「第二新卒のうちに転職をしようと思ったけど、周りの人から『第二新卒の転職はやめとけ』と言われてしまった…。本当に転職しない方がいいのかな?」
そんなお悩みはありませんか?
ネットでも、『第二新卒の転職は簡単』という記事があるかと思えば、逆に『第二新卒の転職は大変』という記事もあったりするので、どうしたらいいのか迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、第二新卒カードを使おうか悩んでいる人に向けて、『第二新卒の転職はやめとけ』といわれる本当の理由について徹底解説していきます。
後半では、転職を成功するためのコツについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも第二新卒とは?
本題に入る前に、まずは第二新卒の定義についてはっきりさせておきましょう。
第二新卒=新卒で就職してから3年以内に転職する人
第二新卒というのは、一般的に『新卒で就職してから3年以内に転職する人』のことを指します。
ただ、実をいうと、第二新卒の明確な定義はありません。
企業によっては条件が多少違うこともあります。
なので、この記事では、最も一般的な『新卒入社して3年以内に転職する人』という定義に統一して解説していきます。
入社3年以内に会社を辞める人は3割いる
厚生労働省のデータによると、2016年3月大卒者のうち、入社して3年以内に会社を辞めた人は32%います。
短大卒や高卒の場合だと、4割近くになる。
(出典:厚生労働省HP/ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00002.html)
10人中3人が3年以内に辞めてしまうというと、なんだか多いように感じますよね。
とはいえ、今の若い人たちが『我慢ができなくなった』というわけではありません。
実は20年以上前から、3年以内に3割が辞めるという状況は続いているのです。
みなさんの会社の先輩や上司の世代も、若い頃の同じ立場だったということです。
ですので、新卒入社して3年以内に会社を辞めるのは、特別なことではないことを知っておくといいでしょう。
第二新卒の転職を「やめとけ」と言われる理由
これだけ3年以内に会社を辞めてしまう人が多いにも関わらず、なぜ第二新卒の転職を「やめとけ」と言われるのでしょうか?
ここからは、その本当の理由について、深掘りして解説したいと思います。
今より条件の良い会社に入社するのは難しいから
いきなり厳しいことを言うようですが、第二新卒での転職で、今より条件の良い会社に入社するのは難しいです。
なぜなら、中途採用というのは『即戦力採用』という考えが当たり前だからです。
つまり、今までの経験やスキルといった、社会人としての実績が評価されてしまいます。
なので、新卒採用のときのように、大学のネームバリューや将来のポテンシャルを考慮してくれることはほとんどありません。
「自分はまだ若いので、伸びしろがあります!」と面接官に声高に言っても、おそらく響くことはないでしょう。
採用する企業の立場になって考えて欲しいのですが、実績のない第二新卒を入社させるよりも、入社後にすぐ成果を出してくれる中堅社員クラスを雇う方がメリットは大きいのです。
このように、新卒採用と第二新卒採用は、企業が注視するポイントが全く違います。
第二『新卒』という言葉が付いていますが、普通に転職するのとほとんど変わりませんので注意が必要です。
職歴にキズが付くから
第二新卒の転職を「やめとけ」と言われる理由の2つ目は、職歴にキズが付くということです。
あえて説明するまでもありませんが、転職回数が多ければ多いほど、企業側から「すぐに辞めてしまう人」と思われてしまいます。
先ほども解説しましたが、第二新卒で転職した場合、今よりも条件が下がる可能性が高いので、真剣に転職活動をしないと満足できる会社に入社することはできません。
もし仮に、次の会社でも不満が出てきて、また転職することになったら…
あなたの経歴はキズだらけになってしまい、本来であれば難易度の高くない会社でも、書類選考すら通過できなくなる危険性があるのです。
脅すようで申し訳ないのですが、転職というのはそれだけリスクが伴うものだと理解しましょう。
『転職=悪』という古い考えが残っているから
ただ、転職が悪いものかというと、そんなことはありません。
第二新卒の転職に成功している人はたくさんいます。
とはいえ、40~50代くらい世代は『転職=悪』と思っている人が多いのも事実です。
感情論だけで、
「若いヤツは根性が無い」
「途中で会社を辞めるなんて責任感が無い」
「石の上にも3年だぞ」
などと言われることもあるでしょう。
ひと昔前までは、年功序列や終身雇用といった考えが当たり前だったので、そういった意見があるのは分からなくもありません。
ですが、今や年功序列や終身雇用といった制度は崩壊しつつあるため、今後は1社で生涯勤め上げることの方がめずらしくなるでしょう。
そのため、将来のキャリアプランをしっかり考えたうえで転職をするのであれば、古い考えに固執する必要は無いと思います。
第二新卒の転職を思いとどまった方がいい人
第二新卒の転職といえども、甘くないことは理解してもらえたかと思います。
ここからは、安易に会社を辞めて後悔しないように、第二新卒の転職を思いとどまった方がいい人について紹介していきます。
1つでも当てはまるようなら、もう一度、冷静に考え直した方がいいかもしれません。
退職理由が明確ではない人
退職理由が明確ではない人は、転職をしない方がいいです。
先ほどもお伝えした通り、第二新卒の転職は今より条件が悪くなる可能性があるからです。
「なんとなく、他社の方が楽しそうだから。」
「なんとなく、今の会社がつまらないから。」
「なんとなく、周りの人が転職しているから。」
このような考えで転職をしてしまうと、絶対に後悔することになります。
しかも、面接のときには、必ず退職理由を聞かれます。
適当な理由を言ってしまうと、面接官に「この人は、無計画に辞めた人だな」と見透かされてしまうので、評価が下がってしまうかもしれません。
なので、面接で堂々と言えるような退職理由が無ければ、今の時点では転職をするのをやめた方がいいかもしれません。
大手企業に勤めている人
初めて勤める会社が大企業だという人だと実感が湧かないかもしれませんが、実は大企業の社員は非常に恵まれています。
給与水準が圧倒的に高いのはもちろんのこと、福利厚生は充実していますし、コンプラ意識もしっかりしている場合が多いです。
今いる会社で『当たり前』に受けている恩恵は、中小企業には無い可能性があります。
自分の置かれた環境を客観視してみて、本当に転職をするべきか考えるようにしてください。
ただ、大企業の中にもブラック気質な企業は存在します。
上司が平気でパワハラをするとか、残業時間が多いなどある場合は注意が必要です。
ブラックな会社に長くいると精神を病んでしまいますので、そういった場合はさっさと転職しましょう。
入社1年未満の人
入社1年未満で転職を考えている人は、できればもう少し今の会社で頑張った方がいいかもしれません。
なぜなら、ここまで短期間で退職してしまうと、応募企業から「うちに入社しても、またすぐに辞めてしまうのでは?」と思われてしまうからです。
入社1~3年目くらいの新人の頃というのは、仕事を覚えるための勉強の時期です。
雑用のような仕事を頼まれたり、ミスをして注意されたりすることが多くて嫌になる気持ちはよく分かります。
ただ、下積みの時期を乗り越えれば、どんどん裁量権のある仕事を任せてもらえるようになるはずです。
もし、今の会社に大きな不満が無いのであれば、少なくとも1年は続けた方がいいかもしれません。
1年の社歴があれば、数ヶ月で辞めた場合よりも、面接官の印象はよくなるでしょう。
第二新卒の転職で成功させるコツ
ここからは、第二新卒で転職が成功するコツを3つ紹介していきます。
適当に転職活動をすると失敗の原因となりますので、しっかりポイントをしっかりおさえつつ転職活動を進めていきましょう。
譲れない転職条件を決めておく
まず1つ目のコツが、譲れない転職条件を決めておくことです。
転職条件をしっかり決めておかないと、いざ転職活動を始めたときに、どの企業を選んだらいいか迷ってしまうからです。
『なんか魅力的だな』という感覚だけで転職先を決めてしまうと、また同じようなアンマッチを繰り返してしまうかもしれません。
転職条件の決め方としては、退職理由が改善できる条件を優先するのがコツです。
例えば、残業が多くて退職しようと考えている人の場合、『残業が少ない会社』という条件の優先度は高くしておくべきです。
あるいは、今の給料が安くて転職を考えているのであれば、『年収○○万円以上』という条件を決めておくといいでしょう。
ただし、譲れない条件が多すぎると、該当する求人が無くなってしまうので、1~3個くらいに絞っておくといいと思います。
そして、企業選びに迷ってしまったら、必ず自分が決めた転職条件を思い返すようにしてください。
在職中に転職活動をする
第二新卒の転職で成功させるコツの2つ目は、在職中に転職活動をするということです。
会社を辞めてからの転職活動には、以下のような『大きなリスク』があります。
- 良さそうな求人が無かった場合、転職条件をかなり下げないといけない。
- 転職活動が長引くと、貯金が無くなり焦ってしまう。
- 会社を辞めたという解放感で、だらけてしまう。
このような状況に陥ってしまうと、転職活動に失敗するのは目に見えています。
そうならないためにも、今の会社に勤めながら転職活動をするようにしてください。
ただ、会社勤めをしながら、応募書類の作成や面接をするのは、簡単な事ではありません。
おそらく今の生活のままだと、転職活動をしている時間は無いと思いますので、例えば趣味の時間を削ったり、なるべく定時で退社するなどの工夫が必要となります。
息抜きの時間が無くなるのは嫌かもしれませんが、転職活動は3ヶ月程度の期間だけです。
人生を変える活動をするわけですから、少しだけ我慢して真剣に取り組むようにしましょう。
転職エージェントに相談する
最後に紹介する転職に成功するコツは、転職エージェントに相談することです。
転職エージェントというのは、専任のキャリアアドバイザーが転職希望者と募集企業の間に入って、様々なサポートをしてくれるサービスのことをいいます。
ぴったりな求人の紹介をしてくれるのはもちろんのこと、応募書類の作成サポートや面接対策までしてくれます。
なので、在職中での転職活動で時間が捻出できないという人は、転職エージェントへの相談を検討してみるといいかもしれません。
また、キャリアアドバイザーは企業側の内情について熟知していますので、的確なアドバイスをしてくれるのも大きなメリットです。
本来であれば、なかなか入社できないレベルの会社であっても、転職エージェントの力を借りることで内定をもらうことができるかもしれません。
しかも、完全無料で利用できるので、余計な出費が無いのも嬉しいところです。
まとめ
今回は、「第二新卒の転職はやめとけ」と言われる理由や、転職に成功するコツを紹介しました。
今の会社を辞めることは簡単にできますが、良い会社に入社するのは難しいのです。
本当に辞めるべきか、今の会社にいるべきかをしっかり考えてから行動するようにしましょう。
もし、「それでも自分は転職をしたいんだ!」という強い気持ちがあれば、真剣に転職活動に取り組むことをおすすめします。