「品質管理」の仕事内容を皆さんはご存知でしょうか?
「品質管理」という職業について、テレビや雑誌・ビジネスシーンなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「品質管理」の仕事内容や仕事のやりがい・つらいこと・向いてる人の特徴・なりかたなどを知っていないと転職活動ができません。
今回は、現役で「品質管理」として活躍されている方に、インタビューのうえ、実体験を踏まえて根掘り葉掘り聞いてみましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。
品質管理の仕事内容と給料
仕事内容
品質管理と一口に言っても、様々な職業があります。
品質管理と言いながら工場内で走り回っているような職場もありますし、一日中デスクで試験薬などを開発している会社もあります。
我が社では基本的に一日中立ちっぱなしで仕事をする職員が、品質管理に配属されています。
まず工場内で朝の朝礼が終わると各自所定のラインにつきます。
そして品質管理シートに今日やる製品の種類や商品コードなどを記入していきます。
ここで間違いがあると商品を出荷した時などに店舗や企業で問題が起きるので、かなり神経質になります。
商品の生産がスタートしてからも、所定の個数が出来上がるごとに、品質のチェックをしなければいけません。
傷はないか、もし傷があるならokの出る範囲内なのかどうかを検品していきます。
品質管理は配属されている部署の最も偉い人が、現場監督といった立ち位置で指示を出すことが多いです。
我が社でも現場監督の指示は絶対で、品質の向上と安定に努めています。
給料や年収
年収は200~500万円です。
経験や役職によって、上下します。
品質管理の仕事のやりがい
職業のやりがいは人それぞれですが、品質管理は細かい作業に喜びを覚えるような人に向いています。
コツコツと製作していく中で、どのような製品が出来上がっていくのかを楽しめるような人が向いています。
毎日同じ作業になることが多いのですが、そんな状況も楽しめる忍耐力のある人になれるのがやりがいですね。
私も入社した頃は何をやっても飽き性で続かなかったのですが、今ではこの仕事のおかげで集中力と継続力が養われました。
知らないうちに自分の忍耐力がスキルアップしているのがやりがいです。
また、安定した職種なので自分の精神も安定しますし、あまりリストラなどもないです。
そのため一つの会社で働き続けることができますし、同じ顔ぶれの職員たちとずっと共に働けるのが嬉しいです。
やはり仕事はいつも違うよりも同じことを極めていく方が楽しいと思います。
極めることイコール、職人でもあります。
そのため職人堅気な品質管理は、日本人向きの職業だと言えるでしょう。
品質管理の仕事で辛いこと
毎日毎日同じ製品を見ることが辛いです。
安定して同じ作業や仕事をするのは楽しいですし、正直楽です。
何も考えないで仕事ができますし、我が社では私も含め趣味のことなどを考えながら仕事をしている職員もいます。
しかし時に同じ作業の繰り返しは苦痛を伴います。
来る日も来る日も、同じ製品が同じ箱に入って同じラインを流れてきます。
違うのはその日のジャンコードや製品管理番号くらいです。
同じことの繰り返しなので、相当な精神力がないと続きません。
また、同じことの繰り返しでありながらハードな肉体労働が多いのも大変なところです。
基本的に品質管理は工場関係の会社の部署なので、肉体労働は切っても切り離せません。
体を使うとヘトヘトになりますし、次の日の仕事にも差し支えます。
我が社ではクーラーがない部署もあるので、そういった場所に配属された場合、日本の四季を乗り切る覚悟が必要になります。
うだるような暑さの中品質管理をするのは非常に辛いからです。
品質管理へ向いている人の特徴3つ
- 忍耐力があり、体力もある若い人
- 自分のスキルをさらに伸ばしたい人
- 職人気質な世界に憧れている人
①忍耐力があり、体力もある若い人
忍耐力がなければ品質管理は務まりません。
我が社では忍耐力のない社員は数年以内にみんな辞めていってしまうからです。
工場内での仕事は同じことの繰り返しと、劣悪な環境でのハードワークの連続です。
我こそは強い精神を持っているぞ、というような屈強な若者でないと務まらないでしょう。
また、同じことの繰り返しの職種のため、暇なのでイジメなども起きやすいです。
我が社ではお局様からのいじめがひどく、真面目に仕事をしていてもいびられます。
理由は毎日同じことの繰り返しでいじめでもしてないと仕事が飽きるとのことでした。
あまりにもくだらない理由ですが、これがリアルでありあなたの忍耐力の強さが求められます。
精神を鍛えるという点ではある意味大きなアドバンテージなので、品質管理で勤め上げて鋼の精神と肉体を手に入れるというのもありだと思います。
②自分のスキルをさらに伸ばしたい人
品質管理では様々な資格が必要になります。
フォークリフトの資格や品質管理の資格、製品搬入時に使うロープの結び方からほどきかたまで、様々なスキルが求められます。
工場内で仕事をしていると、驚くほど様々なスキルが勝手に身についているものです。
私などは工場内で品質管理をしているうちにラップという製品をフィルミングするための製品の扱いがプロ級になりました。
今ではどこの部署に手伝いに行ってもそのラップの巻きスピードに驚かれます。
製品は基本的に全てダンボールに入れて、出荷用にパレットというものに載せなければいけません。
パレットとは木やプラスチックでできた製品を運ぶための土台です。
そしてパレットの上で製品が、ぐらつかないように止める役割をするのがラップと呼ばれるサランラップの大きなもののような製品です。
このようにスキルアップが如実にするのが嬉しいです。
③職人気質な世界に憧れている人
この職業は自分の経験が活かせる職業です。
どれだ大変でも、どれだけ製品のことを覚えたかがトップに上がれるかどうかの分かれ道になります。
逆に言えば自社で生産している製品のことを知れば知るほど、スキルアップになりますし出世街道を邁進できるということです。
私は企業で生産している製品を家でも使っています。
理由はその製品のことをもっと比較知りたいからです。
製品によってはダメなところが見つかることもありますし、さらに良いメリットが閃くこともあります。
そういった結果を会社に持ち帰り上司や朝礼などで発表すればかなりの高得点が稼げます。
どれだけ点数を稼いだかが、社会での生き抜く指標になります。
上に行けば行くほど仕事は楽になり、下の社員はずっと大変なままです。
とにかく上に上がることを第一に考えるのが品質管理の重要なポイントです。
品質管理へ向いていない人の特徴3つ
- 忍耐力のない人
- 劣悪な環境に弱い人
- 体力に自信のない人
①忍耐力のない人
まずこの職業では忍耐力がなければ生きてはいけません。
毎日の作業の中で楽しいことよりも辛いことの方が多いはずです。
私にとって品質管理の仕事で楽しい時間は同僚とお喋りをしながら製品を運んだり、箱詰めしたりする時間です。
同僚とのお喋りは仕事が円滑になりますし、コミュニケーションをとることでストレスも発散できます。
しかしいつでも喋っていていいわけではありません。
配属された部署によっては一日中誰とも喋らない時もあります。
一日中立ちっぱなしの時もあります。
私がよく配属される現場は、一日中立ちっぱなしプラス走りっぱなしという過酷な現場です。
みんな笑顔で走り回っていますが、内心ヘトヘトです。
これを週5続けるには余程の精神力がなければ無理でしょう。
仕事としてやりがいはありますが、体はボロボロになるのがデメリットです。
②劣悪な環境に弱い人
どこの品質管理も同じではありませんが、我が社のような小さい零細企業の品質管理は、働く職場そのものが劣悪な環境です。
そもそも人が働く場所でないことも多いです。
具体的にいうと屋外のただの駐車場であったり、工場内の倉庫の片隅だったりします。
基本的に製品を管理して保管しておく場所で品質管理の作業は行われるので、オフィスのような場所とは違います。
そのため、クーラーがついていないなんていうのは当たり前で、現場によっては真夏に太陽がさんさんと照りつける中作業することもあります。
私が最近よく手伝いに行く部署は、クーラーもなく水飲み休憩もありません。
過酷な環境でマスクをして手袋をはめて、長袖の作業着を着ることになります。
こういった環境で仕事ができないという人は、ご自分の体のためにも品質管理はやめておいた方がいいと思います。
③体力に自信のない人
女性も我が社では多く働いていますが、そのほとんどが屈強な女性ばかりです。
男の人とタメを張るようながたいの良い方であったり、精神力が強くスポーツなどをやっていた方だったりします。
女性たちでさえ、配属される部署によっては品質管理をしながら、軽作業をさせられるのですからたまったものではありません。
男性もひ弱そうな今風の男性はすぐに辞めていってしまいます。
なぜなら体力が持たないからです。
品質管理と言っても田舎などの工場に就職すれば毎日ハードな肉体労働が待っています。
私も最初は軽作業があるくらいで、デスクワークだと言われていたのですが、配属から3週間ほどで悲願の現場入りを果たしました。
品質管理の作業よりも、肉体労働の方が多いと言った感じです。
このように自分の体力に自信がない人は、よく就職する企業を選別した方が良いでしょう。
品質管理へ転職する方法
転職サイトだけでなく、新聞やフリーペーパーなどの求人からも品質管理の仕事は探せます。
しかし、転職エージェント等で取り扱っている非公開求人の方が、給料が良い印象があります。
頑張って私と同じレベルまで忍耐力をアップしてください。
嫌な仕事でも、必ず得るものは有あります。
一緒に品質管理を盛り上げていきましょう。