「製造業」の仕事内容を皆さんはご存知でしょうか?
「製造業」という職業について、テレビや雑誌・ビジネスシーンなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。
「製造業」の仕事内容や仕事のやりがい・つらいこと・向いてる人の特徴・なりかたなどを知っていないと転職活動ができません。
今回は、現役で「製造業」として活躍されている方に、インタビューのうえ、実体験を踏まえて根掘り葉掘り聞いてみましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。
製造業の仕事内容と給料
仕事内容
製造業と一言でいっても内容は幅広くあります。
大きく分けると製品や設備の設計をおこなう上流工程、実際に製品や部品の加工をして機械または製品を作る下流工程のふたつがあります。
まず上流工程の内容から説明します。
はじめにどんな製品を作るか考えます。
世の中の需要であったり、顧客の要望に沿ったものといった感じです。
作る製品が決まったら、そこから具体的にどんな機械・設備で作るのか、またそれをいかに低コストで実現させるのかというように話をつめていきます。
そして方針が決まったら製品・製品を作る機械・製品を量産するための設備の図面やレイアウトを作ります。
ここまでがおおよその上流工程となります。
ここから下流工程の内容になります。
上記のような流れから図面があがってきたら、それらを作ります。
機械であれば部品や金属の塊を買って、工作機械で加工して組み立てます。
そして組み上がった機械で製品の試作をおこないます。
試作品を検査して問題がなければ合格となり、量産になります。
ここまでが製造業の主な仕事内容となっています。
給料・年収
年収は300万~400万です。
製造業の仕事のやりがい
製造業ならではのやりがいはやはり実際に自分で作ったものを目にできること、また世の中に出回るという達成感だと思います。
たとえば、自動車のボディの設計をした人であれば路上で自分が手掛けた自動車を見かけるたびに嬉しくなることでしょう。
百円均一で売ってそうな小さなものであっても、お店にいくたびに用がなくともついつい置いてあるかな、と見に行ってしまうようなこともあると思います。
どんなものであっても自分が作った、あるいは少しでも関わったんだという気持ちはなにものにも代えがたいものでしょう。
また、ものづくりというのは多くの人が協力してつくるものであるため、仲間との一体感といったものも得られます。
職場に昔からいる職人のようなひとたちの技術を見て、自分とは全然出来が違うのはなぜだろうと悩み考え試しているうちに、いつのまにか一人前になっている。
そういった技術面での満足感も手に入れることができるでしょう。
ひとによってやりがいがものなのか、人間関係なのかは変わるところですが、他の職業よりは多くのやりがいを探すことができるでしょう。
製造業の仕事で辛いこと
製造業ならではの辛いことは多岐にわたります。
ひとつは多くの人がイメージしているであろう工場勤務ということに関する内容です。
きつい・汚い・臭いという3Kを思い浮かべる人も多いかもしれません。
実際に多数の製品の入った箱を運んだりする作業は肉体的にきついです。
重いものを手で持ち上げて機械にセットする、といったこともあるため腰には要注意です。
汚いに関しては、その職場環境によるところが大きく、清掃を徹底している工場であれば汚くはありません。
臭いは油等を使うことがおおいため、そのうちなれます。
どこの工場も換気には気をつけているはずです。
上記は主に現場作業と言われる人たちの内容で、上流工程である設計者たちはまた違った辛さがあります。
会社の上層部にはせっかく描いた図面を何度もダメ出しされる、現場の人たちにはこんな設計じゃいい製品ができないというダメ出しをされるなど、精神的に辛いことが多いかもしれません。
職場環境は現場よりは夏は涼しく、冬は暖かい場所で作業できる可能性が高いのでそこはプラスです。
製造業へ向いている人の特徴3つ
- こだわりがある人
- 細かい作業が得意な人
- 集中力がある人
①こだわりがある人
製造業にはこだわりがある人が向いている理由について説明します。
製造業は当然ながらものをつくる仕事です。
ものをつくると言っても単純に作ればいいだけではありません。
どんなものであっても品質というものが関わってくるからです。
品質というのは、あんぱんを例に上げて説明すると、
パンの中にあん以外の異物が入っていないか(安全・衛生面)、あんが腐っていなくて美味しいか(機能面)、あんぱんに不必要な穴がある、または潰れていないか(外見)といったようなものがあります。
あんぱんを作る人がこだわりもなにもなく、意識の低いひとが作ると多少髪の毛が入ったけど大丈夫だろう、少しくらいつぶれてても食べられる、といったようなことがされて世の中にそういったあんぱんが出回ってしまいます。
そういうものが世の中に出回ると最悪の場合、人が死に、社会的問題となり会社が潰れてしまいます。
食品を例にあげましたが、機械でも同じことが言えるため、よりこだわりをもっているひとが向いています。
②細かい作業が得意な人
製造業には細かい作業が得意な人が向いている理由について説明します。
どんな大きな機械や装置であっても、ひとつのものとして最初からできているわけではありません。
小さな部品と大きな部品を組み合わせる、また大きな部品と大きな部品を組み合わせることが多いのです。
その部品を組み合わせるのに使うものがなにかといえば、ネジや釘といったものです。
ネジを締める位置というのは機械の構造上こわれないような位置や、しっかり締めて補強したいという意図で設計しているものです。
ネジ穴をあける位置がずれてしまえば修正のしようがないため、図面に指示された位置にちゃんと穴をあける必要があります。
今でこそ多くの作業を機械でこなすことが増えてきましたが、まだまだこういった手作業というのも非常に多く残っています。
こういった作業をおこなうひとはしっかり確認して、間違いなく作業をおこなえるような細かい作業の得意な人が向いています。
③集中力がある人
製造業には集中力がある人が向いている理由について説明します。
現場作業では同じことを繰り返すことが非常に多いです。
また、安全面に最大限の考慮がされているとはいえ、基本的に機械というのは危険なものです。
そのため毎日の繰り返しで慣れた作業を感覚でやってしまいケガをする、といったことがよくあります。
指先を切る小さなケガから、腕や足の切断といった大きなケガまで様々あります。
会社側がいくら安全面に注意を払っていても作業者の気が緩んでいてはどうしようもありません。
また、集中力があるということは製品や周りをよくみているということでもあるので、
製品についた細かいキズであったり、機械の異常にすぐ気づいて止められることもあるでしょう。
そういった意味で作業に集中できるひとというのは製造業に向いており、また会社から重宝される人材となるでしょう。
製造業へ向いていない人の特徴3つ
- 雑な人
- 協調性がない人
- キレイ好きな人
①雑な人
製造業には雑な人が向いていない理由について説明します。
どのような仕事であっても雑な人というのは向いていないものであるかもしれません。
しかしそのなかでも製造業は特に向いていません。
なぜなら製品や機械に不具合があった場合、大きな事故につながるからです。
例えば、ネジを1本締め忘れたことで最初のうちは使えていてもだんだんとバランスが崩れていき、機械が崩壊して人を巻き込むといったことがありえます。
ネジの本数はあっているか、締め忘れがないか、しっかりと確認作業をおこなえることが大事です。
これは管理職側でも同じで、部下がネジを締めたものを、上司が部下を信用しているから確認しないなんてことはあってはいけないことです。
作業する人も管理する人も雑な仕事はひとの命にかかわることであるとちゃんと認識できるひとでなければいけない仕事です。
②協調性がない人
製造業には協調性がない人が向いていない理由について説明します。
ものづくりは多くの人が協力して製品をつくります。
そのなかに協調性がない人がひとりでもいると良い製品はできません。
製品の一部にどうしてもオリジナリティを出したいといった自己顕示欲であったり、現場は大変だろうけどこうしたほうが設計は楽だから、といったような独りよがりな行動は製品をつくるうえでコストや手間を増やすだけで百害あって一理なしの状態になります。
多くの意見を取り入れてみんなが納得し、かつ楽に製造できるものをつくることが製造業において重要なことです。
また、現場作業では、自分ひとりだけ安全ルールを無視して作業するといったようなことも、もしケガをしたときには連帯責任になるため、非常に迷惑な存在であるといえます。
多くの作業がひとりでは完結しない製造業だからこそ協調性は重要なものとなっています。
③キレイ好きな人
製造業にはキレイ好きな人が向いていない理由について説明します。
工場というのは基本的にきれいなものではありません。
床や壁は油まみれ、砂ほこりが舞っているというのはよくある話です。
ものをつくる現場では様々な油をつかうため、においもしますし、髪や服ににおいがつくこともあります。
手や爪がよごれたり、すこしの切り傷なんてものは当たり前です。
また、髪や爪を伸ばしたりおしゃれな格好をしてできるような作業ではありません。
製造業のひとは喫煙率も高いので、タバコのにおいがしていることもあります。
いくら整理整頓清掃を重視している職場であっても限界はあるものです。
そのため、きれいな服やおしゃれな格好で仕事をしたいというひとには向いていません。
これは設計をする側であってもほとんど同じです。
設計者は現場にいくことがそれなりにあるため、基本的な服装は現場の人と変わりないからです。
製造業へ就職する方法
大手の転職サイト、ハローワーク、基本的にどこでも募集をかけています。
基本的に何歳からでもなれますので、ぜひ挑戦してみてください。