料理が好きで、家で料理した時も盛り付けやお皿にこだわってしまう方は、調理補助という仕事が良いでしょう。
資格は不要ですので、調理師免許をこれから取ろうと考えている方でも、すぐに就職することができます。
今回は、調理補助として現役で働いている方へ、仕事内容ややりがい・向いてる人の特徴をインタビューしましたので、これから調理補助になろうと考えている方の参考となる情報満載です。
調理補助の仕事内容と給料
仕事内容
調理補助の主な仕事は、野菜や果物などの食材の下処理、完成した料理の盛り付け、食器や調理器具の準備などです。
働く場所によっては食器の洗浄やゴミ捨て、納品検品などの雑務もしなければなりません。
調理師さんが働きやすいように環境を整える必要があります。
調理補助が働く場所は飲食店の他にも学校・保育園・病院・介護施設・社員食堂など多岐に渡ります。
働く場所によって求められるスキルが違ってきます。
盛り付け一つとっても、働く場所で全然違います。
飲食店はチェーン店場合だとマニュアルがしっかりしていてその通りに盛り付けるだけですが、個人経営の場合だとマニュアルがなくて、自分のセンスが問われたり、店主や料理長のこだわりが強くてせっかく盛り付けた料理を直される場合もあります。
病院や介護施設だと、料理を刻んだり一口大にしたり、ミキサーにかけたり、トロミを付けたりなど利用者様や患者様の状態に合わせた形態で盛り付ける必要があります。
学校や一部の保育園では食缶に入れるだけで、子供達が盛り付けてくれますが、アレルギーの対応が必要です。
自分に合った職場を見つける事が大事になってきます。
給料
正社員であれば、年収200~250万円スタートが多いです。
調理補助の仕事のやりがい
一番のやりがいは、食事を食べておいしいと言っていただく事です。
学校や保育園、飲食店などの場合は食べている風景を見られたり、直接おいしかったと言っていただけたりします。
病院や介護施設だと直接かかわる事があまりないので、栄養士さんや介護士さんなどの他の職種の方を通して感想を聞かせて貰えたり、残飯を見て今日の食事はおいしかったんだろうなと想像したりすることができます。
丁寧な方ではわざわざ手紙を書いてくださる方もいます。
ほかにも、食材を切るスピードが上がったり、料理をより綺麗に盛り付けられるようになったりなど料理を作るのが上手くなったという実感を得ることができ、他の職種に比べると成長を感じやすいと思います。
また、実務経験を積むことで調理師の受験資格を得ることができるので手に職をつけたい方におすすめです。
例えアルバイトでも週に4日以上でさらに1日6時間、2年以上働くことで実務経験を積んだことになります。
注意したいのは切る・煮る・焼く・炊く・漬ける・炒める・蒸す・茹でる・揚げる・味付ける・その他の11項目のうち3つの調理作業に携わってなければならないことです。
調理補助の仕事で辛いこと
調理場は冬は寒く夏は暑いです。
特に夏は熱中症になりやすいので、どんなに忙しくても定期的に水分補給をする必要があります。
また、立ちっぱなしで何時間も作業したり、重たいものを持ち上げたりしなければならないので体力勝負の仕事です。
膝を壊したり、腰を痛めたりする人が多いのです。
安心安全な食事を提供する事が前提条件なので、異物混入や食中毒はあってはなりません。
衛生管理には常に気をつけてください。
また、学校や保育園、社員食堂だと昼食だけを提供する場合がほとんどですが、他の職場は3食作る必要があるので、早朝から働いて夜まで仕事しなければならない事も多いです。
他にも、人間関係がとても大切になってきます。
働く場所によりますが、飲食店だとホールスタッフや他のキッチンスタッフ、病院や介護施設だと栄養士や調理師との連携が重要です。
様々な職種の方と上手くコミュニケーションを取っていかなければならないので神経を使います。
調理補助へ向いている人の特徴3つ
- コミュニケーション能力がある人
- 料理が好きな人
- 臨機応変に行動できる人
①コミュニケーション能力がある人
様々な職種の方と一緒になって働く必要があるので、コミュニケーションを取る事ができないと働く事は難しいです。
例えば、飲食店でアレルギーのお客様が来店されたときにはお客様はまずホールスタッフにアレルギーがあることを伝えると思います。
その時に、ホールスタッフとの連携がうまく取れていなければ、アレルギーのあるお客様にアレルゲンの入った食事を提供してしまう恐れがあります。
この場合、お客様はアレルギーがある事を伝えていたわけですから、一大事です。
最悪、店が潰れかねません。
他にも、繁盛期に自分の能力を超える作業量をこなさなければならなくなった時に他のスタッフに助けを求めたり、逆に助けてあげたりと言う事ができないと仕事が回りません。
②料理が好きな人
当たり前のことですが、調理補助の仕事は料理なわけですから、料理が好きでなければ仕事を続けていくのは難しいです。
料理が好きな人であれば、調理補助はオススメの仕事です。
調理師さんが料理するところを間近で見る事ができますし、自分が味付けした料理の感想をプロの方からもらう事ができます。
その感想がまずいと言ったものだったとしても、どう味付けを変えれば良いのか教えてくれるので、これからの自分の料理に活かしていけるのではないでしょうか。
また、家庭料理とは違って不特定多数の人に料理を提供するので、料理が好きな人であればやりがいを感じる事ができると思います。
実務経験を積めば調理師の資格を得ることができるので、料理が好きなら最高の仕事です。
③臨機応変に行動できる人
調理補助は案外、臨機応変に行動しなければならない場面が多いです。
突然の体調不良でスタッフが来られなくなったり、怪我や火傷をしたスタッフが早退しなければいけなくなった場合、代わりのスタッフが来られれば良いのですが、大体の場合は今いるスタッフで仕事を回さないといけません。
急に仕事が増えるわけですから、食器の洗浄をする予定だったのに食材の下処理を任されたり、サラダの盛り付けが終わってないのに料理の味付けをしなければならなかったりと、忙しくなります。
どちらを優先するべきなのか調理師さんに聞くと言う手もありますが、常にそばにいるとは限らないし調理師さんも忙しいので、自分で判断出来る人が向いていると思います。
調理補助へ向いていない人の特徴3つ
- 衛生管理が出来ていない人
- 大雑把な性格の人
- プライドが高い人
①衛生管理が出来ていない人
調理補助は食事を提供する仕事なので、安心安全に食べられる食事である必要があります。
その為にはもちろん衛生管理に気をつけなければいけません。
例えば、盛り付けするときは手袋を付けたり、調理した料理の中心温度を測ったりと、家庭料理ではやらないような事も必ずやる必要があります。
それを怠ると、集団食中毒を起こす原因になります。
ほかにも、パッケージを開ける時に破片を切り離さないようにしたり、怪我をした時に青い絆創膏をした上で手袋を二重につけたり、一見そこまで意味のないように思える作業でも重要な意味があったりするので、どんなに忙しくても衛生に気を配らなければいけません。
それが出来ずに作業を勝手に省いたり、忘れてしまったりする人には向かない仕事です。
②大雑把な性格の人
大雑把で適当に盛られた料理を食べたいと思う人はまず居ないでしょう。
丁寧に盛られた美味しそうで綺麗な料理をみんな食べたいと思うはずです。
また、料理は科学の延長にあるといっても過言ではない作業なので、繊細さが求められます。
レシピやマニュアルの通りの分量で作れば美味しくなるのに目分量で味を付けたり、揚げ物を作る時に時間を測らずになんとなくで作ったりすれば、美味しい料理にはなりません。
家庭で料理を作る時にはやらない人がほとんどだと思いますが仕事である以上、失敗するわけにはいかないので、細かいマニュアルやレシピに従わなければなりません。
大雑把になんとなくで仕事をしてしまう人には向いていない仕事だと思います。
③プライドが高い人
調理補助は調理師さんからの指示を受けて仕事をする事が多いので、人から指示されるのが苦手なプライドが高い人には向いていません。
調理補助は調理師とは違って資格も必要なく簡単な作業が多い為、給料が低くなりがちですし、アルバイトでやっていると言う人がほとんどです。
中には調理補助をあからさまに下に見ている調理師さんもいたりするので、プライドが高いとやってられません。
また、異物混入が起きた場合などでは明らかに自分がした作業で混入したものでは無いのに、謝罪しなければならない事もあります。
プライドが高いと自分のした事で謝るのも難しいのに、やっていない事で謝るなんて出来ないのではないかと思います。
プライドがあるのは悪いことではありませんが、調理補助には向いていないのではないでしょうか。
調理補助へ就職する方法
調理補助には資格が必要ありませんので、転職サイトや求人サイトに多数の募集があります。
大変な仕事ですが、やりがいのある仕事です。
働く場所によって仕事内容が違うので向いていないと思っても環境を変えれば最高の仕事だと思えるかも知れません。
料理を一生涯の仕事にしたいのであれば是非、実務経験を積んで調理師を目指してください。