「電気工事士」の仕事内容を皆さんはご存知でしょうか?
「電気工事士」という職業について、テレビや雑誌・ビジネスシーンなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「電気工事士」の仕事内容や仕事のやりがい・つらいこと・向いてる人の特徴・なりかたなどを知っていないと転職活動ができません。
今回は、現役で「電気工事士」として活躍されている方に、インタビューのうえ、実体験を踏まえて根掘り葉掘り聞いてみましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。
電気工事士の仕事内容と給料
仕事内容
電気工事士といっても細かくわけると実際はたくさん種類があります。
通称はこものと呼ばれる住宅やマンションなどの内線工事の内容は基礎の段階でまず仕込み作業と呼ばれる作業をします。
大まかに説明するとコンクリートを打設する前に電線の管路作りやコンセントやスイッチのためのボックスをつけます。
それが終わり床や壁が出来てきたら配線工事になります。
仕込み作業でとりつけたボックスや照明器具などを設置する場所に指定された電線を引っ張ります。
その後壁や床が仕上がってきたらコンセントやスイッチ、照明器具の取り付けをして電気的に繋ぎます。
はこものはざっくりですがこのような流れになります。
また外線工事では電柱からの引き込み作業になります。
日頃電柱の近くに高所作業車と呼ばれる車の上にアームが付いていてその先に箱が付いている車が止まっているのを見るかと思います。
あれが主に外線工事といって電柱周辺に関する電気工事をしています。
電柱から家などへ電気を供給したり電柱間のバイパス工事であったり、停電時の復旧作業などをしています。
また流行り物では太陽光も電気工事の1つです。
太陽光パネル1枚1枚からパワーコンディショナーと呼ばれる機械まで電線を配線・接続し、パワーコンディショナーからキュービクルと呼ばれる箱まで幹線と呼ばれる太い電線を配線・接続します。
給料・収入
年収400万~500万です。
会社により資格手当等で変動するかと思います。
また資格のグレードによっても変動が大きいかと思われます。
独立するとさらに上がります。
電気工事士の仕事のやりがい
建築業すべてに言えることだと思いますが、成果が目に見えてわかること、形として残ること、生活に必要であり欠かせないものを作り出すことだと思います。
自分が毎日仕事をして何が残るのか、どんな影響を世間に与えているのかを考えたときこれほど明確に現れるのは建築業だと思います。
例えば自分が某店舗の照明をLEDに交換するという電気工事をしたとします。
工事が完了したときにLED化したわけですから目に見えて店舗内の明るさ、雰囲気が変わります。
また店舗側の電気料金も安くなります。
そしてプライベートで店舗を訪れた際には、家族または友人にここの照明は自分が工事したんだよと話すことも出来ます。
照明工事だけではなく全ての工事で同じ事が言えると思います。
自分の頑張りが目に見えて分かることは仕事への意欲に繋がることだと思います。
電気とは生活していく上でなくてはならない物であるため全ての人は電気工事なくては生活が出来ません。
電気工事士は全ての人のために仕事をする仕事であるということが大きなやりがいだと思っています。
電気工事士の仕事で辛いこと
電気を扱う仕事ですので感電の危険性はすごくあります。
活線作業という電気が生きている状態での作業は基本的に禁止なのですが場合によってはどうしても活線のままで作業しなければならないことも出てきます。
そのため死のリスクが高い仕事ではあります。
また高所作業もありますので転落等の危険もある職業であることは理解しておかないといけません。
また工期というものが存在しこの日までに終わらせないといけない状況がでてきます。
そのような場合、仕事が終わるまで帰れません。
ほかの職業でも残業などありますので同じですが辛いことの1つです。
会社によって様々ですが地域密着型の電気会社でなければ県外に出張はよくあります。
遠い県に出張に行けば現場次第ですが1~2ヶ月、またはもっと長期にわたり家族と会えない日々が続くこともあります。
仕事内容によって異なりますが太い電線を配線する場合は意外と力作業になったり、屋外での工事で時期が夏だとすごく暑い中での仕事になります。
また冬だとすごく寒い中での仕事になるため体力勝負な面もあります。
電気工事士へ向いている人の特徴3つ
- ものづくりが好きな人
- お金を稼ぎたい、独立したい人
- 仕事の成果が明確にほしい人
①ものづくりが好きな人
電気工事は必ずものを作る仕事です。
他の業種と共同ですが家を作るにもマンションにも工場にも電気は必要ですのでものづくりが好きだと意欲がわいてくると思います。
規模が大きいと完成までに時間がかかるのであまりピンとこない場合もあると思います。
そのようなときは盤結線のほうがしっくりくるかとおもいます。
盤結線とは電気が集まる大元の盤がありこれを集電箱というのですが電柱からくる大元の電線とそこから各部屋などへ分配していくためのブレーカーが収まっている箱になります。
建物の規模にもよりますがこの箱に集まってくる大量の電線を基本的には1人で全て繋ぎます。
数時間で終わるものから翌日も継続しての作業になることもありますがこの作業は他の人に関与されない自分だけの作品となります。
結線の仕方やきれいさなど電気屋としての腕の見せ所となる作業ですのでものづくりが好きなこだわりの出し所です。
②お金を稼ぎたい、独立したい人
電気会社に勤めていると400万~500万が平均ですが資格等で会社によっては大きく変動します。
仕事内容が危険を伴うとこもあり単価が高いことが多いのが電気工事です。
資格も作業向けのものから現場管理のものがあり管理の資格のほうが難しとれればとれれば年収は確実に上がります。
また建築業は自分で独立したい人が多い業種の1つだと思いますが電気工事士は比較的独立が簡単な部類だと思います。
なぜかというと第2種電気工事士の資格さえあれば形としては電気工事会社を作ることが出来ます。
第2種電気工事士は比較的簡単な資格ですし、会社に努めて1年目である程度の基礎知識や仕事のやり方は覚えれますので実際に数年で独立してしまう人はざらにいます。
独立すると1日の単価が2万×25日働くとして月に50万入ってくることになります。
実際にはそこに交通費などが出てきますが基本的に交通費などももらえるため仕事さえあれば独立してすぐから月50万程度は稼げます。
③仕事の成果が明確にほしい人
建築業すべてに言えることだと思いますが、成果が目に見えてわかること、形として残ること、生活に必要であり欠かせないものを作り出すことが電気工事士です。
1つ1つの現場で区切りがあり工期に沿って1つ1つが終わっていきます。
そのため1つの現場が終わるごとに完了した成果が目に見えてわかり、やりきった達成感が得られます。
同じ現場なんて1つもありませんので毎回が新鮮でマンネリ化することなく都度やりがいがある現場となっていきます。
簡単な内容の現場もあれば苦労する現場もありますが、自分の頑張りも失敗も全て形に残っていき成果となることで次への意欲ややりがいに繋げていくことができる仕事です。
また会社に入ってしばらくすると現場の仕切りを任されていくかと思いますがそうなればより自分がこの建物などを作った実感に変わっていくことと思います。
電気工事士へ向いていない人の特徴3つ
- 体力、根気のない人(肉体労働が嫌いな人)
- 人とのコミュニケーション能力が乏しい
- なんでも教えてもらえると思っている人
①体力、根気のない人(肉体労働が嫌いな人)
建築業の1つですのでやはり体力は必要となってきます。
屋内作業もありますが屋外作業も結構多いので夏場は暑い外での作業になりますし、冬場は寒い中での作業になります。
また作業内容も場合によっては重たい物を運ぶ、引っ張るや基本的に座っての作業ではないので1日中立ちっぱなしになります。
体力がなくてもそのうちついてくることも考えれますがその場合根気がないとやっていけません。
また怪我もつきものです。
擦り傷や切り傷なんてよくつきますし電気には感電、高所作業では転落するのリスクもあります。
多少の擦り傷や切り傷をかまっていたら仕事になりません。
大怪我は別ですが実際に多少ならビニルテープなどを巻いて作業は継続して行うのが普通です。
危険は出来る限り排除した上での作業ですが、そういったことを気にされる方には向いてません。
②人とのコミュニケーション能力が乏しい
電気工事は基本的に他の業者さん達と一緒に現場で作業することになります。
1つ1つの業種が別に作業していく訳ではなく、皆で1つの作品をつくりあげていきます。
その為他の業者さんとコミュニケーションをとり、協力していくことが大事でこれが出来ないとスムーズに仕事が進まなかったり嫌がらせ的なことをされたり最悪の場合、その現場から抜けなければいけなくなります。
つまり仕事がなくなる可能性があるということです。
ただコミュニケーション能力といっても他の業者さんと親密になれと言っているわけではありません。
自分よがりに仕事をせず、社会人として当たり前な程度のあいさつや相手のことを考えながら会話ができれば十分です。
他人だからといってどうでもいいと思うのではなく同じ現場のみんなで仕事をしている気持ちで接すれば問題はありません。
ですのでよく人ともめることが多い人は向かないかと思います。
③なんでも教えてもらえると思っている人
表現が難しいですがなにも分からない状況で会社に入って先輩から教えてもらうときになんでも1~10まで教えてもらえると思っていると痛い目を見るということです。
電気工事は基本的な事はあるにしろ同じような現場はあっても全く同じ現場はありません。
建築業界は年配の方になるにつれ昔の風潮が強く、仕事は教えてもらうものではない見て盗めという考え方なのでたくさん叱られるのは当たり前な業界です。
会社によっては穏やかなとこもあるでしょうが基本的にはマニュアルなんてものはないし自分で調べて先輩の動き見て覚えていくしかないので最初のうちは修行になる為我慢できない人は向いていないかと思います。
実際に僕の修行時代は師匠にスパナでヘルメット越しに毎日叩かれていました。
ですのであまり人に頼らすまずは自分で調べてみる、どうしても分からないときだけ聞くような習慣が必要かと思います。
電気工事士になるには?
電気工事士で調べると求人はたくさんでてくるので条件に見合う所を見つけるのがいいかと思います。
資格としては第2種電気工事士・第1種電気工事士あたりは現場作業で必要になってきます。
どちらも国家資格ですが第2種の方は過去問を5年分ほど暗記でもいいので解けるようになれれば受かる程度の難易度です。
その後経験を積めば第1種も比較的簡単にとることができます。
独立を視野に入れている人の方が頑張れると思います。
やはり一人前になって独立してお金を稼ぐことがしやすい職業ですのでもし考えてなかったとしても考えてみるといいかなと思います。
ただ独立が全てではないですので会社員としても資格などでうまく交渉すれば他の職業より給料はもらえると思いますので頑張ってください。