看護師

「正看護婦」と「准看護師」の違いについて分かりやすく解説

正看護婦と准看護師の違い

正看護婦と准看護師の違いは、免許を発行するところが厚生労働大臣か都道府県知事であるかという違いだけでなく、ほぼ同じような業務内容でありながら准看護師は正看護婦の指示の下で業務を行うことになる事が法律で決められています。

「正看護婦」とは?

正看護婦(看護師)とは、厚生労働大臣の免許を受けて傷病者の世話や診療の補助をすることを業とする者をさします。

正看護婦は看護業務に関して自分で判断をすることができ、他の看護師や准看護師に支持を出すことができます。

いくらベテランの准看護師とはいえ、新人の正看護婦に対してでも指示を出すことができないということになります。

また、患者さん一人一人の入院から退院までの過ごし方や目標について計画を立てる「看護計画の立案」も正看護婦にのみ認められている業務です。

年数を重ねた正看護婦は管理職に就くことも出来ます。

業務自体は血圧、脈拍、体温の測定、点滴の作成、投与、採血、点滴路の確保、食事介助、排泄介助、入浴介助、シーツ交換、配薬、セット、手術・処置の補助、体位変換、夜勤巡回、夜間患者対応、カンファレンス参加、患者さんの送迎、カルテ入力業務、という事で准看護師と大差はないのですが、自己判断でこういった業務ができるという点が正看護婦の大きな特徴といえます。

「准看護師」とは?

准看護師とは、都道府県知事の発行した免許によって医師、歯科医師や正看護師の指示に従って傷病者の看護や診療の補助業務を行う者をさします。

准看護師になるには養成課程の修了後、准看護師の試験に合格することが必要です。

正看護婦(看護師)と異なり、中学卒業の学歴でも受験資格を得ることができます。

看護職の内約4割は准看護師と言われています。

准看護師という業務が誕生したきっかけは、第二次世界大戦後の日本ではGHQ指導により、看護改革が進められたことがきっかけです。

当時、戦後で病院数が増加傾向にありました。

当然看護師の需要も増加してきたわけです。

ところが当時の女子は高校進学率が低かったため、高卒資格が必要な正看護師を増やすことが困難でした。

そこで、中学卒業後2年の過程で准看護師の知事試験に合格すれば准看護師の資格を取得できる仕組みを作ったのが始まりと言われています。

ただ、現在は待遇面で正看護婦との違いから准看護師になる人が減ってきているという傾向があります。

「正看護婦」と「准看護師」の違い

正看護婦と准看護師の違いは次の点にあります。

・免許発行者が正看護婦は厚生労働大臣、准看護師は都道府県知事となります。

・正看護婦の受験資格を得るためには、高校卒業が必要で、3~4年の教育課程において3,000時間以上の履修と1,035時間以上の実習が修了して初めて受験資格が得られます。

一方准看護師は中学卒業資格があれば、2年の教育課程で1,890時間以上の履修と、735時間以上の実習を修了すれば准看護師の受験資格を得ることができます。

・正看護婦と准看護師は血圧の測定や点滴の投与、手術の補助など業務内容にあまり差はないのですが正看護婦には出来て准看護師には出来ない業務が大きく分けて次の4つがあります。

1.准看護師は自己判断で看護業務を行うことができません。

患者さんに処置・介護をする際には必ず医師・歯科医師・看護師にその旨を伝えて支持を仰ぎやっと処置に入ることができます。

結果。

措置が正看護婦よりもスピーディーに行えないデメリットがあります。

2.保健師助産師看護師法により、正看護婦は准看護師に支持を出す立場である事が決められているため、准看護師から正看護婦に指示を出すことは出来ません。

例え経験豊富な准看護師であっても新人正看護婦に指示は出せないことになります。

3.入院患者の看護計画の立案ができるのは正看護婦だけです。

看護学校で看護計画の教育を受けるのは正看護婦だけであり、准看護師の教育課程では看護立案の計画の教育は受けません。

4.正看護婦は将来管理職に就くことができますが、准看護師は就くことができず、ずっと現場での業務となります。

ABOUT ME
STANDBY編集部
転職プロ集団が運営。 運営メンバーは転職エージェント・転職サイトへ精通しており、元人事や採用担当・面接官の経験がある者が在籍しております。 執筆者は基本的に『匿名』としているため、採用側の裏事情や転職ノウハウを包み隠さず情報提供しております。 運営者情報
人気記事ランキング

他の人は読んでます