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和菓子職人はつらい?なるには?向いてる人の特徴3つ

和菓子職人に向いてる人

「和菓子職人」の仕事内容を皆さんはご存知でしょうか?

「和菓子職人」という職業について、テレビや雑誌・ビジネスシーンなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。

「和菓子職人」の仕事内容や仕事のやりがい・つらいこと・向いてる人の特徴・なりかたなどを知っていないと転職活動ができません。

今回は、現役で「和菓子職人」として16年活躍されている方に、インタビューのうえ、実体験を踏まえて根掘り葉掘り聞いてみましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。

和菓子職人の仕事内容と給料

仕事内容

餡子を作る作業は朝早くから出勤するのでは?
と思われるかもしれませんが、名の知れた和菓子店なら餡子は機械である程度まで作ってくれます。

なので私のお店では毎日、朝の8時出勤となってます。

逆に小さいお店では、そのほとんどが手作業となる為、朝の3時半から出勤する可能性があります。

「自分は小豆を1から作れるようになりたい!」
という人は、個人の和菓子屋がお勧めです。

しかしながら朝3時半から仕事が始まるのは、かなりの覚悟がないと続けるのは難しいかと思います。

朝早いだけでなく、その後、30㎏の砂糖を担いで運ぶのも当たり前です。

砂糖と混ぜ合わせた餡を火にかけるのですが、ヤケドも必ず経験します。

また、和菓子は製造に時間がかかる商品が多いですが、冷凍可能な商品も多いので休憩時間や昼ご飯の時間はしっかりとれるお店が多いと思います。

就労の時間配分も計算しやすいので、残業もほとんどなく定時(17時)に帰宅する事も可能です。

給料や年収

年収300~400万円程度です。

16年勤務している私で、年収550万円前後です。

和菓子職人の仕事のやりがい

お客様からの「おいしい」の一言がやりがいです。

と、言いたい所ですが、実際職人がお客様の声を聞く事はほとんどありません。

和菓子職人を続けている人のほとんどは、他人と技術を競い合ったり自己成長にやりがいを感じている人が多いです。

私自身も、師匠達から技術をコピーする事にやりがいを感じていましたし、師匠達もそういった姿を認める事で喜びを感じている人が多かった印象です。

職人たちに認められる事が出来れば工芸菓子などの、より専門的な技術を必要とする仕事もまわってくる可能性があります。

毎日、どうしたら早く、綺麗に、正確にこなすことが出来るか。

そういった事をいつも考えるのが楽しいと考える人には適しているかと思います。

また、腕前を上げると同時に、次にどんな仕事をするべきか、何をしたら皆が仕事がやりやすくなるのか
などを考え、実践し、実際に皆に感謝をしてもらえる事にもやりがいを感じる事が出来ます。

長くなりましたが結論としては、自己成長をする事がやりがいかと思っています。

和菓子職人の仕事で辛いこと

和菓子職人の辛い事は、まずは新人の時です。

正直、人として扱われないと思っていた方がよいかと思います。

それは何故かというと、職人の人たちは仕事が出来ないことが当たり前だと思ってくれません。

なので、1度言ったことを覚えていないとすごく怒ります。

私はノートにメモなど取って、必死で覚えようとしましたが、餡子の固さを覚えるまでに3年かかりました。

それまでは人前で怒鳴られ、パワハラに近い発言を受け、泣いていた日が一週間に2日くらい続いてました。

ちなみに私が5年、勤めている間にそれまでに入社した新人は全員辞めていきました。

10人はいたかと思います。

当然、上下関係も厳しくプライベートの時間も私にはありあませんでした。

飲み会などは当然送り迎えをしますし、断ると不機嫌になり仕事を教えてくれなかったりなんて事も。

もちろん、このつらかった経験はどこの和菓子店もそうだという事では決してありません。

ただし、こういった職人気質の仕事は、大なり小なりこういった事があるという事だけは覚悟した方がよいかと思います。

和菓子職人へ向いている人の特徴3つ

向いてる人の特徴3つ
  1. その時々の季節で綺麗なものを作るのが好きな人
  2. 負けず嫌いな人
  3. 将来、開業してみたい人

①その時々の季節で綺麗なものを作るのが好きな人

和菓子は季節によって商品が変わります。

特に生菓子と呼ばれる商品は、その季節によってさまざまな顔を見せてくれます。

これは西洋菓子には無いもので、一つ一つにかなりの時間がかかり、実はかなりの個性が出ます。

もちろん、先輩の作った見本に忠実に制作するのもいいですが、「自分はこうした方がきれいに見える」
などの感性を大事にして作り上げた生菓子はとても充実した一品になる事でしょう。

もちろん、そういった心のこもった生菓子は購入者にもつたわりますし、ただ淡々と作業する人よりも確実に喜びを感じる事が出来るかと思います。

そういった意味でも、感受性の豊かな人にとってはおススメの職業かと思います。

また、そういった人は教える側から見ても分かりますし、やはり将来的にも伸びしろがあり、周りからも期待されるような職人になるのではないかと思います。

②負けず嫌いな人

負けず嫌いな人は和菓子職人もそうですが、職人全般に向きます。

和菓子職人は割と気性の荒い人が多いので、その中で馬鹿にされて伸びる人は一目置かれます。

根性があるとも言いますが、恐らく昔の和菓子職人の人たちはそうやって育てられてきたので、どうしても気性が荒くなるのかと思います。

過去の自分たちと被る部分もあり、負けず嫌いな人は初めこそ、馬鹿にされるかもしれませんが、それを乗り越えた後は可愛がってもらえる事でしょう。

それまでは仕事に全力を注ぐことになりますが、負けず嫌いな人は何よりも負ける事が嫌なので仕事に集中する事が出来ます。

それにより、気付いたら上位の職人たちの仲間入りをしていた、といったパターンが多いのではないかと思います。

職人は10年もかける必要もないなんていわれたりもしていますが、実際に極めようと思うと10年では足りないかもしれません。

それゆえに、それなりのガッツが必要というわけですね。

③将来、開業してみたい人

将来、開業してみたい人にはお勧めの職業かと思います。

和菓子職人を続けていると、「このお菓子、こうしたらもっと良くなるのに」とか「こういった商品を作れば売れると思うのに」
なんて思う事が結構あります。

私はそれに気づくのが遅く、開業までこぎつける事は出来なそうですが、初めから開業を意識していれば、例えば「仕入れ先とのパイプ」「原価の計算」「包装の仕方」などを簡単に学ぶことが出来ます。

また、洋菓子は売れ残ると廃棄する事がほとんどですが、和菓子の場合はその特性上、賞味期限内ならば次に作るお菓子に一定割合で入れる事が可能です。

なので、食品ロスが少なくて済むのです。

つまり、洋菓子に比べて経営をするという観点では和菓子はかなりのアドバンテージがあると思って良いかと思います。

また、これから高齢化が進んでいくと洋菓子よりも和菓子という客層も増えてくるかと思います。

そういった将来性についても、和菓子は洋菓子よりも一歩リードしているかなという印象です。

和菓子職人へ向いていない人の特徴3つ

向いてない人の特徴3つ
  1. 挨拶が出来ない、敬語が使えない人
  2. 仕事だと割り切りたい人
  3. 瞬間的な判断力に自信のない人

①挨拶が出来ない、敬語が使えない人

和菓子職人はかなり礼儀を重んじる人が多いです。

挨拶、敬語はどこの職場も当たり前かもしれませんが、和菓子職人は必須と言えるかもしれません。

経験を積んだ職人だったとしても、ほかの和菓子店ではほとんど右も左もわかりません。

それはそれぞれのお店によって作り方も違うし、餡子の固さも全く違うからです。

熟練した職人ですらそのように感じるのに、挨拶、敬語が使えない新人は完全にノーガードで一方的にやられるしかありません。

つまりなにも出来ないまま終わるのです。

先輩に怒られるという事は、まだ覚える可能性があるという事です。

しかし、何も話してくれない、何も教えてくれない人たちから何かを学んで成長していくのはいばらの道としか言いようがありません。

なので、そういった基本的な敬語や挨拶がしたくない、または出来ない人には向かない職業かとおもいます。

②仕事だと割り切りたい人

挨拶や敬語が大切な事は説明しましたが、それだけでは上手くいきません。

和菓子職人はいい意味でも悪い意味でも「和」を大切にします。

それは業務時間外でも同じことだと思ってもらった方がいいです。

いまの時代は、「定時で帰ろう」「仕事だと割り切ろう」といった考えが多くなってきています。

実際に私もそう思いますし、新人の頃からずっとそれは思っていました。

しかし、和菓子職人は全体的に見てそれを良しとしてくれません。

和菓子は個人で作るイメージがありますが、実際はチームで動いている場合が多いです。

その中で上手にやっていく為には、チームの為に仕事をする、という姿勢が大事です。

もちろん給料は発生しません。

なので、「給料が出ないなら飲み会も遊びも会社の人とは一切したくありません」
と、言ったような人は向かないと思いますし、実際私が見てきた人たちもそういった割り切った人たちは辞めていっています。

③瞬間的な判断力に自信のない人

和菓子職人も料理人もそうなのですが、瞬間的な判断力をかなり必要とされます。

次はどうするか、明日はどうするか、ならば今日はこれをしておかなければ。

そういった考えが出来ない、または苦手な人にはかなり辛いかと思います。

実際、私が今まで見てきた中でも、そういった「要領の悪い人」に対しては職人だけに限らず、パートの人達にも馬鹿にされたり、理不尽な事を言われたり、皆がやりたがらない仕事をおしつけられたりしているのを私はみてきました。

そういった人たちは、単純な仕事をどんどんおしつけられて、結局時間内に終わらせることが出来ず、それによってまた周りから馬鹿にされ、それでも働かなければ生きていけないから肩身が狭いまま、仕事を続けなければいけない。

そういった負のループになってしまうパターンが多いような気がします。

先天的な要因もあるかと思うので、当てはまる人にはお勧めしません。

和菓子職人になるには?

和菓子職人になる為には基本的には転職サイト・ハローワークで十分かと思います。

後継者不足もあり、名のある老舗店でも簡単な面接で就職可能なパターンが多いです。

どうしても就職したい和菓子店がある場合は直接交渉しても良いです。

やる気次第で雇ってもらえるかと思います。

ただしその場合は給料は低く見積もられる可能性があるので、直接将来開業する前提で勉強として割り切る必要があります。

和菓子職人では「頭の良さ」は必要ないかと思いますが、「瞬時の判断力の速さ」や「根性」が必要かと思います。

もちろん、和菓子屋もかなりありますので、自分に合った和菓子屋を探すのもいいかもしれませんね。

色々書いてしまいましたが、基本的には返事をはっきりと、挨拶もしっかり、前向きな態度でいれば周りの人からも可愛がられ、いい職人になれるのではないかと思います。

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