好きなこと」や「編集する書籍のジャンルに興味を持っていること」はやはり重要です。

私の働いていた会社に限った話かもしれませんが、理系卒ながらも文学作品好きが多くいました。

もちろん文学作品好きでなくともよいのですが、「本が好きなこと」「読書習慣があること」は、入社面接時にも重視されていたようです。

「最近読んだ本は何ですか?その本を読んだ感想を教えてください」というのは、出版社の入社面接において定番の質問でした。(新卒時に出版社を数社受けましたが、ほぼ100%この質問があったように記憶しています)

また、編集を担当する書籍のジャンルに興味があることや、そのジャンルに畏敬の念があることも(必須ではないと思いますが)求められます。

どの職業においてもいえることだと思いますが、全く興味のないジャンルの仕事は、モチベーションを保つのが難しいでしょう。

③配偶者が転勤族

最後に、意外だと思われるかもしれませんが、配偶者などの家族が転勤族である場合、編集者として長く仕事を続けるのは難しいかもしれません。

というのは、多くの出版社は東京もしくは大阪近辺に集中しており、地方には出版社はあまり存在しないからです。(書籍のジャンルにもよるかもしれませんが、少なくとも大手出版社や医学系出版社は東京近辺に集中している傾向があるように思います)

配偶者が転勤族で、さらに単身赴任ではなく転勤について行くという選択をする場合、地方の引っ越し先で新たな編集職を見つけるのは、難儀といえるでしょう。

ただし、現在はクラウドワークスなどで、リモートの仕事を見つけることもできるので、働き方を選ばなければ、地方在住でも編集者の仕事は可能といえると思います。

その点、東京近郊にお住まいの場合は、編集者として働きやすい環境にあるといえます。

編集者へ就職する方法

私の会社は、「理系大学院(修士・博士)」卒が応募の条件でした。

他の会社では「大学卒」で応募できる場合も多いようです。

マイナビやリクナビを使用しました。

資格は必要ありませんが、編集する本の内容に則した国家資格を有していると少し有利に働く場合もあるようです。

自分の仕事が1冊の本という「形」になる達成感は、何者にも代えがたいです。執筆者とのやりとりや、締め切りなど、大変だと感じる点もありますが、それ以上にやりがいと喜びが感じられる仕事です。

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