2019年の働き方改革からテレワークが注目されはじめ、導入に向けて多角的にメリット・デメリットが検討されました。現在、テレワークは多様な働き方の実現と、生産性向上に貢献することがさまざまな調査から判明しています。
今回の記事では、企業側・社員側の両方から見たテレワークのメリット・デメリットについてまとめました。くわえて、総務省の統計・調査結果などをもとにテレワークの実態を解説します
本記事でテレワークのさまざまなメリットを知り、転職時の判断材料として活用してください。テレワークで多様な働き方を実現し、より豊かな生活を目指しましょう。
総務省のアンケートから見るテレワークのメリットや課題
2021年に実施された総務省のアンケートでは、以下のようなテレワークのメリットが上位に入りました。
- 通勤時間が削減される(81.5%)
- 好きな場所で作業をすることができる(53.8%)
- 自分や家族のための時間をとりやすくなった(45.1%)
- 作業に集中できる(37.1%)
- 病気の予防になる(32.9%)
調査によれば、多くの従業員が時間に余裕ができる点をメリットだと感じています。
一方、テレワークの課題について尋ねたところ以下のような回答がありました。
- テレワークに適した仕事ではないため(36.3%)
- 勤務先にテレワークできる制度がないため(27.9%)
- 会社に行かないと利用できない資料(19.4%)
- 社員同士のコミュニケーション(17.8%)
- 上司からの確認・指示を得にくい(10.8%)
課題の上位は仕事がテレワークに適していなかったり、テレワーク制度が社内になかったりといったことでした。課題解決には、企業がテレワークの意義を認めて積極的に制度作りをする必要があります。
社員から見たテレワークのメリット
テレワークによって、社員がどういったメリットを受けられるのか見ていきましょう。
生活の質の向上
テレワークで働ければ生活の質がアップします。
テレワークで出勤が減れば通勤時間が不要になります。たとえば、「満員電車に乗る」「車での通勤で渋滞にはまる」などのストレスがたまりません。
くわえて、テレワークなら好きな時間に休憩が取れるため、自分のペースで仕事を進められます。ほかにも、朝型の人は午前中に集中的に働いたり、夜型の人は夕方から仕事をしたりと自由に時間を割り振れます。
生産性アップ
テレワークをすると生産性の向上が見込めます。
オフィス勤務はコミュニケーションが取りやすい反面、集中したいときに話しかけられて仕事が中断されるケースが見られます。しかし、テレワークなら集中して仕事に取り組めるため生産性の向上が可能です。
総務省の調査によればテレワーク導入企業の経常利益は、導入していない企業の1.6倍でした。また、生産性向上目的でテレワークを導入した企業の8割が、目的を達成できたと回答しています。
生産性向上の理由は作業の中断がなくなったことだけではなく、企業自体がデジタル化・DX化に取り組んだ結果だと考えられます。
副業へのチャレンジが可能
テレワークを実施すると自由時間が増え、副業にチャレンジしやすくなります。副業にチャレンジすれば、以下のようなメリットを得られます。
- 収入の増加
- スキル・経験知の取得
- やりたいことにチャレンジできる
ただし、本業にくわえて副業をすると労働時間が増えるため、働き過ぎや体調管理には注意してください。テレワーク環境で効率的に、スキルアップ・キャリアアップを実現しましょう。
企業から見たテレワークのメリット
テレワークは企業にとっても多くのメリットがあります。企業側から見たテレワークのメリットについて解説します。
多様な人材の活用
テレワークを導入すると、多様な人材を活用できるようになります。テレワークは時間・地域に縛られない働き方が可能だからです。
たとえば、以下のような人材を企業は活用できます。
- 育児・介護などで時短勤務しかできない人
- 地方・海外在住の人
- ノマドな働き方を希望している人
- 通勤が難しい高齢者
多様な人材の活用には、以下のような大きなメリットがあります。
- 新しいアイデアが生まれやすくなる
- 人手不足解消
- 企業評価・企業イメージの向上
コスト削減
テレワークはコスト削減にも大きく貢献します。テレワークによって削減できるコストは、以下の通りです。
- 通勤費用
- 出張費
- オフィス賃料
- 水道光熱費
- 紙の印刷コスト
- 人材採用コスト
テレワークを本格的に導入すれば、大きなオフィスが必要なくなり賃料の安いオフィスに引っ越せます。さらに、テレワーク環境で自由な働き方を実現できれば、人材流出が減少して結果的に採用コストを下げることにつながります。
自社でテレワークを導入した場合、どれくらいのコスト削減効果があるのか検討してみましょう。
事業継続性の確保
テレワークは緊急時の事業停止リスクを下げ、早期の業務再開・回復を見込めます。
2020年のコロナ禍で、多くの事業が停止するリスクにさらされました。しかし、テレワークを導入していた企業は事業が停止する危険性を回避できました。
災害・緊急時に事業継続性を確保できた例としては、日本マイクロソフトが挙げられます。日本テレワーク協会によれば東日本大震災が発生した翌週に、日本マイクロソフトは原則テレワークを決定しました。
この決定を受けて社員の85%は出社しませんでしたが、その間もビジネスは一切止まることはなく震災前と変わらないパフォーマンスを維持しました。
営業効率アップ
テレワークを実施すると営業効率が向上します。
たとえば、Web会議ツールでオンライン商談すれば移動時間減少・商談件数増加といった営業効率化が見込めます。また、既存顧客とも気軽にコミュニケーションが取りやすくなり、関係性の維持や深化も可能です。
企業イメージの上昇
テレワークを推進すると企業イメージの上昇につながります。
2019年に実施された働き方改革から、政府はテレワークを推進しています。また、2020年のコロナ禍によって多くの企業ではテレワークの導入が進められました。
テレワークの導入を内外に告知すれば、多様な人材の活用につながります。また、働き方改革推進により従業員への配慮がある企業としてのアピールが可能です。
デジタル化の推進
テレワークを導入するためには、デジタル化の推進が必須です。
テレワークではオンラインのコミュニケーションがメインになり、ペーパーレスな環境が重視されます。
ペーパーレス環境の構築には、電子契約・Web会議ツール・チャットツールなどの導入を検討しましょう。また、必要な資料をオンラインストレージなどで共有するといった仕組み作りも求められます。
自社に最適なデジタル化による仕組み作りを検討しましょう。
社員から見たテレワークのデメリット
テレワークのデメリットを事前に知って、自分の環境に当てはまるリスクへの対策を立てましょう。
コミュニケーションが取りづらい
テレワークでは、上司・同僚・部下とのコミュニケーションが取りづらくなる可能性があります。
オフィス勤務の場合、物理的に距離が近いことから手軽にコミュニケーションが可能です。しかし、テレワークの場合は離れた場所にいるためコミュニケーション頻度が下がります。
Web会議・チャットツールでは、対面による細かなニュアンスや雰囲気は読み取れません。さらに、テレワークでほかのメンバーと会う頻度が減ると、日常会話が少なくなり疎外感や孤独を感じやすくなる危険性があります。
以下のことを、コミュニケーション不足への対策として検討しましょう。
- テレワーク用コミュニケーションルールの設定
- コミュニケーションツールの導入
- 1対1のミーティングを実施
- 定期的な業務外コミュニケーションを取れる環境作り
- 共通の出社日の設定
時間管理・自己管理が難しい
テレワークは、時間管理・自己管理を自分で行う必要があります。
オフィス勤務では、設定されたタイムスケジュールにしたがって業務を進めるだけでした。しかし、テレワークの場合はすべて自分で決めなければなりません。
仕事をタスク化して、スケジュール管理ツールで管理するなど対策を立てましょう。
作業効率が低下するかもしれない
テレワークは一般的に生産性を向上させますが、中には作業効率が低下する人もいます。
厚生労働省の調査によれば、テレワークが生産性に悪影響を与えないと回答した人は9割でした。しかし、1割の回答者からは「コミュニケーションが取りづらくて生産性が下がった」との回答がありました。
作業効率の低下を避けるには、事前に業務の重要ポイントを洗い出して上司に確認しておきましょう。
運動不足に陥る可能性がある
テレワークは通勤が不要になるため、運動不足に陥りがちです。
仕事の1日の平均歩数は、PAYCIERGEの調査によれば4,000歩~9,000歩ほどです。筑波大学の調査によれば、コロナ禍でテレワークが導入されて約30%も歩数が減少したとのことです。中には1日の歩数が70%以上減少したという人もいました。
運動不足は健康リスクを上げるため、散歩などの運動習慣をつけるようにしましょう。
企業から見たテレワークのデメリット
企業から見たテレワークのデメリットは多くありません。どれも対策可能なデメリットばかりですので、しっかりと対応しましょう。
勤怠管理が難しい
テレワークは、オフィス勤務よりも従業員の勤怠管理が難しいことがデメリットです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの統計によれば、テレワークを導入していない理由の14.6%が勤怠管理が難しいからでした。
オフィス勤務では、タイムカードなどで客観的に出勤・退勤が記録できます。一方、テレワークの場合は原則的に自己申告になり客観性が担保できません。
そのため、仕事を時間で計測するのではなく成果物で測るといった変更が求められます。くわえて、テレワークに適した勤怠管理システムの導入を検討しましょう。
プロジェクト・タスク管理に工夫が必要
テレワークを実現すると、プロジェクト・タスクの進捗管理の難易度が上がります。
オフィス勤務なら対面で進捗を確認できますが、テレワークの場合はプロジェクトやタスクの見える化が必要です。そのため、プロジェクト・タスク管理ツールの導入を検討しましょう。
プロジェクト・タスク管理ツールを導入すれば、進捗の一元管理や状況把握が容易になり無駄な工数を減らせます。同時に、進捗やタスクの記入タイミングなどのルールを適切に設定しましょう。
セキュリティリスクがある
テレワークにはセキュリティリスクがつきまといます。
テレワークは、自宅・コワーキングスペース・カフェなどオフィス以外の場所で業務を行います。そのため、セキュリティリスクの高いフリーWi-Fiを利用する人も多いです。また、通常のインターネット回線のセキュリティレベルも十分ではありません。
もし個人情報や重要なデータが漏えいすると、企業の信用問題となります。
セキュリティリスクの最小化には、VPNの導入を検討しましょう。VPNとはインターネット回線を仮想的に専用化するとともに、通信内容を暗号化して保護する仕組みです。
VPNの導入以外にも、セキュリティポリシーを策定するなど十分な対策を行ってください。
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まとめ:デジタル化・DX化などの工夫でテレワークのメリットを活かそう!
テレワークは企業・社員の両方にとって大きなメリットを得られることが、さまざまな調査から明らかになっています。
社員にとっては、満員電車や車での渋滞の中を通勤せずにすみストレスから解放されます。企業にとっては、生産性向上・多様な人材の確保・コスト削減といったメリットを得ることが可能です。
デジタル化・DX化を進めれば、さらにテレワークのメリットを大きく得られます。テレワークを導入している企業への転職を通じ、より豊かな生活を実現しましょう。