「追い越し」とは進路変更をし、前の車の側方を通過して、前の車の前方に出る行為のことであり、「追い抜き」とは、進路変更をせずに前の車の側方を通過して、前の車の前方に出る行為のこと。
進路変更の有無の違いである。
「追い越す」とは?
追い越すとは、自動車などの車両が、自分が走行している道路から進路を変えて、進行中の前の車などの前方に出る行為のことをいいます。
道路交通法では、「車両が他の車両等に追い付いた場合において、その進路を変えてその追い付いた車両等の側方を通過し、かつ、当該車両等の前方に出ることをいう」となっています。要するに、1、進路を変更 2、追い付いた車両の側方を通過 3、追い付いた車両の前方に出る ことの3つを指します。
つまり、自動車などの車両が進路を変更し、前の車の側方を通過し、その前方まで出るまでの状況を「追い越す」としています。
前方まで出る動作までのことを指しているので、例えば、前方の車が遅いなどの理由でその車の前に行きたい場合、進路を変えて、前方に出ることを言うので、前ぽに出た後の進路変更の有無など、のちの進路についてまでは、想定されていません。
「追い抜く」とは?
追い抜くとは、車両通行帯がある道路などにおいて、自動車などの車両が、進路変更を伴うことなく、前の車の側方を通過して、前の車の前方に出ることがあります。
このような行為については、道路交通法の規定は特にありません。しかし、進路変更をし、前の車の側方を通過して、前の車の前方に出る「追い越し」と区別するために「追い抜き」と呼ばれています。
つまり、追い抜きとは、車が進路を変えないで、進行中の前の車の前方に出ることをいいます。
例えば、2車線以上ある道路において、自分の走行車線とは違う車線に走行速度が遅い自動車などがいて、前方に出たい場合、車線変更をせずに前方に出ることができれば「追い抜き」ということになります。
また、前方に出たのち、車線変更をしてもしなくても、「追い抜きをした」ということには変わりありません。
「追い越す」と「追い抜く」の違い
追い越しとは、車が進路を変えて、進行中の前の車の前方に出ることです。つまり、進行中の前方の車を抜くときに、進路を変えたか・変えないかが「追い越し」と「追い抜き」の違いになります。
道路交通法では、次の9つの状況における追い越しが禁止されています。
- 標識などにより追い越しが禁止されている場所
- 道路の曲がり角付近
- 上り坂の頂上付近
- 勾配の急な下り坂
- トンネル(車両通行帯の設けられた道路は除く)
- 交差点とその手前から30m以内の場所(優先道路を通行している場合を除く)
- 踏切とその手前から30m以内の場所
- 横断歩道とその手前から30m以内の場所
- 自転車横断帯とその手前から30m以内の場所
追い越し違反をした場合は、普通車の場合、9000円の罰則金と違反点数2点が課されます。
「追い越し」は道路交通法で定義され、追い越しをしてはいけない場所での追い越しは違反になりますが、「追い抜き」は違反ではありません。
また、左側方からの「追い抜き」は違反にならないことが多いですが、左側方からの「追い越し」は道路交通法違反となるので注意が必要です。
そして、欧州などでは、左側方からの追い抜きも違反になることもあるので、注意が必要です。