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「マタギ」と「ハンター」の違いについて分かりやすく解説

マタギとハンターの違い

マタギとハンターとの一番の違いは、猟に出て獲物がとれなかったときの考え方で、ハンターは「獲物がとれなくて残念」という感情が第一に出てくるのに対し、マタギは「今日はこれが一番良いと山の神様は教えてくれている」と考えます。

「マタギ」とは?

マタギとは、日本の東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山岳地帯で、クマなどの大型獣を捕獲する技術と組織をもち、狩猟を専業としてきた猟師を指します。

マタギは、もともと東北地方の山間に暮らす狩人を指し(特に秋田県の阿仁マタギが有名)、一部は旅マタギとして他国、他領の山に行くことも多く、旅先で養子などに入り、その土地にマタギの技術を伝えたといわれています。

マタギの歴史は平安時代にまで遡り、近世以降は狩猟に銃を使用するが、古い独自の狩猟方法、独特の宗教観(解体前に儀式を行うなど)や生命倫理(熊は山の神からの授かり物という考えや必要以上に乱獲しないなど)を尊んだという点が特徴的です。

鉄砲を使った猟の形態としては主に三種類あります。

大人数で山中に展開してクマを包囲して仕留める巻狩り、単独もしくは少人数で足跡などの痕跡を辿って獲物を追跡するシノビ猟、冬に越冬穴内で冬ごもり中のクマを仕留める穴熊猟です。

現代においてマタギの猟法としてイメージされるのは巻狩りですが、その他にも鉄砲を用いず、山中で圧殺式の罠を仕掛けるヒラオトシと呼ばれる罠猟等も行ってました。

「ハンター」とは?

ハンター(hunter)とは、動物を狩る人(獣)、狩猟する人(猟師)、捜し求める人、追及する人を指します。

また、生業として狩猟を行う猟師や、スポーツとして狩猟を行う狩猟家という意味も持ちます。

ハンター=猟師と仮定すると、猟師は山でイノシシやシカなどの鳥獣を狩る人のことを指しますが、すべての人が狩猟を仕事としているわけではなく、趣味で行っている人も存在します。

中には、狩った鳥獣の角や皮などを装飾品に加工して販売したり、鳥獣の肉を料理店や食肉加工会社に買い取ってもらったりして収入を得る人、町に出没した猪や鹿などの鳥獣から農作物や人々を守っている人、増えすぎた鳥獣の数を管理して土壌や森林を守る人もいます。

猟師は鳥獣を狩るのが目的ですが、人々の生活に対して前述のような多様な関わりを猟師は持っています。

「マタギ」と「ハンター」の違い

マタギとハンターとの一番の違いは、猟に出て獲物がとれなかったときの考え方に現れています。

ハンターの場合は「獲物がとれなくて残念」という感情が第一に出てくると思うのですが、マタギの場合は違います。

マタギは獲物は全て山の神様が授けてくれるものだと考えているので「今日はこれが一番良いと山の神様は考えているのだな」と思います。

もし、獲物が出てきて無理に追っていたら、崖から落ちて大事故につながっていたかもしれないし、獲物がとれなくても今日は今日で良かったと思うのです。

また仲間だけにしか通用しない「マタギ言葉」を使う点もハンターとは異なります。

まるで暗号としか思えない言葉ばかりで「マタギは幕府の隠密だったのではないか」と推測する人もいるそうです。

さらに、マタギの活動時期は冬季~春の芽吹き前の季節に集中しており、明治維新後の頃にはマタギも専業の者は稀になっており、大半が兼業です。

マタギたちの本職はまちまちであり、猟期ではない夏季は手っ取り早く現金が手に入る鉱山労働や農業、林業などに従事しています。

猟師(ハンター)になりたい場合は銃砲所持許可証と狩猟免許の資格を取得後、猟友会に入るだけですが、マタギとなると話は別です。

マタギになるにはベテランのマタギに弟子入りしないといけません。

またマタギとハンターは異なるため、古くから伝わる手法を教えてもらう必要があります。

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