小学校や中学校、高校の教員として活躍するためには、教員免許が必要です。
教員免許とは、「教員免許状」といいます。
教員免許を取得するためには、「教員課程」を設けている大学や短大で必要な単位を取得し申請しなければなりません。
教員免許状は申請した都道府県の教育委員から授与されます。
教員免許は国家資格ではありません。
教員免許状は、都道府県の教育委員会が発行します。
教員免許は、大きく三つに分けることができます。
普通免許状、特別免許状、臨時免許状の3つがあります。
3つの免許状について
・普通免許状とは
日本全国で有効な教員免許であり、一般的に普通免許を指します。
幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教員免許、保健室の先生である養護教諭免許、給食のメニューの公安や栄養指導を行う栄養教諭免許があります。
普通免許状は、卒業した学校や取得した過程によって専修、一種、二種免許状に分けられています。
専修免許状は、大学院での博士課程修了程度の単位を取得し、申請すると授与されます。
一種免許状は、大学卒業程度の単位を取得し、申請すると授与されます。
二種免許状は、短大卒業程度の単位を取得し、申請することで授与されます。
一種以上の免許状を取得していないと、私立学校に採用してもらえない、高等学校の教員にはなれない、管理職になれない、給料面で差がでるというデメリットもあります。
・特別免許状とは
社会人としての経験がある人が「教育職員検定」を受験し認められると授与される教員免許です。
教員免許未取得でも、優れた知識や技術力を持つ人材を学校の現場に迎えるために設定されました。
例えば、看護師の経験がある人に、高等学校の「看護」を教えるための特別免許状を発行されるケースがあります。
授与されるには、教員に任命または雇用したい人の推薦があるか、必要強化に関する専門的な知識経験または技能があるかが必要です。
・臨時免許状とは
普通免許状取得者を採用できない場合に限り、教育職員検定を経て授与されます。
例えば、急に教員の欠員が出てしまい、募集をしても普通免許状のある人がいない場合などに、例外的に授与されます。
・教員免許を取得する方法
教員免許を取得する方法は、3つあります。
- 大学で普通免許状を取得する。
- 教員資格認定試験を受ける。
- 特別免許状を取得する。
があります。
一般的には、①の大学で普通免許状を習得する人が多いです。
自分は、何の教員になりたいか、何の教科を教えたいかを明確にする必要があります。
取得したい教員免許の教科に対応している、学部・学科のある大学を選ぶのが重要です。
・教員免許状の有効期限
教員免許更新制は、教員として必要な能力が保持されるように最新の知識や技能を身に付けることを目的としています。
自身の誇りをもって教団に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることにつながります。
教員免許の更新が必要かどうか確認するためには、自分の免許状の有効期限を確認する必要があります。
・教員免許状にかかる費用
大学に通って教員免許を取得する場合は、4年制大学に通う方法と、通信制大学に通う方法とでは異なります。
4年制大学に通う場合は、学位(大卒資格)と教員免許状取得を目指すことになります。
4年制大学に通った場合平均学費は、私立文系で約350万円、私立理系で約490万円です。
通信制大学では、教員免許習得だけで約30~70万円、大卒と教員免許取得両方なら約65~160万円ほどです。
学童のスタッフ(放課後児童支援)
学童とは、放課後や休日、日中に家に両親がいない家庭の子どもを預かる施設です。
そこで働く学童のスタッフは、学童に集まった子どもたちを見守る仕事をしています。
最近では、知的障害や発達障害を対象とした児童発達支援や放課後デイサービスでの需要が多くなっています。
子どもたちの激しい動きについていくのは、塑像以上に体力を感じてしまう仕事です。
また、退職理由として最も多いのが給料の低さです。
保護者との対応が辛く、理不尽なクレームにも対応しなければなりません。
学童の仕事に向いている人は、人とコミュニケーションを取るのが好きな人、体を動かすのが好きな人です。
学習塾や予備校の講師
学校以外で教員免許活かせるのが、学校塾や予備校の教師です。
教員免許がなくても可能ですが、保護者や周囲からの信用や信頼されるようになります。
学校のように大勢の生徒を相手にする集団指導はもちろん、個別指導や事務などもこなす必要があります。
家庭教師
生徒の自宅に訪問し一対一で学習指導を行います。
学習塾や学童スタッフと同様、教員免許の所持は必須ではありませんが、教員を目指している方が、家庭教師をしながら教員採用試験に向けて勉強するというパターンもあります。
重要になってくるのが、生徒との相性です。
どういう性格か、勉強習慣があるのか、成績はどのくらいかなどと言った事を家族から聞いて確認しなければならない。
また、アルバイトで入ると教えることにプレッシャーを感じることがあります。
指導経験不足でお子さんの成績が上がらないと押しつぶされそうになることがあります。
家庭教師は、生徒と個々に成長する機会を得られという意味では魅力的な仕事と言えます。
児童指導員
最近では、知的障害や発達障害を対象とした児童発達支援や放課後デイサービスでの需要が多くなっています。
児童指導員は、療育プログラムを実行し子どもたちの成長を支援するのが仕事になります。
子どものコミュニケーションに苦しみ無力さやつらさを感じて辞めてしまう人も多くいます。
児童にとって、不慣れな生活環境や人間関係などに戸惑い、精神的に落ち着かないケースや心を開いてくれないケースもあります。
しかし、日々の生活の中で子どもたちは、早く成長し変化していきます。
一人でトイレができるようになったり、泣いてばかりいたのが笑顔を見せるようになったりと成長を感じることができる仕事です。
保護者との定期的な面接も含まれます。
子どもの接し方や育て方、生活面・経済面などの様々な相談に応じることも業務になります。
児童指導員は、子どもたちと全般的に遊ぶことで、自身のもつ趣味や特技を仕事で活かすことができます。
例えば、料理やお菓子作りが趣味である場合は、一緒に調理作業を行ったりすることができます。
子どもを指導する際には、色んな発見があり、気づくことがあります。
子どもに教えているようで教わることが多いことがあります。
虐待や経済的事情、両親の病気や死亡など、なんらかの理由によって保護者と暮らせなくなった子どもが集団で生活を送る施設があります。
児童指導員として、児童養護施設で働くことができます。
基本的に子どもたちと生活を共にするため、その勤務体系は宿直業務を含む交代制となることがあります。
障害児入所施設では、「福祉型」と「医療型」の二種類に分けられる。
児童指導員の業務内容も変わってきます。
福祉型施設で働く児童指導員は、発達障害などの児童に対して、食事・入浴・排泄などの介護を行い、自立して生活できるように必要な訓練、レクリエーションなどを行います。
医療施設の場合は、自閉症児、肢体不自由児など福祉施設と比べ重度の障害をもつ子どもや両親に対して、医学的管理の下の介護や、日常生活上の相談支援やアドバイスを行います。
児童発達支援管理責任者(児発管)
児童指導員として経験や相談業務を積み一定の条件を満たせば、児童発達支援管理責任者(児発管)としてキャリアアップすることができます。
児発管の仕事は、個別支援計画を作成し、職場の現場リーダー的な役割を担うことになります。
保護者との面談、児童の支援や療育がより良い方向に向かうように、普段から保護者と良い関係を築いておくことも大事な仕事です。
不安になった時に頼れる存在であったり、専門的な視点からアドバイスをしたりする役割を担っています。
事務作業や雑務については、職場によりますが必要な教材の準備や手配などを行ったり、送迎ドライバーを担当したりすることもあります。
まとめ
・教員免許を取得するメリット
上記以外にも、教員免許状を持っているとメリットがあります。
学校の教師としていつでも働くことができます。
教員採用試験は、不合格になることがありますが、教員採用試験への再チャレンジも可能です。
また、教員採用試験は、私立の学校では、学校で採用試験を実施しているので教員になるチャンスはあります。
教育実習に行けば、教師を体験できます。
学生でありながら、一時的に教師の体験ができます。
教育実習は、決められた期間、母校や指定された学校へ実習に行きます。
人生で、なかなか体験できない貴重な経験になります。
実際に教師の疑似体験をすることで、自分に教師としての適性があるかどうかも確かめることができます。
学校教育の理解を深めることができます。
教員免許を取得する過程で学ぶ科目のなかに、日本教育に関わるものがたくさんあります。
学校教育に対する理解が深まれば、将来自分が子育てを行う際にも知識として活用することができます。
・就職活動で役に立つ
私は、今まで6回程度転職を繰り返していますが、「なぜ教員免許があるのに、入社したいの」「もう先生にならないの」と聞かれたことがありません。
むしろ、「すごいですね」「後輩指導に活かせますね」と好印象なことが多かったです。
4年制大学を卒業し、認定心理士、教員免許の免許を取得することができました。
当時、度胸試しにベンチャーや百貨店などに面接に行き内定を頂いたことが何社かあります。
確かに、教員免許は、教育系や医療系、福祉系の企業には凄く好印象で魅力的な資格です。
教員免許に必要な単位を取るのに講義をたくさん聞かなければなりませんが将来的に必ず役に立ちます。
迷うぐらいなら、とるべき資格であると言えます。
・教員免許を持つことで活かせるのか
教育免許を活かすということは、教育理論、教育の現状、教科など、人の学びに関して専門的に学んできたことを意味します。
教育に関わる仕事であれば、多くの職場で歓迎されます。
持っているだけで、「定年後も学校で働きたい」「家事をしながら学校で働きたい」といったときに、常勤講師や非常勤講師になることができます。
・教員免許を活かして自分をアピールする
教員免許を活かして自分自身を上手にアピールすることが大事です。
教員免許に限らず、どの資格でも大事なことですが、選考において免許そのものの有無が評価されることは多くありません。
大事なのは、免許を習得する過程でどのように努力したのか、取得に向けて勉強をする中でどのようなスキル・知識を取得したのか、どのように活かせるのかを伝えることです。