ビジネス用語

「エビデンス」と「ファクト」の違いについて分かりやすく解説

エビデンスとファクトの違い

エビデンスとファクトの違いを一言で説明すると、議論の出口で使われるか入口で使われるかが違います。

議論の出口で主張の信ぴょう性を増すための証拠として使われるのか議論の最初にテーマに対する前提条件を確認し合うのかという違いになります。

「エビデンス」とは?

エビデンスとは直訳すると「証拠」のことです。

ビジネスシーンで使用される場合は、自分の提案を論証するためのデータや物的証拠のことを指します。

自分の記憶、思い込み、口約束、エピソードで仕事を進めていくと言った言わないでトラブルになることが少なくありません。

間違いのない取り扱いをするために証拠を提示しておくことで無用なトラブルを防ぐことが出来ます。

また、自分の提案を通すための説得材料としても使われます。

自分の言葉で伝えることは非常に大切なスキルではありますが、言葉のロジックに過ぎず信用されないケースもあります。

きちんとした証拠を示すことで、信頼度が増し説得力が増します。

そのような場面で使われることも多くあります。

エビデンスは、論証の材料であることから自分の主張や具体的に行動を起こした事実を証明するための材料となるものです。

「ファクト」とは?

ファクトとは、直訳すると「事実」のことです。

単なる事実やデータのことであり、それ以上でもそれ以下でもありません。

論証を組み立てる際に使われたり、問題・課題を洗い出し、整理する時に使われます。

物事を説明する際に使われることもあり、最初の前提として明示することもあります。

ファクトシートとしてひとつにまとめておくと話が早いです。

ファクトをベースに問題解決の話し合いを進めていくこともあります。

ファクトは、単なる結果に過ぎないため人の解釈が入りません。

そのため、ファクトそのものに対する議論はなく、ファクトをベースにした話し合いが行われます。

相手からファクトの提示依頼があった場合は、あくまで事実を確認したいという意思表示であり、本質的には相手の言っていることが信用できないという意味ではありません。

主観を捨てて話し合いの前提を確認したいという意味になります。

「エビデンス」と「ファクト」の違い

エビデンスとファクトは、同じように事実やデータを指しますが、エビデンスは論証の証拠であり、ファクトは必ずしも論証の証拠足りえるとは限らないという点で違いがあります。

エビデンスは事実の先にある自らの主張を補填するために使われるものですが、ファクトは単なる事実にすぎません。

エビデンスは、相手に伝えたい事、提案したいことが、そもそも存在しており相手を説得するための材料として使われるものです。

そのため、エビデンスがなくその事象・論証が成立したのであれば必ずしも提示しなければならないものではありません。

ファクトは、現状抱えている問題や課題を解決するための糸口を探し出すものであり、問題・課題はまだありません。

提示する中で論証の前提条件を作り出していくものです。

エビデンスは、論証の出口に使われるものですが、ファクトは、論証の入口に必要なものです。

エビデンスは、主張の説得力を上げるために事実やデータを用いますが、ファクトは、議論の最初もしくは途中で提示していくものです。

ファクトは、議論を成立させるためにテクニックとして使用されることもあります。

主にビジネスシーンではファクトベース思考は重要なスキルであり仕事を円滑に進めていく上で不可欠な考え方になります。

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