「IT業界の需要が伸びているらしいけど未経験からでもインフラエンジニアになれるのかな?」
「インフラエンジニアについてネットでみると、やめとけ、きつい、オワコンなどの情報が出てくるけど実際どうなの?」
このように需要の高さからインフラエンジニアを検討しているけど、実態がわからなくて不安な未経験の方は多いでしょう。
経済産業省の調べでは、2020年のIT業界の人材不足は36.9万人、2030年にはさらに悪化して78.9万人不足すると予測されているのです。
そこでこの記事では、そんな人手不足のなか、未経験者がインフラエンジニアになるのは本当にやめておいた方が良いのか、また、世間で囁かれている「きつい」「オワコン」などの実態、そしてインフラエンジニアになるメリットやデメリットなどをご紹介していきます。
未経験からのインフラエンジニアへの転職を検討されている方、インフラエンジニアの将来性が気になる方は参考にして下さい。
インフラエンジニアとは?
インフラエンジニアのインフラとは、「土台」「基盤」という意味で、これはITではサーバーやネットワークのことを指します。
つまり、インフラエンジニアとは、サーバー運用のスペシャリストのことを言うのです。
サーバーエンジニアは主に「ネットワークエンジニア」と「サーバーエンジニア」という2種類に分かれますが、企業でおこなう実務上両方ができないといけない場面が多く、結果としてどちらもできるという人が多いでしょう。
そして、それぞれは主に以下のような実務内容があります。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアの主な業務は、サーバーの選定・設計・構築・テストなどの運用業務全般となります。
サーバーに関する一連の流れをクライアントの要望に沿って問題なくこなしていくことが必要です。
また、業務の細かな内容も一例としてご紹介します。
・設計
設計では、クライアントの要望をもとに仕様書や設計書の作成、それと同時に必要な機能や要件なども記載します。
また、予算やスケジュールなども決まっていることがほとんどのため、見落とさないように注意が必要です。
・構築
構築は、仕様書に従いハードウェアをつなぎ、ミドルウェアの設定をおこなうという作業となります。
・運用
構築が終わったら運用をしてみます。
このときに正常に動いているかをしばらく確認し、問題がないかを判断しなければなりません。
もし問題があった場合は、早急に原因を特定して改善する必要があります。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアとは、コンピューターやサーバーの接続をし、データを送受信できる環境を作る仕事です。
また、ネットワークの設計図をかいてそれらをつなぐ仕事もあります。
そして、そのつないだ設計図に対するトラブルシューティング能力も必要です。
また、システムエンジニアには、上記以外にも「データベースエンジニア」「運用保守エンジニア」「クラウドエンジニア」などもあります。
インフラエンジニアはオワコン?
インフラエンジニアは、最近ではオワコンと言われることもありますが、実際のところは全くオワコンではないです。
インフラエンジニアがオワコンと言われているのには、以下のような理由があります。
- 資格やスキルがなくてもできる仕事である
- システムにトラブルがあった場合、インフラエンジニアよりも開発に直接携わっているプログラマーの方がスムーズに対応ができる
- 近年IT業界では、プログラマーが開発分野から保守支援までをする流れが主流となりつつある
以上のような理由から、インフラエンジニアがオワコンと言われていることが考えられますが、実際のところはどうでしょう。
以下に、オワコンではない理由をまとめます。
- インフラエンジニアの仕事は、ITの基盤となっているため
- 人手不足が悪化しているなか、専門分野のインフラエンジニアの需要だけが減ることはないため
- インフラエンジニアの仕事は日々増えていってるため
- クラウドの需要が伸びており、クラウドの知識のあるインフラエンジニアは重宝されるため
- スキルや資格があることにより、プログラマーとの兼任よりも圧倒的に創立の良い設計ができるため
インフラエンジニアは、他のIT業界の職種同様常に新しい技術やスキルを学んでいます。
人手不足が深刻化しているなか、このように進歩しているIT業界の職種から2つ以上を兼任することは難しいと言えるのではないでしょうか。
プログラマーはプログラマー、インフラエンジニアにはインフラエンジニアの仕事が将来的にも増え続けるでしょう。
インフラエンジニアが「きつい」「ついていけない」といわれる理由
インフラエンジニアは、きつい、ついていけない、とささやかれることも少なくありません。
では、どのような理由からきついなどと言われているのかを下記でご紹介します。
トラブルが突然起こる・急な残業が発生する
システムの異常などにより、突然のトラブルが起こったり、その場合は解決するまで対応をしなければなりません。
インフラエンジニアの仕事は、人々の生活の基盤の部分を担っているため、トラブルが起こったらすぐに対応する必要があります。
いつトラブルが起こるかもわからないため、急な対応や、大幅な残業が生まれることがあるのです。
常に学び続けないといけない
インフラエンジニアに限らず、IT業界は常に新しい技術が生まれ、必要なスキルや知識も増え続けていくでしょう。
そのため、会社での業務が終わったとしても、今後のことを考えて常に学び続ける姿勢が必要です。
インフラエンジニアや、IT業界の勉強が嫌いではない方はあまり苦にならないとは思いますが、新しいことを次々覚えるのが苦手・嫌いという方にはついていけないと感じることも多いでしょう。
インフラエンジニアは未経験からでも始められるのか
結論から言いますと、未経験からでもインフラエンジニアになることは十分に可能です。
では、なぜ可能なのか、その理由を下記でご紹介します。
IT業界全体が人手不足なため
IT業界全体として、現状でも36.9万人以上の人手不足となっているため、未経験からでも歓迎してくれる企業が増えています。
インフラエンジニアは比較的専門知識が最初からなくても取り組めるため
インフラエンジニアも、最低限の知識や、やっていく上で専門的なスキルや資格などは必要となりますが、入社して最初におこなう仕事はシステムの監視などが主なため、IT業界の入り口として最初に取り組みやすい仕事が多いです。
新しい技術の発展により、これからインフラエンジニアを始める人も同じところからスタートできるため
インフラエンジニアにとって、必要となるスキルの優先順位が、近年でかなり変わってきています。
今までのインフラエンジニアは、ソフトウェアの知識とハードウェアの知識をまずは深める必要がありましたが、近年ではクラウド化が進んでおり、物理的なサーバーを持たない企業も増えているのです。
そのため、今IT業界で働いている人もこれから働く人も、クラウドに関する知識は新たに学ばなければなりません。
クラウドの知識がみについているだけでも、インフラエンジニアとして今後は重宝されていくでしょう。
資格がないとインフラエンジニアは務まらないのか
資格がなくても、インフラエンジニアとして働くことはできます。
面接を受ける際の自分への自信や、働きはじめて後々給与やスキルのためにとったほうがいいオススメの資格はありますので、参考にしてみて下さい。
ITパスポート(国家資格)
ITパスポートは、誰でも受験することができ、試験日も自分で設定することができます。
また、この資格をもっていることにより情報処理技術者試験のエントリーレベルとして位置付けられるのです。
基本情報処理技術者(国家資格)
プログラミングやセキュリティ、データベースなど、ITエンジニアとして必要なことを幅広く学べます。
Linux技術者認定:LinuC(レベル1~3)
LinuCは、レベル1~3までありますが、まずはレベル1だけ取得できれば十分です。
この資格は、サーバー系の資格となり、取得することにより、特定非営利活動法人LPI-Japanが開発管理するLinux技術者として認定されます。
また、資格もあったほうが良いですが、それ以上にインフラエンジニアには知識が必要となるでしょう。
今後必要となるものは以下のような知識やスキルです。
サーバーOSの知識
クライアントから仕事を受注されるわけなので、クライアントにより使用するサーバーなどは異なります。
そのため、LinuxやUnix、Windowsなど主流のサーバーOSは熟知した方が良いです。
もしも詳しくないサーバーでクライアントが受注した場合、勉強が必要にもなるでしょう。
また、クラウドは今も需要が伸び続けているため、こちらも知識を深めることが必要です。
ネットワーク知識
サーバーが落ちる、通信速度が遅いなどはインフラエンジニアの解決すべき課題です。
また、今後コードでインフラを管理するInfrastructure as a Codeが増えると言われているため、プログラミング言語の知識も必要となるでしょう。
セキュリティ知識
IT環境が進むにつれて、個人情報などもネットで管理されることが多くなっているため、インフラがしっかりしていないと、この個人情報などを抜かれて甚大な被害につながる危険性があります。
もし一度でもそのようなことがあれば、関連システムを全てストップし改善、そして顧客の信頼も大きく失うでしょう。
そのため、インフラエンジニアにはセキュリティに関する知識やスキルも必要です。
インフラエンジニアになるなら使うべき転職エージェント
インフラエンジニアに未経験から転職したいなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
未経験でのインフラエンジニアの求人も多く、キャリアアドバイザーによるサポートを受けながら転職活動ができるため、不安なことなどもその都度相談できます。
以下で未経験からインフラエンジニアに転職できるおすすめの転職エージェントをご紹介します。
マイナビITエージェント
IT業界に強く、特にベンチャー企業が多く在籍しています。
20~30代前半のIT業界が初めての方に特におすすめです。
doda(デューダ)
doda(デューダ)は、転職エージェント業界でも大手で全体の求人数も豊富にあります。
そのなかでも特にIT業界の求人が豊富にあり、20~40代まで未経験の方でも仕事がみつかりやすいでしょう。
さらに、doda(デューダ)は企業担当者との直接面談を定期的にイベントとしておこなっているため、転職に対する様々な悩みも相談できます。
まとめ
インフラエンジニアは、オワコンやこれから必要とされなくなると囁かれることも多いですが、その実態は全然オワコンではなかったことがこの記事でご理解頂けたと思います。
今後もIT業界の需要は伸び続け、働く方々は日々スキルや知識も増やしていかなければなりません。
人手不足も加速する一方のなか、未経験からのIT業界参入は企業としてもありがたく、個人としても内定がもらいやすいでしょう。
もし少しでもインフラエンジニアやIT業界に興味のある方は、是非今をチャンスと思い、転職を検討してみてはいかがでしょうか。