経営コンサルタントって響きに憧れている方は多いかと思います。
- 経営コンサルタントって激務なの?
- 資格なしでも経営コンサルタントになれる?
- 経営コンサルタントってうさんくさい?
などなど、経営コンサルに憧れてはいるけど、仕事内容や具体的な案件についてのお話はインターネット上であまり出てこないので、詳しい話を聞きたいという方のために、現役の経営コンサルタントの方へインタビューを行いました。
中小企業から公共までをクライアントとして、経営コンサルタントとして活躍されている方ですので、これから経営コンサルタントを目指す方の参考になることでしょう。
経営コンサルタントの仕事内容
仕事内容
クライアントが事業を開業する時には市場調査、競合調査、収益性分析を通じて分析内容をまとめ、クライアント先で発表し、そのまま顧問契約に進む場合もあります。
経営改善が必要な企業に対しては、経営分析、帳簿分析を通じて改善計画を策定し、クライアント先でプレゼン。
改善状況を監査指導します。
経営者が代替わりする事業承継時には、資産状況分析、帳簿分析を通じて事業承継計画を策定し、プレゼンし、承継状況を随時監査、指導します。
経営がどうにもならず事業を撤退する時には資産状況分析債権者ヒアリング事業撤退計画策定プレゼン撤退状況監査指導します。
業務内容
営業は個人の飛込もやりますが、協会からの紹介、官公庁の業務募集への申し込みとプレゼンで仕事をもらうことが多いです。
各都道府県協会独自の調査に加わることも仕事の紹介につながるので重要です。
手弁当がほとんどですが、その調査を通じて知り合った経営者に仕事をもらうこともあり、手を抜けません。
また調査分析内容が優れていれば、協会又は公官庁から講演依頼もあります。
講演は時給換算で美味しいのがうれしいです。
職務階層
診断士協会本部の下に各都道府県協会がありますが、各県独立独歩で県協会内での人間関係が重要ですので、クラブ活動を含め何かと顔つなぎしておけば損はありません。
コンサルタントで唯一の国家資格である中小企業診断士ですが、監督官庁である中小企業庁との関係はごく一部の協会幹部以外は無関係です。
仕事にもつながりにくいと思います。
年収
平均的に300~400万円前後ですが、資格保持者や案件規模・企業によっては年収1000万円以上の方もいます。
経営コンサルタントの仕事のやりがい
一人の仕事時の気楽さ、同僚コンサルタントとの仕事時の緊張感、クライアント先にてカリスマ経営者のバイタリティに触れるドキドキ感、公官庁との関係で公共性のある仕事ができる満足感、などがやりがいです。
中小企業診断士協会内で学術的調査分析も奥深く面白いです。
具体的には同じ業種の職務経験があっても、実際の内容は企業それぞれで事業内容が異なります。
小売店でも高級スーパーと安売りスーパー、道の駅などにある直売所では仕入れ先、店頭販売形態、帳簿上の勘定科目も異なり、どこで儲けを出せばよいか千差万別で、分析しがいがあります。
地域市場についても地域特有の高齢化問題、都市化問題、企業誘致などで、現在の状況、将来性が複雑です。
この複雑をパズルのように解いていく過程に面白みがあります。
社会全体の流れを把握することも重要で、5Gやクラウドが発展するとクライアントの業界自体が消滅する危険さえあるからです。
こういった高い位置の分析も仕事を離れた私生活でも影響があるので調べていて楽しい点です。
経営コンサルタントの仕事で辛いこと
ノウハウが先輩のアドバイスや本ではわからない事が多分にあり、途方に暮れることもしばしばがあります。
中小企業診断士協会自体の能力・仕事獲得への意欲の差が地域毎に激しく地方で仕事をすることは難しいです。
東京など大都市圏は仕事も協会活動もたくさんあり、仕事に繋げることはそれほど難しくありません。
しかし地方は税理士が強く、コンサルタント文化がまだ根付いておらず、営業をかけてもナシのつぶてのことが多いです。
地方での重要な仕事発注先である官公庁は権威主義、経歴主義、推薦が強く、プレゼン自体の内容では仕事が取れない事もしばしば、地方出身者としては残念です。
結局、顔つなぎが重要でそれまでに時間を多分に要します。
特に各地方は営業が大変で コンサルタントの認知度が低く、税理士との違いを説明するのに何回も訪問しなければならず、時間を浪費します。
持ち出しも多く時給に換算すると、都市部と地方ではアルバイトの時給の差ではありません。
経営コンサルタントへ向いている人の特徴3つ
- プレゼンテーション能力
- コミュニケーション能力
- 性格の繊細さ
①プレゼンテーション能力
プレゼンテーション能力があれば協会内での地位形成され、単発の仕事獲得につながります。
具体的には中小企業診断士協会内で行われる無料発表会で好印象を受ければ協会内での発言力や信用度が増すので、仕事が依頼されやすくなります。
特に地方は協会の高齢化が激しいので、プレゼンテーション能力のある若者は重宝されます。
公官庁が主催するプレゼンテーションでその能力を発揮する場大きな仕事が取れます。
ただし地方の公官庁は発注先がすでに決定されていることが多く、プレゼン能力が発揮しにくいです。
バイタリティ溢れるカリスマ経営者はプレゼンを好みますので、そのまま継続案件につながり、ほかのカリスマ経営者に紹介されることもありおいしい能力です。
このようにプレゼンテーション能力は単発の仕事の獲得、継続案件、紹介へのつなぎと重要な能力です。
②コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は特に継続案件を獲得し、「紹介してください」と言え、仕事獲得の連鎖につながります。
また調査研究上重要な経営者や従業員へのインタビューの際に有効にも有効です。
具体的にはまず中小企業診断士協会活動で人脈作りに役立ちます。
公安庁での顔つなぎに有効です。
たとえ地方であってもコミュニケーション能力があれば仕事が取れることがしばしばあります。
一人で行動する場合の飛び込み営業でももちろん役立ちますし。
そこから継続案件につなげ、ほかの会社を紹介してもらえる「紹介してください」言いやすくなります。
同僚と共同作業する時にも長い時間を共有することになるので、コミュニケーション能力が不可欠です。
バイタリティ溢れるカリスマ経営者とコミュニケーションが取れれば地方では無敵といっても過言ではありません。
地方は横のつながりが強いので、継続案件から紹介まで比較的スムーズにいきます。
③性格の繊細さ
性格上の繊細さはクライアント先との関係が良好になる継続案件となり、そこから紹介へにつながります。
またコンサルタントとして欠かせないスキルアップにつながるので不可欠な能力といえます。
具体的には経営者や従業員などの人への調査の際の気遣いは重要で本音を引き出す機会を与えてくれます。
またそう言って調査した資料を繊細な視点で分析していけば優良な資料が作成できます。
できた資料はプレゼンテーションで有効に働き、単発案件につながります。
単発案件からクライアントへの気配りができると継続案件へ、そして紹介へのと流れます。
同僚と共同作業する時も長い時間を共有することになるので、相手を気遣う繊細さは必要です。
経営コンサルタントへ向いていない人の特徴3つ
- 性格が暗い
- 時間にルーズ
- 他人に興味がない人
①性格が暗い
性格が暗いと中小企業診断士協会内での地位形成できないのでそこからの単発仕事が取れません。
また無料発表会でのプレゼンで悪い印象につながり、ここでも単発案件がとれません。
単独行動の際の営業でも悪い印象をあたえ、コンサルタントの内容説明さえ聞いてもらえにくくなります。
したがって単発案件が取れず、いつまでも継続案件と紹介という生活の糧が構築できません。
同僚と共同作業する時も長い時間を共有しづらくなるので、同僚との仕事も続かなく、仕事の量が減っていきます。
特にカリスマ経営者は性格の暗い人とは相性が悪いので、地方での有力クライアント先が作れません。
公官庁との関係でも暗い公務員の方も同族嫌悪で顔つなぎがむずかしいでしょう。
実際地方の公官庁で仕事をとっている人は性格が明るい人ばかりです。
このように性格が暗いと事務仕事でないコンサルタントは難しいです。
②時間にルーズ
時間にルーズだと継続案件とれず、もちろん紹介もされません。
パートナーとの組めないし、中小企業診断士協会内で信用されず地位形成ができない。
まず調査分析がずさんであることが多く、他のコンサルタントに見劣ります。
スケジュールがずさんでパートナーと歩調が合わせられないので継続的な関係が組めない。
プレゼンが適当で単発案件を獲得できません。
もちろんクライアントに信頼されないの継続案件は取れず、性格は安定しません。
特にカリスマ経営者には嫌われます。
一人で行動する場合の飛び込み営業でも、やっと取れた予約に遅れるのは問題外です。
このようにルーズさは、同僚と共同作業する関係、カリスマ経営者との関係、中小企業診断士協会との関係、そこでの有給の役職獲得や部会活動、人脈形成につながらず、地方では苦しくなっていくと思います。
③他人に興味がない人
他人の興味がないがインタビューできないし、コンサルタントがいつまでもスキルアップせず、ほかのコンサルタントに仕事をとられていきます。
市場調査や社会の流れは他人への興味があって始まるといってよく、中小企業診断士協会の調査分析活動で能力を発揮出ません。
公官庁の公共的仕事の依頼でも公共的な仕事は地方民の生活に密接に関係するので他人に興味があることは大前提です。
また都市部だけなら有効な朝会、異業種交流会では多くの異業種の方を交流することが地方にはない面白い仕事につながります。
同僚と共同作業する時は長い時間を共有することはそもそも苦痛でしょうから、避けがちとなり、地方では孤立していきます。
バイタリティ溢れるカリスマ経営者には人脈が命なので性格上あいませんので地方の重要なパイプを形成できませんので地方で楽にコンサルタントしていけません。
経営コンサルタントへ就職する方法
経営コンサルタントへの近道はコンサルタントの国家資格である中小企業診断士になることです。
中小企業診断士の資格
中小企業診断士になるには第1次の択一試験、第2次の論文試験と口述試験、第3次の実務補習の3段階ステップがあります。
第1次試験科目は7科目で経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理分、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策で、難易度は市販の対策本をしっかりやれば受かる程度です
第2次論文試験は4事例で事例Ⅰ組織および経営の戦略、事例Ⅱマーケティング、事例Ⅲ生産・技術、事例Ⅳ財務・会計。この試験の本質は第2次試験の筆記試験の論文です。
これに関しては市販の過去問集を繰り返し解くのが一番良いと思いますが、不安な方は資格試験予備校の論文講座を受けると良いでしょう。
第2次口実試験が東京で行われ、まず落ちません。
実務補習は毎年2月・3月・7月・8月・9月に5日間コースまたは15日間コースで行われ、先輩診断士が2人付き、実際のクライアント先で経営診断します。
難易度は日程を途中で挫折しなければ合格します。
経営コンサルタントのなり方
経営コンサルタントだけで食べていけるかというと難しいです。
特に地方では税理士が強く、実質的コンサルタントをしています。
ですから地方でコンサルタントとして開業したい方は、税理士や司法書士、社会保険労務士など専業の領域のある士業との兼務を考えた方が良いでしょう。
転職サイトよりも、転職エージェントの非公開求人として、経営コンサルタントの募集も多くありますので、一度エージェントに向き・不向きなどの適正を相談してみても良いでしょう。