介護・福祉

【これから目指す方へ】障害者福祉に向いている人とは?

障害者福祉に向いてる人
  • お仕事に興味はあるけど、障害者福祉に詳しくなくても、目指せるかな?
  • 介護や保育は経験がある。転職を考えているけれど、ぜんぜん違うのかな?

障害者支援のお仕事は、よく、このような疑問を持たれます。

なお、この記事を書く私は社会福祉士で、専門は高齢者支援なのですが、
かつて資格を取得する際、障害者施設にて、180時間の実習を行いました。

よりリアルな視点から、冒頭の疑問に、お答えする事が出来ると思います。

障害者福祉の大きな特徴

他の福祉分野と、異なる面は多いですが、ある程度は重なる部分も存在します。

そこで、まずはいくつかの面で、比較した特徴を、お伝えして行きます。

①介護との共通点と違い

高齢者の介護では、家庭を訪問する、ホームヘルパーのお仕事があります。障害者支援においても、利用者の家や外出先でサポートする、ガイドヘルパーがあり、同じ事業所が兼ねているケースも、多いです。

身体障害者の支援では、移動困難な場所で、車いす介助を行うなど、共通する部分もあります。資格も介護福祉士や、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)にて、ガイドヘルパーをされている方が、大半です。

しかし知的障害者の支援においては、お年寄りと違い、若くて元気いっぱいの利用者が、多いです。走って行ってしまうのを、追いかけるなど、介護とは違う種類の、体力も必要です。

またお互いの意思疎通や、サポートの仕方、支援の目標なども、大きく異なります。

②保育との共通点と違い

知的障害者の支援施設などでは、集団生活を学ぶ事も多く、保育との共通要素も、あると言えます。無邪気な利用者さんが多く、レクリエーションが多いのも、似通っている点です。実際に保育士の資格で、障害者支援をされている方も、少なくありません。

ただ障害者の方は、ほぼ成人なので、出来る限り自立に近づけるよう、サポートします。なんでも介助するのではなく、可能な事は、ご自身で行える様に促します。また、それぞれ身体の大きさも、まったく違うので、接し方が異なる点は、多いです。

障害者福祉に向いている人とは?

常に試行錯誤できる

とくに知的障害者の支援においては、思いもよらない展開の連続です。例えば、ひたすら歌い続けるなど、施設の行事を拒否して、好きな事をやりたがる方もいます。散歩中に、とつぜん座り込んで動かない時など、どうすれば歩いて貰えるかを考えます。

逆に支援や集団生活を通じて、成長される利用者さんも、少なくありません。皆の中で、自身の役割を見出し、他の利用者を助けたり、支援員の準備を手伝う様になる事もあります。

利用者だからといって、必ずしも助けを受けるだけの存在では、ありません。ご本人が、より充実して暮らせる形を考え、支援を行います。

いまサポートした方が良いのか、自立の為に見守るかなど、支援員同士もつねに考え、試行錯誤して行くお仕事です。

固定観念が少ない

障害者支援においては、利用者1人1人が、個性のカタマリです。また理解力も、それぞれ違います。予想を超える出来事は、日常茶飯事で「ふつうは〇〇でしょう」といった固定観念が強くては、対応して行けません。

思いもよらない角度から、あたらしい支援が導かれる事も多く、柔軟な考えが出来る方こそ、向いている職業と言えます。

基礎体力がある

とくに施設で暮らしを共にする場合は、掃除、洗濯、配膳など、必要な家事を、一緒に行います。元気よく走り回る利用者を、追いかけたり、レクリエーションで運動する等、体力を使う場面も、多いお仕事です。

ガイドヘルパーの場合は、1対1の支援も多く、施設とは体力の使い方が違います。しかし、外出のサポートなど、デスクワークと違い、つねに身体は動かしますので、いずれにしても、基礎体力は必要なお仕事です。

障害者福祉の魅力とは?

とくに知的障害者の支援では、無邪気な利用者が多いです。うれしいときは喜び、イヤなときは泣きます。また、可愛らしいゴマカシはあるものの、相手を騙したり、こちらを伺って、駆け引きしようといった考えは、持たない方がほとんどです。

長く接しているほど、人間として大切な原点を、こちらが教えられる気がします。そのため、利用者が好きという理由で、続けている方も多い職業です。

お仕事では日々、支援の記録を書いて行きますが、毎日がモノガタリの連続で、やり甲斐は、尽きることがありません。

また常識の枠を超え、広く大きい視点を持つ人間として、自身が成長できる、お仕事です。

実際に障害者福祉を知るためには?

机上では、とても分からないお仕事であり、可能であれば、事業所や施設の見学を、おススメします。多くの事業所は、障害者支援の理解を、世に広めたいと考えています。そのため、新たに志す方が現れたり、興味をもって貰えるのは、とても嬉しく感じる事です。

丁寧にアポを取って伺えば、こころよく見学させて頂けると思います。

また、ひと口に障害者福祉と言っても、その仕事の種類は、多様かつ複雑です。実際に就職を考える際には、ぜひ専門の転職サービスを利用し、担当者と相談するのが、おススメです。

ニーズの絶えない障害者支援

福祉には様々な分野がありますが、人口で見ると高齢者や児童より、障害者は相対的に少ないです。前者に比べ、事業所の数も少ないので、一般に知られていない部分も多いです。

しかし人口に関わらず、ともに社会で暮らすため、必要不可欠なお仕事です。天職としている方は、どなたもプロ意識を忘れず、携わっています。しかし一方で、利用者と共に在る職場を、ご自身の居場所のように、感じている方も多いです。

特殊であると同時に、このお仕事にしかない魅力もありますので、ご興味のある方は、ぜひ触れて頂けたら、嬉しく思います。

ABOUT ME
原田 ゆきひろ
■歴史・文化ライター、取材ライター、社会福祉士。 ■東京都在住。高齢者の生活相談や、福祉の町づくりに携わる。 ■本業の傍らライター活動を行う。何ごとも自らとびこみ、表現する文章をモットーとしている。
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