「教師」の仕事内容を皆さんはご存知でしょうか?
「教師」という職業について、テレビや雑誌・ビジネスシーンなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「教師」の仕事内容や仕事のやりがい・つらいこと・向いてる人の特徴・なりかたなどを知っていないと転職活動ができません。
今回は、現役で「教師」として活躍されている方に、インタビューのうえ、実体験を踏まえて根掘り葉掘り聞いてみましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。
教師の仕事内容と給料
仕事内容
業務は大きく分けて、学級運営・教科指導・校務文章・クラブ活動があります。
担任・副担任として、各学級に配属されます。
学級運営を行います。
毎朝の健康管理や問題解決など、学級が生活やすく学びやすい環境になるようにします。
各教科指導を行います。
平均的に1週間に17時間ー20時間の授業を行います。
生徒の授業理解度にも注意しながら、授業を展開していきます。
定期試験の作成及び採点、成績をつけます。
校務分掌とは、学校を運営するために教員が分担して行う仕事です。
(例)生活指導部:生徒の学校に関連する業務を担当します。
放課後指導や登下校指導・校区巡回・いじめや不登校対応など
教師は教科指導がメインと思われがちですが、教育の最大の目的は「人格の形成」です。
その為、学校生活を通して、生徒たちが一人前の大人になるために導いてやらなければなりません。
学級生活や部活動、その他学校には様々な行事(体育祭・文化祭など)があります。
これらをきっかけに、生徒たちの成長をサポートしていきます。
給料・年収
20代 400万円
30代 550万円
40代 650万円
50代 700万円
※ 採用都道府県及び公立私立での差もあります。
教師の仕事のやりがい
生徒たちの成長を感じることが出来ます。
教科指導では、出来なかった問題が出来るようになったなど、自分のことのように生徒たちと喜びを共有することが出来ます。
教科書だけでなく、板書の工夫、自分で工夫してプリントなどを作成し生徒にやらせるなど、生徒が理解しやすい授業になるよう試行錯誤します。
自らの指導スキルも年を重ねるごとにアップしていきます。
また、生徒の人間としての成長も多々見られることが出来ます。
人前で話すことのできなかった子が、生徒会の一員として学校を良くするために活動するようになったり、行事を通じて生徒が逞しく頼りがいのある人間に成長したり、様々な面での成長を感じることが出来ます。
同じ人間はひとりとしていません。
毎年のように入学式と卒業式があり、生徒は毎年入れ替わります。
毎年違うドラマが始まります。
1年の終わりはとても感慨深いものとなります。
生徒から送られる感謝のメッセージは言葉では表せない喜びです。
教師の仕事で辛いこと
一生懸命教科指導をしても、その生徒に学習習慣がついていなければ、せっかく授業で理解させることが出来ても身につくことなく翌日を迎えることが多々あります。
元々、学習習慣のついていない生徒を改善させるには、保護者の協力も必要です。
その協力が得られないとき、変えたくても変えることが出来ない辛い思いをすることがあります。
中高生とはいえ、生徒はまだまだ子どもです。
家
で言うこと、学校で言うことが違うことは良くあります。
当然のことですが、親御さんは自分のお子さんのことを信じます。
それ故に保護者と衝突することもあります。
自分が親切で行っていた事も、そうでない結果になることがあります。
それもそれで自分が成長できることですが、残念で悲しくなる瞬間でもあります。
教師はサービス業のような位置づけになってきています。
「授業料を払っているのに」「教師なのに」という言葉が親御さんから出たときは悲しい思いになります。
そうならないためにも信頼関係の構築がとても重要です。
教師へ向いている人の特徴3つ
- 子どもが好き
- コミュニケーション能力がある
- 情熱がある
①子どもが好き
そもそもの根本だと思います。
子どもたちの成長をサポートしたい、夢をかなえてあげたいなど、子どもの成長に興味関心がなければ続かない職業だと思います。
生徒たちと共に喜び、共に悲しみ、共に乗り越えてて行くことが出来る人には向いている職業だと思います。
独身・既婚など教師により様々ですが、自身に子どもがいる場合、自分の子どもよりも生徒たちと過ごす時間が多くなります。
教科指導だけでなく、生徒は交友関係や恋愛、家庭環境など、様々な状況での悩みを持っています。
時代が変わり、学校の立ち位置も難しくなってきました。
モンスターペアレンツという言葉が出るように、学校現場はやりにくくなってきています。
それでも辞めることなく教師を続けることが出来るのは、子どもが好き。
それだけだと思います。
教師は子どもが好きであることが一番だと思います。
②コミュニケーション能力がある
ほぼすべての職業に必要なスキルですが、教育現場では特に必要と言えます。
学校は「人と人」です。
対機械ではありません。
まずは教師と生徒。
生徒の考えや思いを尊重しながら、指導していくことが大切です。
教師側の考えを一方的に生徒に押し付けても成果はありません。
互いにコミュニケーションをとることが必要です。
次に保護者とのコミュニケーションをとっていくことが必要です。
生徒の学校での様子や、家庭での様子を保護者と連携することが大切です。
学校では普通を装っていても家庭では違う場合があります。
保護者からの信頼がなければ、このような問題も保護者から教えてもらうことが出来ません。
最後に教師と教師です。
教師により得意不得意があります。
例えば養護教諭から保健室登校の生徒の悩みを聞くことが出来ます。
教師と教師もコミュニケーションをとり、情報共有が必要です。
③情熱がある
働き方改革により、だんだんと現場の状況は改善されていますが、一般企業と違うことは業務が多いということです。
学級運営・教科指導・校務文章・クラブ指導など、多くの仕事を掛け持っています。
どれかの業務に力を入れすぎるあまり、その他の業務を怠ってはなりません。
例えば部活動です。
私は「日本一」を目指し、クラブ指導を行っていました。
日本一を目指せば、練習量は他の部活動よりも多くなります。
休日を返上して練習や練習試合に行ったり。
休日を使わなければ成せない事もあります。
その為、自分の生活を犠牲にすることもあります。
これらの事に残業手当や特別な手当はありません。
情熱だけが頑張る理由になります。
その代わり、お金では買うことのできない素晴らしい体験や経験をすることが出来ます。
中高生の一生懸命には心を動かされます。
教師へ向いていない人の特徴3つ
- コミュニケーションをとることが苦手
- 休日はしっかり休みたい
- 稼ぎたい
①コミュニケーションをとることが苦手
向いている人の特徴に書いた逆です。
人間関係を良好に進めるためにはコミュニケーションです。
相手の思いや考えを聞き、自分の思いや考えを伝える。
聞くことからすべて始まると思います。
自分のことばかり話している人に、聞いて欲しいとは思いません。
これは、教師と生徒、教師と保護者、教師と教師、すべての関係で大切なことです。
生徒は教師を信頼していなければ、自分の悩みを打ち明けることはありません。
保護者との信頼関係がなければ、学校と家庭とで一緒に改善していかなければならないことにも協力を得ることが出来ません。
教師同士の信頼関係がなければ、違う角度からの生徒へのアプローチをすることが出来ません。
教師ひとりで解決できることは知れています。
様々な大人で、生徒を支えて、成長をサポートすることが大切です。
コミュニケーション能力は必須です。
②休日はしっかり休みたい
私は自分のやりたいクラブ指導をすることが出来たので、一切苦痛はありませんでした。
1年の間、ほぼ休むことなく部活動に明け暮れました。
休日になる度に県外遠征など全国を駆け巡りました。
有難い環境に感謝しています。
しかし、学校によっては自分の専門であるクラブがない可能性があります。
また、すでに顧問が配属されているため、自分は違うクラブに回ることがあります。
例えば野球部。
力を入れている野球部は平日練習、休日は練習試合という形をとっていると思います。
休日はしっかりと休みたい。
当然のことですが、これを譲ることが出来ない人は教師はおすすめしません。
配属クラブの希望調査はありますが、その通りにならないこともあります。
実際、これらの時間外業務(クラブ活動)についての記事は見たことがあると思います。
現場も様々な方法で対策を行ってはいますが、現実問題難しいこともあります。
③稼ぎたい
就任して直ぐのころは必死でした。
放課後になればすぐにクラブ活動、それが終わってから教科指導を考えたり、生徒の提出物を見たりしました。
日をまたぐことも何度かあったと思います。
それでも私は充実していました。
やりがいを感じ、その生活は全く苦ではありませんでした。
しかし、人間は対価を求めてしまうものです。
いくら生徒が分かりやすいように教材研究をしても、クラブで日本一を目指しても、給料は変わりません。
教師の給料は年功序列なのです。
放課後になれば部活動をもう一人の顧問に任せ、
帰宅する50代教師(授業も分かりにくいと生徒から評判が悪い)が居ました。
いくら私が頑張ろうと、その教師に給料で勝つことはできません。
自分の能力が正当に評価され、歩合制で高い給料を獲得したいと考えている人には教師に限らず公務員はおすすめしません。
教師へなるには?
- 必要資格
学校の種類(校種)や教科に応じた教育職員免許状を習得済み及び取得見込み - 就職方法
教員採用試験時期・内容は自治体にごとに違いますが、1次試験と2次試験の2段階に分けて実施されます。 - 筆記試験
一般教養試験:強化問題・時事問題・一般常識
教職教養試験:教育原理・教育法規・教育心理・教育史・教育時事
専門教養試験
小論文:筆記試験の中に小論文を実施している自治体もあります - 面接試験
- 模擬授業
限られた時間で、教室内の指導を受験者が実演する模擬授業
様々なビジネス書を読みましたが、教育現場はもっともお金から遠い職業と書かれています。
「やりがい」は他のどの職業にも負けないものがあると思います。
本当に教師になりたい人だけ、なることをオススメする職業です。
頑張ってください。