「セクシャルマイノリティ」という言葉の意味をご存知でしょうか。
「セクシャルマイノリティ」という単語はビジネスシーンでも使われることが多いため、職場の会話や資料の中や、テレビで見聞きしたことがある方も多いでしょう。
しかし、「セクシャルマイノリティ」という言葉は実際どういった意味なのか、どのような場面で使うのか、正しい使い方は何かを知っておかないと、困る時があるかもしれません。
そこで今回は、「セクシャルマイノリティ」という言葉の意味を簡単に分かりやすく解説し、例文や類語なども交えて紹介します。
正しい使い方を覚えて、活用していきましょう!
「セクシャルマイノリティ」の正しい意味とは?
セクシャルマイノリティは日本語に訳すと「性的少数者」となります。
性に関する分類は大きく分けて4つあります。
- 身体的構造による性
- 性自認(自分の性別を何だと認識しているか)
- 性的指向(どの性を恋愛対象とするか、またはしないか)
- 性表現(服装や態度などで自分の性をどのように表現するか)
の4つです。
いわゆる性的多数者は、身体的性と性自認、性表現が一致をしており、異性を好きになる人、となります。
例えば、生まれた時の性別=外性器や内性器が男性で、自分を男性を思い、男らしい格好を好み、女性を好きになる人、です。
ですから、そうではない人を「性的少数者」というのです。
性的少数者とLGBTを混同する人もいますが、LGBTは性的少数者の一部でしかありません。
例えば、身体的構造による性では、生まれた時に外性器が男性であったため、男性とされたが、その後に内性器として卵巣が発見される、などという例が少なからずあります。
この人は、性的少数者となりますが、LGBTに当てはまるものではありません。
「セクシャルマイノリティ」の使い方を例文で解説
①昨今の日本ではセクシャルマイノリティの権利を認めるよう様々な働きかけがされています
最近の日本では、セクシャルマイノリティにもセクシャルマジョリティ=性的多数者と同様の権利を認めるように訴える活動が盛んにおこなわれています。
特に現在は日本国憲法第24条第1項により、異性間でしか認められていない婚姻を、同性でも行えるようにしてもらいたいという裁判が多発しており、自治体単位で同性パートナーシップ条例の制定の動きもあります。
②最近、セクシャルマイノリティを公表した芸能人に宇多田ヒカルがいます
先日、歌手の宇多田ヒカルさんが、インスタグラムのライブ配信で、自分は女でも男でもないノンバイナリーだと告白しました。
ノンバイナリーとは、自分のことを女とも男とも認識していない人のことで、性自認と性表現(服装や態度などで自分の性をどのように表現するか)を、女か男かの2択で分類しない人を指します。
身体的性別と性自認が異なるトランスジェンダー(LGBTのT)とも異なります。
③彼はセクシャルマイノリティだとカミングアウトした
カミングアウトとは、これまで公にしていなかった自らの出生や病状、性的指向等を表明することを言います。
自分がセクシャルマイノリティであることをカミングアウトすることはとても勇気のいることです。
カミングアウトされた内容や、自分が知りえた他人の性的指向などを本人の承諾なく公表することをアウティングといいます。
「セクシャルマイノリティ」を言い換え・類語は?
①性的少数者
セクシャルマイノリティを日本語訳した言葉です。
性に関する分類は大きく分けて4つあります。
1.身体的構造による性、2.性自認(自分の性別を何だと認識しているか)、3.性的指向(どの性を恋愛対象とするか、またはしないか)、4、性表現(服装や態度などで自分の性をどのように表現するか)の4つです。
いわゆる性的多数者は、身体的性と性自認、性表現が一致をしており、異性を好きになる人、となります。
ですから、そうではない人を「性的少数者」といいます。
②LGBTQ
LGBTQは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの総称であるLGBTにQを加えた言葉です。
Qには2つの意味があり、1つはクエスチョニング (Questioning)のQです。
自分の性について決めていない、まだわからない人を指します。
もう1つはクィア (Queer)です。
クィアは、セクシュアルマイノリティの総称として使われてきた単語ですが、以前は差別用語として使われていました。
しかし、現在では自らをクィアと堂々と表現する人たちが現れました。
③クィア (Queer)
クィア (Queer)は、セクシュアルマイノリティの総称として使われてきた単語ですが、以前はゲイに対する差別用語として使われていました。
しかし、現在では自らをクィアと堂々と表現する人たちが現れたことにより、肯定的な意味で使う人も増え、LGBTQのQとしてLGBTを含む性的少数者の総称として使われるようになっています。
「セクシャルマイノリティ」の使用上の注意点
セクシャルマイノリティは全人口の3~5パーセント程度いるとも、13人に1人いるとも言われています。
しかしながら、性表現以外は外見から判断できず、また差別されるかもしれないという虞から自分からはカミングアウトしていない場合も多いため、身近にはいないと誤解しがちな部分でもあります。
そのため、この言葉を使う際は、身近にも当事者がいるという認識を持っている必要があります。
どんな言葉もそうですが、まずはその言葉の背景やどのような人たちを指すのか、どんなことが差別につながり、相手を傷つけるのかなど、正しい知識をもって使わなければなりません。
特にセクシャルマイノリティは、とてもナイーブな話題であり、言葉の使い方や話題によっては、簡単に誰かを傷つけてしまうかもしれないこと念頭に置く必要があります。
蔑視や差別を目的として、セクシャルマイノリティという言葉を使うことはできません。
「セクシャルマイノリティ」の英語
セクシャルマイノリティという単語自体が英語です。
英語表記としては「Sexual Minority」となります。
日本語訳としては性的少数者ですが「セクマイ」と訳される場合もあります。
いずれも意味は同じです。
まとめ
どんな言葉もそうですが、まずはその言葉の背景やどのような人たちを指すのか、正しい知識をもって使わなければなりません。
特にセクシャルマイノリティは、とてもナイーブな話題であり、簡単に誰かを傷つけてしまうかもしれないこと念頭に置く必要があります。
蔑視や差別を目的として、セクシャルマイノリティを使うことはできません。