教育関係

中学校教員の年収や給料は?仕事内容ややりがい

中学校教員の仕事内容

「中学校教員」の仕事内容を皆さんはご存知でしょうか?

「中学校教員」という職業について、テレビや雑誌・ビジネスシーンなどで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。

「中学校教員」の仕事内容や仕事のやりがい・つらいこと・向いてる人の特徴・なりかたなどを知っていないと転職活動ができません。

今回は、現役で「中学校教員」として活躍されている方に、インタビューのうえ、実体験を踏まえて根掘り葉掘り聞いてみましたので、これから目指そうと考えている方の参考になることでしょう。

中学校教員の仕事内容と給料

仕事内容

仕事内容は多岐にわたっています。

一般的に学級経営や授業、部活動顧問などは知っている方が多いと思うのでそちらは省きます。

①校務分掌関連

校務分掌に関してはとにかく色々とあります。

特に各校務分掌のチーフや主任になると仕事量が上がります。

例えば人権教育の校務分掌の担当になると、毎年、人権作文の応募の取りまとめをしたり、人権メッセージの取りまとめと選定、提出などがあったりします。

また、その取りまとめをする際に大量の紙を印刷したり、作品一つ一つに目を通していかなければいけないのでとにかく大変です。

これ以外にも体育主任や理科主任などの教科の主任になると体育祭の運営や化学作品展の取りまとめ等の活動も入ったりもします。

校務分掌に関しては1つ2つの役職であれば何とか回りますが、これが複数の役職になると手が回らなくなります。

②中体連関連

部活動の顧問になる人も、自分の学校のことだけでなく市区町村内や地区、都道府県等の中体連に所属することになります。

市区町村内だけでも総合体育大会、新人戦の運営、地方大会の運営に携わることになります。

ちなみに運動部であれば審判もやらされます。

大会関係に関しては結構休日に駆り出されることもあるのですが、出るのは交通費が少々とその日の弁当代ぐらいでそれ以外は基本的に手当等はほぼありません。

また、これらの活動の中には他校の先生との連絡調整などもあるので、目に見えない労働時間が発生しているので負担は相当大きい部分になります。

③会計関連

人によっては会計関連の仕事も回ってきます。

お金が関わる内容なので責任は重大で、ひとつひとつの領収書類や通帳の中身も気にしていかなければいけません。

他の先生が関わる会計関係だと、基本忙しいので領収書をなくしてしまう人もいたり、手続き等が期限ギリギリになってしまったりするのもしばしばあります。

年度末に監査も入るので1円のズレも許されないし、用途不明のお金の使われ方なんかをしたりすると本当に焦ります。

④学年事務関連

学年ごとにテストごとの点数の集計を行ったり、成績の照らし合わせ、学年会という定期的な会議があったりとこれらを通常時間外に行うことが多々あります。

空き時間が多い先生は空き時間でやってしまう人もいますが、そうでない先生もいるので、その場合は放課後の生徒が帰った後にやらなければいけません。

学年会に関しては学年の先生がほぼ全員いないとできませんので、これも基本放課後になります。

(学校によっては授業時間を調整して勤務時間の中で学年会を行うところもありますが、50分ぐらいで終わるような内容ではないので基本足りない分は放課後になってしまうことも多々あります。)

⑤学年、学校行事関連

学年や学校の行事ごとに役割が割り当てられるのでそちらの仕事もあります。

一番きついのは学校、学年行事の中心になる人たちはとにかく取りまとめや割り振り等が大変です。

また、基本生徒も関わってくるものなので、クラスによっては意見集約に時間がかかるところも出てきたりして、報告期限がギリギリになってくると本当に焦ります。

準備の計画等が変更になり、その判断を求められては決断をすることも多々あります。

ここで紹介したこと以外にもまだまだありますが、文字数の関係上説明できるのはここまでになります。

見ての通り一般的な仕事のイメージよりも遥かに大量の業務が複数重なった状態で回ってきます。

給料・収入

年収は400~500万円程度です。

中学校教員の仕事のやりがい

生徒と直接関わる内容の仕事に関しては面白いですし、やりがいがあります。

学級経営に関しても、自分のクラスの生徒との何気ない会話や駆け引きなどは本当に教師としての仕事をしているなと感じます。

いじめの問題など深刻な内容に関しても、お互いの話をよく聞いていると人間的な面で多くの助言ができたり指導をすることができますし、それをきっかけに生徒が成長してくれることもあるので、そのような成長の過程に関われるのが一番やっていて良かったなと思えます。

何よりも、自分が学級、学年、部活動で手をかけてきた生徒が卒業していくときに感謝をされたときは全てが報われた気持ちになります。

卒業後にも自分を慕ってきてくれる生徒もいて、その生徒の近況報告や卒業生の成長を聞くことができるのも楽しいです。

短期的な部分で言うと、自分が担当した教科の授業でわからなかったり、できなかったりした生徒がわかるようになったり、できるようになったりしたときに立ち会えた時にも楽しさを感じられます。

中学校教員の仕事で辛いこと

業務量の過剰さと、それに付随する人間関係がとにかく面倒です。

ただでさえ授業準備や部活動の指導準備などでも時間がかかるのに、先ほどお伝えした業務が重なって自分のところに押し寄せてきます。

とにかく、生徒に関わる仕事を優先したいのに、期限などが決められていてやらなければいけないものほど生徒に直接か買わその時間がしっかりととれずに、それだけであればまだいいのですが、陰で別の先生の行動に対しての愚痴を言う人もいますし、表立って足を引っ張るようなことをするような人も正直います。

隣のクラスの先生には甘々なのに、なぜか自分の方にだけ風当たりが強いなどの不平等感もあからさまに行う人もいます。

正直学年がこのようなメンバーになってしまうと、そのまま数年間は同じメンバーでやっていく可能性が高いので、モチベーションが徐々に削られてしまいます。

どの仕事も同じような悩みの部分にはなってしまいますが、中学校の教員は教科ごとに担当が違うので、連携は必須になってきてしまうので、関係が悪くなってしまような対応をしてしまうとしばらくは辛い立場になってしまうので安易にキレることもできません。

中学校教員へ向いている人の特徴3つ

向いてる人の特徴3つ
  1. 複数のタスクを同時に処理することが得意な人
  2. 要領が良い人
  3. 女性で近々結婚を予定している人

①複数のタスクを同時に処理することが得意な人

業務量がとにかく尋常じゃないレベルで多いです。

ひとつひとつの仕事をゆっくりと丁寧に行っていく余裕はありません。

同時進行でタスクをこなすことができる人は特に重宝されると思います。

どの時期もだいたいは忙しいので、コンスタントにペース配分をして複数の仕事を同時に行っていき、しっかりと期限より早く仕事ができるのが理想的です。

特に成績処理が重なってくる7月、12月、3月のあたりは猫の手でも借りたいぐらい色んな仕事が同時に入ってきます。

だいたいこの時期は成績処理や通知表関連、学年末の事務処理などのことがメインではあるけれども、体育祭関連や期末PTA、学年行事に関することも同時に行っていったり、こういう時期に生徒指導に関わる案件なども一緒に発生するので、この力がない人は正直おすすめしません。

②要領が良い人

要領の良さについては多くの面で必要とされます。

先ほどの自分のキャパシティではさすがにさばき切るには限界があります。

働いていて非常に感心したのが要領よく仕事を振っていき、少しでも自分の手を軽くすることができる人です。

普段から適度な距離感を保ちながら、困ったときには助けを求め、コミュニケーション力が非常に高い人ほど愛されます。

このように要領の良い人はできる限り自分への負担を軽くしていきながら、本来力を入れるべき生徒との直接的な関わりに重点を置くことができるので、生徒からの評判も良く、かつ先生間の中でも上手く立ち回ることができます。

単純な仕事の負担を軽くすることだけを考えるのではなく、その軽くなった分の時間をしっかりと生徒へ還元することができる人は教員という仕事は向いているのではないかと思います。

③女性で近々結婚を予定している人

若い男の先生で情熱にあふれている先生はあまり良い言い方ではないですが、良いように使われてしまいます。

本当は自分がやらなくてもいい仕事なんかも引き受けてしまい、業務過多で疲れ果ててしまう人が多いと思います。

この教員という仕事に関して言えば、女性ですでに結婚を予定している人は周囲の人間も仕事の分量を減らそうという意識になります。

(その分の仕事が若い男の先生に回ってくるのですが…)また、結婚して産休や育休なども非常に取りやすい環境にはなっているので、いったん現場を経験した後に少し休みをもらいながら給料ももらうことができるので、結婚を予定していて長く安定して働きたい人には合っているかもしれません。

またお子さんがいる方に関しては早く帰る口上にもなり、周りも気を使ってくれるので、体力がある若い男性よりも得をすることはできると思います。

中学校教員へ向いていない人の特徴3つ

向いてない人の特徴3つ
  1. 若い独身の男の先生
  2. 情熱に溢れていて努力家の先生
  3. 真面目な先生

①若い独身の男の先生

若い独身の男の先生に関しては体力がある分、とにかく良いように使われてしまう危険があります。

若いというだけでパソコンができるとか、何かのPTAの行事(休日)に駆り出されるとか、中体連で色々と任されたりとかもする可能性があります。

また、独身ということもあり養っていく家族がいない分、何かと休日の活動に駆り出されることもしばしばあります。

大体遅くまで頑張っている先生の多くは男の先生ですが、その中でも若い先生に関してはさらに率が高いように感じます。

上記の理由もあり、本当は自分の仕事じゃないことでも色々と頼まれてしまい、自分の仕事になかなか手を付けられないという人が結構います。

また若い分、体力もあるので遅くまで仕事をしていてもなんとか乗り切ってしまい、頼まれたことを達成してしまいます。

そこから、またさらに頼まれごとをその都度振られてしまい、キャパシティをオーバーしてしまうなんてことがあるので若い独身の男の人にはあまりお勧めしません。

②情熱に溢れていて努力家の先生

情熱に溢れていて努力を惜しまない人は丁度いい塩梅がわからなくなってしまい、精神的に余裕のない状況に陥ってしまう可能性があります。

生徒にとっては本当に素晴らしい先生なのですが、仕事という面で考えると正直融通が利かないというデメリットが存在してしまいます。

また、このような人ほど理想が高いため働いているうちに現実を痛感してしまい、徐々に気力がなくなってきてしまう危険性があります。

そうしていく内に努力をする時間がなくなると同時に、努力をしなくなってしまっている自分に対して罪悪感を抱いてしまうという矛盾が発生し、精神的に疲弊していきます。

このような自己矛盾を抱き続けていくと、少しずつ元気がなくなってしまい、体調を崩してしまうという取り返しのつかない状況まで追い込まれてしまう危険性があるので、非常に惜しい存在ではあるのですがおすすめしません。

③真面目な先生

真面目な人ほど精神的に辛くなってきてしまう職業でもあります。

不真面目とまではいかないにしても、多少手を抜いても気にしないぐらいの図太い神経は必要だと思います。

要するにオンとオフをしっかりと切り替えることができるのが一番です。

ベテランと言われる人からも指導という名のお叱りを受けることも多いのですが、ある程度聞き流せるぐらいが丁度いいぐらいです。

ベテランの先生の内容を真面目に実践したからといって必ずしも上手くいくとは限りません。

教員という職業ではテクニック的なところありますが、その時の時代の流れであったり、相手にしている生徒であったり、その先生のパーソナリティに大きく左右される部分なので、正直正解というものは存在しません。

真面目過ぎると逆に損をしてしまいますのでご注意してください。

中学校教員になるには?

教員養成課程がある4年制大学で必要単位を取ると教員免許を取得することができます。

また、二種免許等によっては放送大学や明星大学などの通信で取ることもできます。

難易度については普通~難しいぐらです。

正規教員になるためには各都道府県で行われる教員採用試験に合格することが必須ですが、教員免許状があれば各自治体で講師登録をすることで常勤講師や非常勤講師などの採用連絡が来るので、そこで勉強をしつつ採用試験合格を目指すのも一つだと思います。

教員を経験した私からのアドバイスとしては、あくまでほどほどにやっていった方が良いと思います。

向いていない人で3つ程挙げましたが、教員でなくても輝くことができる職業もあったりします。

逆に上手に仕事をこなしつつ、教員としてのやりがいをもって仕事をしている人もいますので、そういう人をしっかりと見習い、自分らしさを大事にした先生なっていっていただけると、生徒にもいい影響になります。

マイナスな面が少し多く伝えてしまいましたが、生徒の成長を間近に感じることができる点では圧倒的に素晴らしい職業ではあります。

ぜひ未来の子どもたちに伝えられる良い先生になってください。

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