「ガバナンス」という言葉の意味をご存知でしょうか。
「ガバナンス」という単語はビジネスシーンで使われることが多いため、職場の会話や資料の中で見聞きしたことがある方も多いでしょう。
しかし、「ガバナンス」という言葉は実際どういった意味なのか、どのような場面で使うのか、正しい使い方は何かを知っておかないと、困る時があるかもしれません。
そこで今回は、「ガバナンス」という言葉の意味を簡単に分かりやすく解説し、例文や類語なども交えて紹介します。
正しい使い方を覚えて、活用していきましょう!
「ガバナンス」とはどういう意味?
ガバナンスとは、主にビジネス用語として使われる言葉で、日本語にすると「統治能力」「統治力」などとされます。
例えば企業内でセクションを束ねる管理者がそのセクションにおいて取りまとめる力を発揮し、良い意味で所属員を意思統一させて団結している(していない)状態を「ガバナンスがある(ない)」と言います。
悪い意味で上司の権力を濫用して所属員を抑え込む場合はガバナンスがないと言うよりはハラスメントになってしまいます。
ガバナンスは比較的肯定的な表現をする場合に用いられるのが一般的かもしれません。
「ガバナンス」の使い方を例文で解説
①あの課長はガバナンスがある
課長が自分の課をマネジメントする際、スタッフを取りまとめて良い結果を出し、その課の中の状態も不満が少なく一致団結できている状態であれば、マネジメントする課長はその課を良い方向に導いていることになり、企業にとっても所属員にとっても望ましい状況になっています。
この状態を、課長を評価する際に「ガバナンスがある」となります。
②与えられた部門でガバナンスを発揮する
この場合は必ずしも役職者に限らず、リーダー的な人物が周囲を盛り上げて良い雰囲気を作り上げ、目標に向かって進んでいける状態にすることを「ガバナンスを発揮する」と言います。
時には仲間から反発されることもあるでしょうが、その反発を上手く利用して目標達成に向かうのもガバナンスの方法でしょう。
所属員の性格を見極めながら振る舞うことがガバナンスの発揮です。
③そのやり方はあなた独自のガバナンスなので良いと思う
周囲を束ねるのは厳しくすること、褒めること、任せること、など色々な方法があります。
自分のやり方を決めても良いし、その都度変えていくこともできます。
それを決めるのはガバナンスを利かせなければならないその人自身であり、時に「このやり方で良いのか?」と悩むこともあるでしょう。
そんな時にその人を評価する人物が発するのがこの言葉です。
「ガバナンス」を言い換え・類語は?
①マネジメント
セクションを管理することや、仕事を進めていく力をマネジメントと言います。
仕事をする上で出世するにはこのマネジメント力が重要です。
マネージャーはマネージメントする人であり、自分を管理するとともに他の社員や業務自体を管理する人とも言えます。
マネージメントは個人個人で捉え方が異なり、必ずしもマネージメントという言葉自体には肯定的な意味はなく、悪い場合でもマネージメントは使われます。
②管理能力
管理能力とは仕事、部活、自分自身など、あらゆる対象について使える言葉だと思います。
スケジュールを立てて仕事をしたり、部下を団結させるために飴と鞭を使い分けながらまとめ上げていくのが管理能力のある上司と言えるでしょう。
自分の仕事を順調に進めるのも管理能力です。
能力のことを言っているので、「ある」「ない」で表現できます。
③統治力
統治力とはまとめる力の方で、企業のセクション、社会、家庭など組織の中で発揮される力のことを言います。
行動で示す場合だけでなく言葉で示す場合もあり、政治家や宗教家にもこの統治力が重要と言えるでしょう。
悪い方向に向かうと洗脳になってしまい、大きな問題に発展することも考えられるので、この統治力は良い方向で使われるべきものだと思います、
「ガバナンス」の使用上の注意点
カタカナ用語になるため、聞く人によっては毛嫌いされる恐れもあります。
わざわざカタカナで言う必要もなく、誰もがわかりやすい言葉で表現することが大切ですが、統治力などと堅苦しい日本語で表現するより柔らかい印象を与えることもできるので、状況に応じて日本語とうまく使い分けるのが良いでしょう。
言葉として発音するときも、イントネーションをどこに置くのかで聞き手の印象も変わります。
「ガ」に置くと英語的な印象になりますが「バナンス」に置くとカタカナ的な印象になってしまい拒否感を持たれる恐れがあるかもしれません。
最近はなんでもカタカナで言う世の中なので、状況に応じて上手く使い分けておきたいものです。
使う場合もしっかりと意味を理解して発言しないと、誤って伝えてしまったり矛盾してしまったりすることも考えられるので注意が必要です。
「ガバナンス」の英語
ガバナンスはそれ自体英語なので、英語で言い換えることはありません。
似たような意味の英単語としてはmanagementという単語が挙げられます。
日本語としてもマネージメントという単語で一般的になっています。
まとめ
ガバナンスは仕事をする上で後輩や部下ができると必ず身につけるべき能力だと言えます。
目標を達成させるために組織を良い方向にまとめて前進させることが「ガバナンスを発揮する」と言えるでしょう。
その発揮がさらに自分をステップアップさせる可能性があります。